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続編ニュース 43号 2004.5.31
◆目次◆
編集前記
加藤征子実践に学ぶ 坂尾知宏先生の原稿
海上和子実践に学ぶ 重水の原稿
整理表
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◆編集前記◆
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こんにちは。ニュース43号をお届けします。
5月末になりました。編集委員のみなさんのご尽力により、すべて「実践に学ぶ」の原稿を期限内にご提出いただきました。
毛利豊先生、片桐史裕先生、澤野郁文先生、坂尾知宏先生。ご多忙の中をありがとうございました。
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◆加藤征子実践に学ぶ(26号に掲載)◆坂尾 知宏先生の原稿
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「教科書教材を群読化してみたい」そういう思いを
抱いている先生方は多いにちがいない。「どういう
教材が群読として脚色しやすいか」「どんなふうに
アレンジしていけばよいのか」そんな疑問の解決に
大変参考となる実践である。
題材として「ガオーッ」を選択し、成功した理由
が五つある。
第一に、子どもたちに人気のある作品を選択した
ことである。「読んで楽しい」と感じさせる作品を
選ぶことが、群読化するにあたっては一番大切なこ
とである。
第二に、ライオン、クロヒョウ、子ども、先生と
いう多彩な人物が登場する文章を選んだことも功を
奏した。動物、人間、それぞれの心情を表現するな
かで、子どもたち一人ひとりの個性が輝き、変化に
富んだ楽しい群読になる。
第三に、ナレーターの役割分担に注目したい。
ナレーター1、2はライオンやクロヒョウ以外の
周囲の様子を読む。そして、ナレーター3がライオ
ン、ナレーター4がクロヒョウのそれぞれの様子を
説明する文を読むというようにうまく分業化がなさ
れている。これで、ナレーターと登場人物が息を合
わせて読むことが可能になる。また、練習をペアで
行なうことも容易になるだろう。
第四に、アンサンブルの表現が工夫されている。
「そのときです」のように強調して「はっ」とさせ
たいところや、「ようち園の団体が九組」のような
量的ボリュームを表現したいところにアンサンブル
を取り入れている点がすぐれている。
最後に、コーラスについてである。
幼稚園の子どもたちが元気に動物園に入ってくる
様子がうまく表現されている。これは「ごろりと横
になり、目をつぶりました」というライオンの静か
な動きと対比させるうえで効果的であった。
これらの加藤先生の脚本づくりのノウハウは、今
後の作品開拓に必ず生かされるにちがいない。
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◆海上和子実践に学ぶ(37号に掲載)◆ 重水の原稿
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海上先生は地域文化活動の題材に朗読・群読を取
り上げた。この実践から学ぶことは多い。
第一に、取り上げた作品の幅広さである。
「声の体操」と称して、みんなで斉読をした後、群
読の練習に入っているが、詩歌だけでなく、物語・
わらべうた・古典・漢詩と多彩なジャンルの作品で
ある。さらに、各自が自薦作品を持ち寄り朗読して
いる。参加者の活動意欲を高める配慮がうかがえる。
第二に、作品を選ぶ視点である。
海上先生は、「美しいリズムをもつ日本語」「格
調高い表現のある文章」「懐かしさを呼び起こすよ
うな作品」の3点をあげている。群読に適した作品
選ぶときの考え方として参考にしたいものである。
第三に、脚本の工夫である。
鐘や木魚の音、カラスの鳴き声を脚本に位置づけ
ているが、群読では、このように実物をまねて声で
表現することが大切である。また、この部分は十分
間を取ることで山寺の静けさを表現している。
次に、バックコーラスに強弱をつけている点であ
る。ソロやアンサンブルのような少人数パートが、
はっきりと聞こえるための工夫である。
第四に、作品を生かす演出である。
ナレーターや効果音がサイド、ソロとアンサンブ
ルが中央、後ろにコーラスという配置は、並び方の
基本形として参考になる。また、情景描写を助ける
身体表現や簡単な小道具による雰囲気つくりなども
効果を高める手だてとして学びたいものである。
第五に、発表会の効果である。
群読に限らず、文化活動は発表の場をもつことで
活動の意欲づけになる。「公民館のつどい」におけ
る群読経験が達成感・満足感となって、次に保育園
や老人会での発表をめざすようになったとの記述が
ある。まさに「楽しい声の輪」を広げる活動である。
地域文化活動の典型を示す、すぐれた実践として
広く推奨したいと思う。
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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****
重水 健介(日本群読教育の会事務局)
日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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