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 続編ニュース 35号               2004.5.16

 ◆目次◆
     編集前記
今後の作業日程
     長塚松美先生の原稿
     伏見実践に学ぶ(坂尾知宏先生の原稿)
     整理表

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 ◆編集前記◆  
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こんにちは。みなさんお元気ですか。ニュース35号をお届けします。

今回は長塚先生の原稿を紹介します。長塚先生には、4月中に原稿をいただいていたのですが、後に、別の方で、同じ群読題材をあつかった実践報告の提出がありましたため、無理をいって急遽、原稿を書き換えていただきました。事前にこうしたときの対応を提示しておくべきでした。すべて、編集にかかわる当方の不注意によります。長塚先生、助かりました。ありがとうございました。

今後の、執筆者のみなさんには、修正や校正のお願いをしますので、よろしくお願いします。

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 ◆今後の作業日程◆    
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5月中    編集委員 「この実践に学ぶ」の執筆
       編集部   数字表記の統一や原稿の学年を追った並べ替えなどの原稿整理
       執筆者   原稿の修正をお願いします。(この後、個別にご連絡をします)
       編集部   音の検討

6月10日頃 執筆者   校正作業 (執筆者全員にご連絡します)
       編集部   書名の確定、デザイナーに装丁を依頼、CDのデザインも。

7月20日頃 完成予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

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 ◆長塚 松美先生の原稿◆ 学級・学年・全校活動の中の群読  小学校   
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『朝の会の日替わりメニューの一つに群読を…』 神奈川県横須賀市森崎小学校  長塚 松美

〈 解説 〉
 持ち上がりの6年生の学級である。昨年度夏休みに、8ページ13作品の『群読集』を作り、夏休み明けにクラスの子どもたちにプレゼントした。(写真参照) この『群読集』を毎日の持ち物にし、朝の会で取り組むことにした。初めのうちは毎日群読を行った。
 日直は、「きょうは『きりなしうた』を読みます。1・2・3班はAの部分、2・4・6班はBの部分、題名と作者名は全員で読んでください」というように、指示する。AとBのかけ合いは、ときによって、奇数班と偶数班に分かれたり、男女で分かれたり、日直とみんなに分かれたり…いろいろアレンジできる。しかも、それ程分担の指示に手間がかからず力量もいらない。
 13編の中には「寿限無」「かたつむり」のように、分担が複雑な作品も盛り込んだが、お手軽なAとBのかけ合いの作品をどうしても日直は選ぶ。それでもよい。複雑な作品は、教師が何らかの機会に提示してあげればよい。
 提示するときに印刷物をあげるのでなく、『群読集』として持っていれば、提示したときに入りやすい。なぜならば、全員ではないまでも、多くの子どもが家庭自由学習で音読して来る。宿題にしなくても、自然に取り組んでくれる。
 群読に慣れ親しんでくれることが、ねらいの一つだから、この方法はいける!と思っている。 しかし、毎日毎日『群読』だと飽きてしまいそうな気配を感じたので、作品を5編増やしてみた。また、持ち上がった今年度の朝の会のメニューは、班個人日直制の中で、班として受け持つ3日間、『群読』『歌』『リコーダー』の中から選んで、3種類のメニューを必ず行うことを義務づけてみた。もちろんそうするからには、日直の計画を事前に検討させる。計画の中で、『群読』を選択する際、具体的にどの作品にするかも検討されるようになる。そうなればしめたもの、難しい作品にもチャレンジしてくれるようになってきた。
 今回は、18編の中でNHKラジオの取材の時に取り組んだ「かたつむり」を掲載してみた。

〈 読み手 〉
ソロ1は1班の一人…というように、班内で分担
ひと班ずつ担当する部分と、合同班で担当する部分を分かりやすく提示

〈 脚本 〉
かたつむり     原作 ニュー・ユイ 出沢万紀人訳 長塚松美 編

《省略》


〈 発展 〉

『群読集』の活用を中心に、群読以外の歌などを取り入れることで、朝の会を計画的に運営できるようになってきた。今後は、レパートリーを広げるために、さらに『群読集』の作品を増やしてあげようと思う。そして、班ごとに発表会を開いてみよう。聞き合い、評価し合う中で、お互いを磨き高めていきたい。
 こうした群読の実践は、わたし自身の指導の力量も高める一つの手だてとなるに違いない。

*『群読集』に盛り込んだ作品
・まいった、まいった
・きりなしうた
 ・なんておもったら
 ・ほんとだよ
 ・寿限無
 ・やまのくちぶえ
 ・あかさたなのうた
 ・きのうのあしたはなんだっけ
 ・そうだ村の村長さん
・ヤダくん
 ・なまけ忍者
 ・かたつむり
 ・はやく はやく

・教室はまちがうところだ
 ・テキパキパキッこ
 ・一丁目のいっちゃん
 ・早口ことばのうた
 ・はこあけのうた



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 ◆伏見かおり先生の実践(21号に掲載)に学ぶ◆ 
          坂尾知宏先生の原稿   
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 子どもの実態や願いに即しながら、しぜんに群読
の導入を行なった1年生の実践である。特に学ぶべ
き点が4点ある。
 第1に、群読導入のタイミングのよさである。
運動会後を子どもたちの「変化の季節」ととらえ、
「ともだちといっしょに何かしたい」という子ども
の願いを群読で叶えようとした伏見先生の洞察力、
計画性が素晴らしい。また、教科書教材をうまく用
いながら子どもの意欲を引き出している。「ともだ
ち、ともだち、いいなともだち」の部分をだんだん
大きな声で言うという、ちょっとした工夫が子ども
たちの心を惹きつけた。さらに、「友だちが増えて
くるような感じがした」のは、教材文とこの時期の
1年生の気持ちが合致したからであろう。
 第2に詩を学級の団結コールという形に発展させ
た演出である。「みんなじゅんびオッケー?」「オ
ッケー!」「せーの」という一連の掛け声は、子ど
もたちに「今から読むぞ!」という心の準備をしっ
かりさせるうえで、非常に効果的であった。また、
「エイ エイ オー!」と最後に威勢よく締めるこ
とにより、詩が見事に団結コールへと変化した。小
学校低学年でも無理なく読める群読にアレンジした
伏見先生の構成力は、今後群読脚本づくりに取り組
む先生方に参考となるだろう。
 第3に子どもたちの感想をもとにした群読の効果
についてのまとめである。今後の小学校低学年にお
ける群読の在り方について示唆を与えるものであり、
伏見先生が述べられた群読の6つの楽しさは、評価
の視点としてぜひ参考にしたいものである。
 最後に、ICレコーダーの有用性が示されている
点に注目したい。即時に振り返りができることは、
子どもたちのさらなる意欲喚起につながるにちがい
ない。


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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****

 重水 健介(日本群読教育の会事務局)

  日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp

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