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 続編ニュース 36号                2004.5.17
 
 ◆目次◆
     編集前記
毛利豊先生の原稿  川崎 瑞枝先生の実践に学ぶ
               山口 聡 先生の実践に学ぶ
               あとがきー「日本群読教育の会」へのおさそい
     整理表

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 ◆編集前記◆
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こんにちは。みなさんお元気ですか。ニュース36号をお届けします。

今回は、毛利豊先生の原稿特集です。ご多忙のところ、ありがとうございました。毛利先生がなさっているように、ここに掲載した原稿は、その後も書き直しすることがあります。毛利先生のような、集中的なしごとへの取り組みを大いに学びたいと思います。
 
同時に、「実践に学ぶ」の書き方についても参考になります。文の書き出しと終わりです。読み手を引き込む書き方です。このような工夫を心がけたいものです。編集委員のみなさんよろしくお願いします。
執筆者の方で個人データを未送信の方は、早めにお願いします。
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 ◆川崎 瑞枝先生の実践(14号に掲載)に学ぶ(修正)◆    毛利 豊先生の原稿◆  
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 またまた、驚いた。
 幼さの残る小一が、中学生でも難しい「気どり」読
みを、ノリノリで鮮やかにやってのけた。青息吐息で
中学生を指導している私は、いっそう青くなった。わ
たしたちはここから何を学べばよいのだろうか。
 第一は、指導者の夢みる力である。中学校で古典群
読に苦戦していると聞き、「小学生から古典になじま
せればよい」と考えたという。普通はそんなことは考
えない。常識にとらわれない着想力が起点となってい
る。「楼閣は空中に建てるものだ、さあその下に土台
を建てよう。」(ソロー)を思い出した。
 第二は、楽しんで子どもと共に取り組んでいる点で
ある。終始一貫して、楽しむために群読をし、それを
総括の中心においている。普段の「わらべうた」遊び
の延長だったのかととらえれば、謎はとける。
 第三は、教師の学ぶ力と積極果敢な姿勢である。古
典研究部のわたしに時々問い合わせが来たので、知る
だけの情報提供と感想を述べたに過ぎなかった。しか
しその後に送られてくる録画映像や報告は私の思惑を
はるかに超えて先に進んでいるのが常であった。
 第四に、マスコミの流行に上手く乗っている点であ
る。普段子どもに溶けこみ、つぶやきを聞きのがさな
かった教師だけが生みだし得た実践といえる。
 第五は、有志活動から始めて、それを学級全体にし
ぜんに広げていく運動論ある。全員への暗唱強制など
からは、けっして生まれなかった展開である。
 第六は、動作化・小道具・顔の装飾などで、興味づ
けを図っている点である。「見得を切る」「セリフで
前を向く」、拍子木や傘、「隈取り」など、面白そう
な仕掛けが満載である。これならおもしろい。
 第七は、詩・物語・わらべうたなども、文種が「文
語」であれば、同時にすべて「古典群読」たり得ると
いう、分類軸(視点)の多様さへの示唆である。
「わらべうた」遊びを素地にして、低学年群読のウイ
ングを古典領域にまでも広げ、分類再編までをも予言
した、実践史に画期を成す金字塔である。


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 ◆山口 聡先生の実践(18号に掲載)に学ぶ◆    毛利 豊先生の原稿◆  
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 この実践は、群読などのパフォーマンス各種を立ち
上げることで「集団づくり」を進めた報告である。
 よって、その総体にそって学びたい。
 第一に、学年集会での学期末総括を、学級代表者個
人の思いから、学級班長会・学級会と集団をくぐらせ
ることによって集団の総括にした点である。その過程
自体が、学級のメンバー一人一人に深く自らを省みる
意識を育てる。
 第二に、表現の形態である。一人の話だけから集団
による表現活動(群読・寸劇・紙芝居・合唱)へと発
展させている。子どもたちを豊かな文化活動の世界へ
といざなっている。これらは、その後、多彩な集団文
化活動(学級じまい活動)を生み落とし、スライドシ
ョー(学年じまいの会)に発展した。さらに、二学年
に進級してのレク大会(学年びらき)は、やがて三年
生になった暁には、生徒会主催の多種多様な全校文化
活動へと向かうことが予想される。
 第三に、群読と寸劇という組み合わせに注目する。
 群読は声の文化なので、学校現場では他の文化活動
と組み合わせて使われることも多い。いっそう表現を
切り詰めた、一幅の絵のような静止画演技との組み合
わせもあり得る。声だけで作られる群読は、他の活動
との相性も良く、合唱・映像・演技など、いろいろな
取り合わせが可能だと考えられる。
 友紀は台本づくりに手間取ったことを惜しんでいる。
 まず各班から思い出の名場面を出させ、その練習を
しながら、同時展開でそれらをつなぐ群読脚本づくり
も進めると、時間が生みだせるだろう。
 第四に、細かな配慮がなされている点である。発表
前の十分間の最終打ち合わせとリハーサル、声の大き
い子どもの配置、分読の多様性など、実践上は必要と
なる細心の気配りが、随所にしてある。シンプルな群
読を力強く成功させた秘密はここにある。
 文化活動とかけ合わせて自治的集団を育て、子ども
が主人公になる全校集団づくりの創造である


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 ◆あとがき〜「日本群読教育の会」へのおさそい 〜(修正)◆ 毛利 豊先生の原稿
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 本書に収められた群読の実践記録をお読みになって、読者のみなさんは、どう思われただろうか。本会の前著『いつでもどこでも群読』は、好評のうちに、初刷分を1年も経ずに完売した。読者からは、「どの実践もとてもレベルが高い」「非常に充実した内容だ」と賛辞をいただいた。しかし同時に「群読は難しいもの」「かくあらねばならぬもの」と固定観念をもった人もいるのではないかと危惧する。「群読」は、けっして難しいものではない。「複数の人間が群れて声を出せば、それはすなわち群読である」。これくらい楽に考え、楽しんだ方がよい。群読はまだ歴史が浅く、私たちも、迷い、手探りしながら試行錯誤をくり返している。この先、どう生成発展し、形態・領域・応用・機能などが変化拡充して行くかは、未知数である。みなさんも本会に参加され、私たちと共に創造の旅に出てみませんか。

《日本群読教育の会》

◇参加資格・義務―群読に興味のある人なら誰でも自由に参加できます。
         会費・入会金などは「無料」。義務等も、いっさい「無し」。
◇会員の特典―@情報満載のお得な「会報」や「通信」が、メールにて不定期に送られてくる。
       A本書のような実践記録集の執筆に、毎年、立候補できる。
       B大会参加費等が、割引になる。
◇入会方法― メールなどで、HP・代表・事務局長・会員などに、入会の意志と自分の氏名・連絡 
       先を知らせるだけで、完了。
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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****

 重水 健介(日本群読教育の会事務局)sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp

  日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp

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