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 続編ニュース 47号                    2004.6.7

 ◆目次◆
     編集前記
荻原 啓先生の修正原稿   教師の思いを生徒に伝える群読
    「荻原実践に学ぶ」      重水の修正原稿
     音の目次
     整理表

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 ◆編集前記◆
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こんにちは。ニュース47号をお届けします。

荻原先生の原稿は、内容を考えて、Tの「第3章 教師たちの群読」に入れることにします。また、松本順子先生の群読脚本は、Uの「資料」に入れていましたが、実践記録として、加筆していただき、Tの 「第2章 学級・学年・全校活動の中の群読」に入れます。

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 ◆ 荻原 啓先生の修正原稿 ◆ 第3章 教師たちの群読  教師の思いを生徒に伝える群読
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           北海道・札幌市立厚別北中学校教諭  荻原 啓

 《解説》
 昨年の「BIG WAVE」(『いつでもどこでも群読』所収)に続く実践である。今年度は、生徒の育ちの姿に対する教師側の願いを、「TSUNAMI」という学年テーマに込めることとした。一学年「ALL WAVE」から二学年「BIG WAVE」と続いた学年テーマの最終章である。
 今年は、昨年からの計画通り、学年の教師集団の思い、生徒の願いをそれぞれオリジナルの詩にした。
 それぞれを脚本とし群読するまでの過程を通して、互いの理想を重ねた教師と生徒の協同による学年づくりを目指したわけである。「TSUNAMI」には、学年生徒がもつパワーを十分に発揮してほしいという願いが込められている。押し寄せる「TSUNAMI」のようにダイナミックな最高学年となってほしい。そうした願いを群読で伝えたいと考えた。ここでは教師側の群読についてふれる。
 学年びらき集会で、まず教師側のパフォーマンスと群読を披露した。学年テーマの「TSUNAMI」を題名にいただいたオリジナルの脚本を作成し、群読したのである。前年度に続き、以後の学年PTA集会で、学年びらき集会の模様をビデオで紹介し、共通理解を図った。

 《演出ノート》
 教師群読はオリジナルの脚本である。教師群読は学年びらきにおける教師側からのメッセージとして、学年所属の教師全員(一二名)で行った。また、修学旅行を意識し、同行される教頭先生にもアンサンブルに入っていただいた。
 コーラスの太字は強く読む部分で、群読にリズム感を出すためのものである。感覚的にはボイスパーカッションに近い。和太鼓のイメージで行うと良い。
 出だしのコーラスは、低めのトーンで不気味さを出す。この時に声をしっかり響かせるように意識したい。乱れ読みの「うわぁー」は叫ぶ。声の高さや質、性別などに変化をつけると広がりがでる。「せいや!」「はっ!」は格闘技のように気合いを込めて大きく響かせる。最後の漸増「津波だ」の部分は声の少しずつボリュームを上げるようにして変化をつける。体育館で発表したため、隊形はステージ上とフロアの二列に並ぶ形をとった。

 《群読脚本》
   (1)TSUNAMI教師版(荻原啓 作・演出)
 ソロ(アンサンブル)      コーラス
                       どん どん どん どん
     どん どん どん どん
   どん どん どん どん
   どん どん どん どん

    §@ うわぁー       どん どん どん どん(@ABC以外で)
   §A うわぁー     どん どん どん どん
   §B うわぁー     どん どん どん どん
   §C うわぁー     どん どん どん どん

    (一拍の間の後)せいや!
    D 津波だ 津波だ(小さな声で)  どん どん どん どん(小さな声で)
DEFG以外 津波が来るぞ    どん どん どん どん
   +E 津波だ 津波だ(少し大きく)  どん どん どん どん(少し大きく) 
      津波が来るぞ   どん どん どん どん
   +F 津波だ 津波だ(もっと大きく) どん どん どん どん(もっと大きく)
       津波が来るぞ          どん どん どん どん
   +G 津波だ 津波だ(一番大きく)  どん どん どん どん(一番大きく)
       波が来るぞ           どん どん どん どん

  DEFG (一拍の間の後)は!  
    全員 どん どん どん どん   どん どん どん どん
      どん どん どん どん どん どん どん どん
      どん どん どん どん どん どん どん どん
      どん どん どん どん  どん どん どん どん
 
    H 風を切れ どん どん どん どん
  IJK 風を切れ どん どん どん どん
    I 水面を走れ どん どん どん どん
   HJK 水面を走れ  どん どん どん どん
    J 天に挑め   どん どん どん どん
  HIK 天に挑め どん どん どん どん
    K 大地を飲み込め   どん どん どん どん
  HIJ 大地を飲み込め どん どん どん どん

    @ 地球の命を        どん どん どん どん
       確かに受け止め         どん どん どん どん
    A 海に集まる     どん どん どん どん
       みなぎる力を          どん どん どん どん

    B みんなの力を どん どん どん どん
  @AC みんなの力を   どん どん どん どん
    C 一つに集めて   どん どん どん どん
  @AB 一つに集めて   どん どん どん どん
    D 大きなうねりを どん どん どん どん
  EFG 大きなうねりを どん どん どん どん

    E 竜のように どん どん どん どん
  DFG 竜のように   どん どん どん どん
    F 海神(わだつみ)のように どん どん どん どん
  DEG 海神のように   どん どん どん どん
    @ 僕たちは(男性)
      僕たちは(全員)
    A 私たちは(女性)
      私たちは(全員)
(二拍の間)    (二拍の間)
    @ 津波だ   どん どん(ソロパート担当者以外全員)
   +A 津波だ    どん どん 
   +B 津波だ  どん どん 
   +C 津波だ  どん どん 
   +D 津波だ どん どん 
   +E 津波だ どん どん 
    +F 津波だ   どん どん
   +G 津波だ    どん どん
(三拍の間の後)               (四拍の間)
     H せいや!       
   全員 津波だ!    津波だ!

 《発展》
 修学旅行の結団式という場で群読を行ったことは、実りある修学旅行にする生徒の意欲を高めたと考える。加えて、教師の群読を受けて生徒が群読を行うことで、教師と生徒が思いを伝え合う文化活動を創造できた。そして、ビデオ上映という形ではあるが、PTA集会で群読を披露した。保護者からは「先生方の情熱が伝わってきた」という声が聞かれた。
 二年間の学年づくりで、文化活動を通して生徒・保護者・教師の三者が思いを共有した証であろう。

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 ◆ 荻原実践に学ぶ◆ 重水の原稿
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 四月、群読によって教師の願いを子どもたちに伝え、
それを学年文化活動として発展させた実践が報告され
ている。この報告から、大きく次の五点を学んだ。
 第一に、教師集団の姿勢と行動力である。
 学年はじめの集会というと、教師個々の挨拶や代表
者の言葉ですませる例が多いが、ここでは学年教師の
群読によって思いを伝えている。団結を行動で示し、
子どもを励まそうという教師集団の理念が伝わる。
 第二に、詩の内容である。
大きく前進する学年をつくろうという願いを「風を
切れ」「地を走れ」「天に挑め」のように子どもに呼
びかける言葉として表現している。また、バックコー
ラスの「どんどん」という言葉が、教師のメッセージ
を強調している。
 子どもに直接的に伝わりやすい内容と表現である。
 第三に、脚本の工夫である。
バックコーラスにおける同じ言葉の繰り返し、また、
全編を通した、漸増法や強弱、乱れ読みなどの組み合
わせによって、波が押し寄せるイメージをうまく表現
している。
 ソロ(アンサンブル)の部分は、はぎれのよい短文
で構成されている。この点も、リズム感を保って読み
やすくする工夫として参考にしたい。 
 第四は、子どもたちの群読につながったことである。
 子どもたちは修学旅行の決意発表を群読で行ってい
る。教師の群読をみて、その面白さや迫力を学んでい
たから、しぜんな形で入っていけたのだろう。
 第五に、保護者に群読を見てもらい、子どもの姿や
教師のやる気を示したことである。
 このように、録音や録画による方法だと手軽にでき
る。日頃から保護者に教師の活動を学校の取り組みを
意識して紹介したいものである。
 教師と生徒が群読によって学年テーマを共有する。
 活動について保護者の理解を得ながら、さらに実践
を深めていく。
 こうした教師集団のねらいが貫かれた実践である。
    
 
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 ◆音の目次◆
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お寄せいただいた録音録画を編集部で何度も拝聴して下記の目次をつくりました。ご紹介します。ご協力ありがとうございました。なお、お送りいただいた、テープ類は、収録作業が終わりましたら、ご返送します。


付録 CD 収録作品

  「タイトル」作者/表現者・指導者 

1 「あるけ」       鶴見正夫/小学校学校1年生・加藤恭子…………………頁参照
2 「おおきい ちいさい」 香山美子/小学校1年生・加藤 恭子……………………頁参照
3 「あいうえお・ん」   鶴見正夫/小学校1年生・福澤 紀子……………………頁参照
4 「ともだち団結コール」 1年1組の子どもたち/小学校1年生・伏見かおり……頁参照
5 「弁天小僧より」    歌舞伎台本より/小学校1年生・川崎 瑞枝……………頁参照
6 「いっぱい」      谷川俊太郎/小学校2年生・深沢 英雄…………………頁参照
7 「かえるのたいそう」  鶴見正夫/小学校2年生・深沢 英雄 ………………… 頁参照
8 「モチモチの木」    斉藤隆介/小学校3年生・馬見塚昭久…………………… 頁参照
9 「生きる」       谷川俊太郎/小学校5年生・日置 敏雅…………………頁参照
10 「人間の勝利」     山村暮鳥/中学校3年生・秋元 紀之……………………頁参照
11 「諸君よ」       宮沢賢治/中学校3年生・上村弘…………………………頁参照
12 「TUNAMI」    荻原啓/教師・荻原 啓……………………………………頁参照
13 「いつでもどこでも群読パーカッション 」河野邦房/教師.市民・河野邦房………頁参照
14 「ドレミファかえうた」    坂田寛夫/教師 群読の会…………………………頁参照
15 「あめ」           山田今次/教師・澤野 郁文 …………………… 頁参照
16 「おにぎりころりん」     まど・みちお/教師・群読の会……………………頁参照
17 「きのうのあしたはなんだっけ」田辺宏明/教師・群読の会…………………………頁参照
18 「ハヒフペポ」谷川俊太郎/教師・群読の会……………………………………………頁参照
19 「かまきり」畑中圭一/市民・海上 和子………………………………………………頁参照
20 「うそつき」大州秋登/市民・海上 和子………………………………………………頁参照
21 「なのだソング」井上ひさし/市民・海上 和子……………………………………… 頁参照
22 「江戸バカ囃子」大分玖珠サークル編/老人会・新田 茂子…………………………頁参照
23 「学校での群読活動紹介」/6年生・長塚 松美………………………………………頁参照




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◆整理表◆ 書名「続・群読」(最終検討中)
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数字は掲載ニュースの号数、( )は学ぶ 

はじめに        ・・・ 重水 健介 27
目次 ・CD目次    ・・・ 編 集 部
群読に使われている記号 ・・・ 編 集 部
  
T さまざまな場での群読活動

 第1章 授業のなかで使われている群読

 小学校 低学年  伏見かおり21(坂尾35)
          吉田  靖11(重水39)
          深沢 英雄38(澤野46)
     中学年  加藤 征子26(坂尾43)
          深澤 五郎31(澤野46)
     高学年  糸井 利則33(片桐42)
    中学校 毛利  豊8(重水12)
    高 校  片桐 史裕14(毛利46)

 第2章 学級・学年・全校活動の中の群読
    
     小学校  日置 敏雅12(片桐42)
          長塚 松美35(坂尾39)
          古関 勝則25(澤野46)
   福澤 紀子37(澤野46)
         馬見塚昭久22(片桐40)
          川崎 瑞枝14(毛利44)
          松本 順子34(重水) ←加筆中・執筆中
     中学校  山口  聡18(毛利45)
          荻原   啓10(重水42)
    
 第3章 教師たちの群読 
     
          澤野 郁文23(片桐40)
          荻原   啓47(重水47)
          河野 邦房32(澤野46)


 第4章 地域での群読
          新田 茂子19(毛利44)
          海上 和子37(重水43)


U 資料 群読脚本   
           家本 芳郎
           坂尾 知宏20
           秋元 紀之17
           上村 弘17
           海上 和子28
           松本 順子34
           加藤 恭子34

終わりに 〜「日本群読教育の会」へのおさそい・・・毛利 豊36
 

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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****
 (参加申し込みがはじまっています。下記のHPに申込用紙があります)
 
  重水 健介(日本群読教育の会事務局)
 
  日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp

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