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 続編ニュース 48号                  2004.6.12

 ◆目次◆
     編集前記
校正のお知らせ
     松本 順子先生の原稿   「リュウ先生の思い出」
    「松本実践に学ぶ」      重水の原稿
     本の名前がきまりました
     整理表

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 ◆編集前記◆
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こんにちは。ニュース48号をお届けします。これで原稿終了です。

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 ◆校正のお知らせ◆
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いま、脚本の記号の不備がないか、統一表記と違った書き方はないか、原作者や出典は明記されているかなど、原稿の詳細をみています。

このあと、高文研の山本さんから、各執筆者に校正原稿をお送りする予定です。来週中、遅くても6月20日までには、お手元にファックスか郵送で原稿が届くと思います。

・ 語句の間違いがないか
・「わたしは学校を行く」のような表現のミスはないか、
・原作者や出典は正しいか
など、ご自分の原稿について、みていただいて、訂正個所には、赤を入れて山本さんまでご返送ください。

 校正の締め切りを、6月28日(月)とさせていただきます。郵送の場合は、6月28日(月)必着でお願いします。ご多忙の折、恐縮ですが、よろしくお願いします。
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 ◆ 松本 順子先生の原稿 ◆
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   「リュウ先生の思い出」
高知県・高知市立潮江南小学校教諭  松本順子

 《解説》
 わが校は、高知市において中国帰国児童の多く居住している地区であり、この十年間、国際理解教育に力を入れ授業の中に中国語を投げ入れとして行っていることで知られている。三年前からは総合的な時間を使い中国語の授業を行っている。そして三年生だけは、週に一時間の中国語の授業が組まれていた。
 指導者は、中国から高知大学に留学生している方に、ボランティアとして来てもらっている(前期・後期に分かれている)。今回、前期の授業を担当してくださったリュウ先生とのお別れパーティーで、三年生全員の六七名で「リュウ先生の思い出」を群読し、先生へのお礼にしようと子どもたちと話し合った。
 脚本は、学年教師が作り、練習に入った。

 《読み手》
 ソロ一〇名(AからJ)。
 アンサンブルはこの10名、ソロHは中国帰国児童にして、中国語のリーダーとして活躍させた。
 あとは男女別、全員の分読。

 《演出ノート》
 @ここでは、リュウ先生に習った中国語のまとめをすることを子どもたちに確認し「中国語の一つひとつ、こころをこめて言おう」と投げかけた。そして「友だちが言っている時も、小さい声で言っていよう」「間の取り方にも充分に気を付け、心の中で三秒数えよう」と留意点を与えた。
 ABGMを入れると群読が映える。このときの群読では、バック音楽には、「カノン」を流した。

 《群読脚本》
     A  リュウ先生との思い出
     B  リュウ先生
    全員  リュウ先生
     C  中国語をいっぱい、ならったね
    全員  いっぱい、ならったね
     D  先生とはじめて 出会った 二〇〇三年五月一九日
    全員  二〇〇三年五月一九日
     E  中国の話を聞いて
     F  ぼくらは、中国に行きたくなった
    全員  行きたくなった
     G  わたしたちが、おぼえた中国のことば
     H  ドンシュエメン ハオ(皆さん、授業を始めましょう)
アンサンブル  ラオシー ハオ(先生、授業をはじめましょう)
    全員  ラオシー ハオ
     H  イー(一)
    +A  アル(二)
    +B  スァン(三)
    +C  スー(四)
    +D  ウー(五)
    +E  リィウ(六)
    +F  チー(七)
    +G  バー(八)
    +I  ヂィウ(九)
アンサンブル  シー(一〇)
    全員  イー、アル、スァン、スー、ウー、リィウ、チー、バー、ヂィウ、シー
     I  ほかにも、曜日や自分の名前を中国語で言えるようになった
     J  中国語での名前を知って、とってもうれしかったよ、ありがとう
    全員  ありがとう
  男子全員  ぼくが大人になったら、中国でリュウ先生と会いたいな
  女子全員  わたしが大人になったら、中国でリュウ先生と会いたいな
    全員  リュウ先生、またいつか中国で会おうね
     H  リュウ ラオシー ヅァイヂィエン(リュウ先生、さようなら)
アンサンブル  リュウ ラオシー ヅァイヂィエン
    全員  リュウ ラオシー ヅァイヂィエン

《発展》
 子どもたちの群読を聞きながら、涙ぐんでいるリュウ先生の姿が印象的だった。リュウ先生から「心に残る群読をありがとう」という言葉をもらった子どもたちは、喜びいっぱい、満足気であった。
 その後の学級集会では、たえず群読で行う活動が繰り広げられるようになった。私は子どもたちに、いろいろな場面での群読を体験させ、表現活動の楽しさを広げていきたいと思っている。


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 ◆ 松本実践に学ぶ◆ 重水の原稿
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 転任する教師へのお別れの言葉を群読で伝えた実
践である。群読の活用・指導上の留意点という二つ
の観点で学ぶことの多い報告である。
 まず、群読の効果的な取り上げ方である。
 授業や行事など、群読を活用する場面は多いが、
この報告のように別れのセレモニーなどは、まさに
群読に適する活動といえよう。
「相手に伝えたいことを文章化して、直接的に思い
を伝えやすい」「読み手をエピソードにちなんだ配
置にすることで、思い出の場面を強調できる」「集
団で読むので訴える力が強い」。
 松本実践から、こうした群読の効果をみることが
できる。
 次に、脚本の工夫と演出の技術である。
 第一に、脚本中の役割分担である。
 ソロは、その場面やエピソードに適した子どもを
あてている。また、「リュウ ラオシーヅァイヂィ
エン」のように、強く訴えたい部分はコーラスにし
ている。重要な文章をコーラスにすることで相手に
伝わるものが大きくなるからである。
 第二に、BGMをつけたことである。
 ここでは、バックに「カノン」を流している。
 こうしたセレモニーでは、音楽を流すことで情
感を盛り上げ、群読が映えるものである。
第三に、出だしのそろえ方である。
「出だしは声をそろえて読みなさい」と指示して
も簡単にできるものではない。「自分だけ、先走
って読むのではないか」と不安になるからである。
 そんなとき、記述のように「自分のパート以外
も小声で読む」「心の中で3秒数える」という指
導が効果的である。この練習を重ねながら、自信
を持って声を出し、まわりと声がそろっていくの
である。活動を通して協力を教えることにもなる。
 本実践は、転校生の激励や学級まとめの会など
多様に応用できるものである。この報告から学ん
だ指導のポイントをふまえて、わたしたちも楽し
く実践してみたいと思う。


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 ◆本の名前がきまりました◆
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お寄せいただいた案をもとに、編集部で考えてきました。6月5日に行った大会準備の会議においても参加者の方々に意見をうかがいました。意見百出でした。それらをもとに、本書の出版社である高文研の会議を通して、次の書名に正式にきまりました。

『続・いつでもどこでも群読』です。

「いつでもどこでも」という言葉は、本会の活動をポジティブに表現する言葉として残しておきたいという意見が強かったからです。『続・いつでもどこでも群読』いつまでも、読者に親しまれる本にしたいと思います。よろしくお願いします。


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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****
 (参加申し込みがはじまっています。下記のHPに申込用紙があります)

  重水 健介(日本群読教育の会事務局)

  日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp

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