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 続編ニュース 29号                          2004.5.4
 
 ◆目次◆  
       編集前記   
    U群読指導のポイント 第4章 わらべ歌 ・・・ 研究部 長塚松美先生
       整理表

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 こんにちは。続編ニュース29号をお届けします。
 わらべうた研究部の長塚先生より、部内の検討をふまえて「実践のポイント」の修正・加筆していた
だいた第3稿をいただきました。ありがとうございました。
 執筆者のみなさん、整理表を見ていただいて、間違いがありましたらすぐにお知らせください。

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 ◆U 群読指導のポイント  わらべ歌 ◆  わらべ歌研究部 長塚松見先生の原稿
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『わらべ歌』────  日本の伝承童謡をいう。
 子どもの頃におばあちゃんから教わった「ずいずいずっころばし…」や「一羽のカラスがカアーカアー…」などを思い出しませんか?
 路地裏で、年上のお姉さんから小さなぼうやまで、何人もの近所の子らが集まって遊んだ時に歌ったり、火鉢でおもちを焼きながら昔語りの合間におばあちゃんが口ずさんでいたり…、そんな懐かしいにおいのするもの、それが『わらべ歌』 近頃の若いおばあちゃんは、わらべ歌の一つも口ずさめないかな?それに、近頃では、同じ年齢の子、クラスのお友だちとしか放課後遊ばなくなった子どもたち。遊ぶどころか、塾通いに忙しい子どもたちにとって、異年齢のかかわりなんて、とんとご無沙汰って感じかな?
 同年齢の子ども同士のかかわりだけだと、小さい頃はわらべ歌を知らずに過ぎてしまい、大きくなったら知らないものは歌えない、知っていても小学校高学年ともなれば、別の遊びで忙しい。つまりは、誰もわらべ歌という存在さえも口にしなくなってしまう。
 そんな寂しいことにならないように、教室に『わらべ歌』という文化を復活してみませんか。

2 『わらべ歌』と群読
「とおりゃんせ」というわらべ歌がある。遊戯唄のひとつであるが、ふつう問答風に合唱と独唱を繰り返しながら遊ぶ。役割でいうとAが門番たち。Bが参詣人。
 A  とおりゃんせ とおりゃんせ
 B  ここはどこの細道じゃ
 A  天神さまの細道じゃ
 B  ちょっととおして くだしゃんせ
 A  ご用のないものとおしゃせぬ
 B  この子の七つのお祝いに
    お札をおさめにまいります
 A  いきはよいよい 帰りはこわい
    こわいながらも 
    とおりゃんせ とおりゃんせ

 また、「はないちもんめ」はABふたつのグループの対話と合唱で遊ぶ。
 AB  もんめもんめ はないちもんめ
A    かってうれしい はないちもんめ
B  まけてくやしい はないちもんめ
A  となりのおばさん ちょっときておくれ
B  おにがいるから いかれない
A  おふとんかぶって ちょっときておくれ
B  おふとんびりびり いかれない
A  おかまかぶって ちょっときておくれ
B  おかまそこぬけ いかれない
 A  あのこがほしい
  B  あのこじゃわからん
A  このこがほしい 
  B  このこじゃわからん
 A  そうだんしよう 
  B  そうしよう
AB  きーまった!
 A   ○○ちゃんがほしい 
  B  ○○ちゃんがほしい
AB じゃんけんぽん
? かってうれしい…
 こうみていくと、わらべ歌は群唱を基本に、ソロ・アンサンブル・コーラスによる分唱表現によって遊んでいたことがわかる。今日の群読の基本は、すでにわらべ歌に表現されていたのである。分唱・分読は子文化の特質なのだろう。

3 そこで『わらべ歌』の掘り起こし
『わらべ歌』というと、ほかにどんな歌を思い出すかな?知らないようでいて意外と知っているかも?子どもたちにも聞いてみよう。自分も思い出してみよう。
 @ 子どもの知っている『わらべ歌』
    幼稚園や保育園でけっこう歌ったことがあるみたい。
 A 自分が知っている『わらべ歌』
    子どもの頃を思い出すと次々と湧いてくる。さわりだけでも思い出したらしめたもの。
 B 本で調べた『わらべ歌』
   「わらべうた」(岩波文庫)は詳細な解説と注釈・楽譜もついている。福音館書店「にほんのわ
   らべうた」(近藤信子著)はCDと楽譜・遊び方の写真も掲載されている。
 C 地元で歌われている『わらべ歌』
    案外、身近な人が歌っているかも。
 D テレビで流れる『わらべ歌』
    教育テレビ「にほんごであそぼ」がお奨め。覚えている子も多く、歌いやすそう。
 E そして本書に載せた『わらべ歌』
    遊び方がわからなかったら、いつでもお気軽に尋ねて!

4 『わらべ歌』を学級で取り入れる意味
@ 子ども同士のふれあいを深める
   ・学級に馴染めない子が、隣りの子と手をつないだ瞬間の表情を思い浮かべてみて!
   ・けんかの仲直りにも使える!
 A 心がひとつになる
   ・『群読』とは違うようでいて、根底はひとつ。一緒に歌うことで一体感が生まれる。
 B 表現することが楽しくなる
   ・歌詞が短いのが魅力。すぐに覚えすぐに体が動き出す。何度も何度も繰り返したくなる。
 C ことばあそびとしても発展する
   ・替え歌を作って楽しむ子どもも、きっと登場するはず。
   ・先生が意図的に替え歌を作るよう投げかけることもできる。
 D 子どもを発達させる
   ・言葉と歌と遊戯をともなうので、子どものからだにリズムを刻み、豊かな表現力を育てる。
   ・丸くなってすわらせたい時、班で集まる時など、あっという間に集まれる。

5 『手遊び歌』からはじめる
『わらべ歌』の『わらべ』という響きは、小さな子、幼児というイメージが強い。高学年・中学生に『わらべ歌』を紹介しても、体を使って表現するにはちょっと無理があるかもしれない。
 そこで、手始めに丸くなって「ずいずいずっころばし」から始めたらどうだろうか。
  ずいずいずっころばしごまみそずい/ ちゃつぼにおわれてとっぴんしゃん
   ぬけた〜らどんどこしょ/たわらのねずみがこめくってチュー/ チューチューチュー
   いどのまわりでおちゃわんかいたの だ〜れ?
 あるいは、ペアをつくって「十五夜さんのおもちつき」などで遊んだら、高学年でものりのり。
   十五夜さんのもちつきは
   トッテンコ トッテンコ/トッテントッテントッテンコ
   さあこねて さあこねて/さあこねさあこねさあこねて
   トーントーントントントン/トントントントントントントン

6 いよいよ『手遊び歌』『わらべ歌』の紹介
 忘れかけているけれど、一度は聞いたこと歌ったことがあるのではないかというものを紹介。思い出して歌ってみてください。

 「山寺の和尚さん」 やまでらの おっしょさんが かぼちゃのたねを まきました
            めがでて ふくらんで はながさいたら かれちゃって
            にんぽうつかって そらとんで
            ぐるっとまわして じゃんけんぽん

            とうきょうと にほんばし
            がりがり山の つねこさん
かいだんのぼって おりちゃって
かいだんのぼって おりちゃって
かいだんのぼって こちょこちょこちょ

 「おべんとうばこ」 これっくらいの おべんとばこに
            おにぎりおにぎり ちょっとつめて
            きざあみしょうがに ごましおふって
            いちご さん
            にんじん さん
          しいたけ さん
            ごぼう さん
            あなのあいた れんこん さん
            すじーのとおった ふーき!

 「ゆびきりげんまん」  ゆびきりげんまん うそついたら はり1000ぼんのうます!

 「いもむしごろごろ」 いもむしごうろごろ ひょうたんぽっくりこ

「坊さん坊さん」   ぼうさんぼうさんどこいくの?  
わたしはたんぼへいねかりに
それならわたしもつれしゃんせ
おまえがくるとじゃまになる
このかんかんぼうずくそぼうず!
うしろのしょうめんだあれ?

 「かごめかごめ」 かあごめかごめ かごのなかのとりは
            いつどこでやある よあけのばんに つるとかめがであった  
うしろのしょうめんだあれ?

 「いちわのからす」 いちわのからすがカアーカアー │  いちわのからすがカアーカアー
にわのにわとりコケコッコー │ にわのにわとりコケコッコー
さんはさかながおよぎだす │ さんはさかながおよぎだす
しいはしらがのおじいさん │ しいはしらがのおじいさん
ごうはごほうび ごくろうさん │ そらいちぬけろ
ろくはろっぱのはげあたま │ そらにいぬけろ
しちは七羽のしちめんちょう │ そらさんぬけろ
はちは はまべのしろうさぎ │ そらしいぬけろ
きゅうは おしゃべり九官鳥 │
じゅうは じゅうごやおつきさま│

 「くまさんくまさん」 くまさんくまさん まわれみぎ
            くまさんくまさん りょうてをついて
            くまさんくまさん かたあしあげて
くまさんくまさん さようなら

「ゆうびんやさん」 ゆうびんやさんのかばんから はがきが10まいおちました
ひろってください 
            1まい2まい3まい4まい5まい6まい7まい8まい9まい10まい
ありがとう

 「たけのこ1本」 たけのこ1っぽんちょうだいな
                まだ めが でないよ
たけのこ2ほんちょうだいな
    まだ めが でないよ
たけのこ3ぼんちょうだいな
    もう めが でたよ
    うらのはたけで とっといで

「おちゃらか」 せっせっせえのよいよいよい
おちゃらかおちゃらかおちゃらかほい
おちゃらか かったよ おちゃらかほい
おちゃらか まけたよ おちゃらかほい
おちゃらか あいこで おちゃらかほい

「げんこつやま」   げんこつやまの たぬきさん
おっぱいのんで ねんねして
だっこして おんぶして
またあした

 「となりのごんべえさん」  となりのごんべえさん なみだをポーロポロ
ポロポロなみだを   たもとでふーきましょふーきましょ    
   
               ふいたあとから    きものをあらいましょあらいましょ
あらったあとから きものをしぼりましょしぼりましょ
しぼったあとから   きものをほーしましょほーしましょ
ほしたあとから    きものをたたみましょたたみましょ
たたんだあとから   きものをしまいましょしまいましょ
しまったきものを ねずみがガーリガリガーリガリ
ガリガリきものを ぼろやにうーりましょうーりましょ
うったおかねで    おそばをツールツルツールツル

「あんたがたどこさ」   あんたがたどこさ ひごさ ひごどこさ くまもとさ
  くまもとどこさ せんばさ せんばやまには たぬきがおってさ

               それをりょうしが てっぽうでうってさ
               にてさ やいてさ くってさ 
それをこのはで ちょいとかくす

 「ともをよぼう」 にんじん だいこん かぶら  にんじん だいこん かぶら
            ごんべが たねまきゃ  からすが ほじる
            たねまいちゃ やすみ  たねまいちゃ やすみ
            ぐるっとまわって  ともをよぶよ

7 先生がやって見せて、楽しさを教えてあげよう! 
 恥ずかしがらずにやって見せてあげよう。こんなに楽しいよ。気持ちいいよ。と、笑顔でやってあげ
ることが第一歩だ。そして、子どもたちとみんなで楽しもう。


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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****

 重水 健介(日本群読教育の会事務局)

  日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp

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