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 続編ニュース 22号                      2004.5.1
 
 ◆目次◆     
 編集前記
    澤野 郁文先生の原稿  U 群読指導のポイント
    馬見塚昭久先生の原稿  第2章 学級・学年・全校活動の中の群読 小学校
    整理表

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こんにちは。GWいかがお過ごしですか。続編ニュース22号をお届けします。

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 ◆編集前記◆
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書名をきめようと思います。みなさんからお寄せいただいた案をもとに編集委員で話し合っています。正式にきまり次第お知らせします。乞うご期待。

本書にはCDをつけます。本書を手にする方に、群読のイメージを鮮明に伝えるためです。ただし、CDにするときには、容量、経費の関係であまり長すぎてはいけません。したがって、録音状態や群読状況によっては、のせられないこともあると考えています。どの録音を採用するか編集部に一任ください。この件にかんしましては、あらかじめご了承をお願いします。

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◆馬見塚 昭久先生の原稿  第2章 学級・学年・全校活動の中の群読 小学校
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〜民話の世界を共有する〜『モチモチの木』 茅ヶ崎市立浜須賀小学校 馬見塚 昭久

〈 解説 〉
真なるもの、善なるもの、美なるものへの強いあこがれを持つ子どもたちにとって、人々の素朴なやさしさや心の美しさを描いた民話は、魂の故郷といっても過言ではない。それは、ときに大仰な英雄譚などよりも遥かに深く心に響き、魂を揺さぶり、生きる勇気を与えてくれる。
 親から子へ、子から孫へ…。そもそも、民話は文字による文芸よりも古い歴史を持つ口承文芸であり、時代を越えた普遍性を持っているのである。
 この優れた民話を群読することによって、物語世界を楽しみ、深い感動を伝え合い、感性を拓いてほしい。そんな願いを込めて、三年生の三学期に、『モチモチの木』の群読発表会を計画した。
 学術的な定義に照らし合わせると、「創作民話」と位置づけられるこの教材は、純粋な意味での「民話」とは別の範疇に入るものかも知れない。しかし、その内容と表現様式は、世代を越えて語り継がれるだけの素質を十分に備えており、脚本化を試みる意義も深いと判断しての試みである。

〈 読み手 〉

ソロ     = クラス全員が一人ずつリレー読み
アンサンブル = 八人程度のグループ
コーラス   = クラス全員

〈 演出ノート 〉

・クラス33名を@ABCの四グループに分けた。コーラス部分はクラス全員で、アンサンブルは、@→A→B→Cと、グループで順番に読むようにした。また、各自が主体的に活躍してほしかったので、ソロの部分を多くしてある。これはグループの中でリレー読みとし、全員が二回か三回ずつ登場するようになっている。(ソロでは、各自が担当する文は固定されるが、役柄は固定されない。最初に地の文を読んだ子が、次の順番では、豆太の会話文を読む、等の変化がある)。

・この物語は、全部で五つの場面に分かれているが、そのうち一から四の場面について、各グループで一つずつ担当し、創作詩をつけて読むことにした。(脚本中、□で囲ってある部分)
 また、脚本には示せなかったが、グループ毎に身体表現してみたい部分を一カ所選び、アンサンブルのとき一斉に表現した。(例・[両手を「わあっ」とあげるからって、]の部分で、グループ全員がパッと両手を高く広げる、等)

・脚本中、※印の部分は、行と行の間を短くして読んだ。走っている場面なので、スピード感を出すためである。


〈 群読脚本 〉

『モチモチの木』            斉藤隆介 作(3年4組編)

《省略》


〈 発展 〉
 子どもたちにとって、二回目の群読発表会だった。一回目は学年全体での「かさこじぞう」のステージ発表。諸先生方の一致協力により、子どもたちの持ち味が存分に引き出され、歌を交えながらのすばらしい群読劇となった。その経験の上に立っての発表だったので、どの子も群読特有の技法にもすっかり馴れ、情感を込めて伸び伸びと読むことができたようである。
 練習を楽しむ余裕も見られ、わたしが特に指示しなくても、言葉に抑揚をつけるなど独自の工夫を凝らしていた。また、普段なかなか活躍の場面が見られなかった子も、体全体を動かして大喜びで表現してくれた。子どもたちの潜在能力と群読の底知れぬ魅力を垣間見た思いである。
 しかし、本教材は「多様な声を必要とする韻文」という、素材選びの定石から外れるだけに、脚本にリズム感を出すのが難しく、子どもたちが表現を工夫するにあたって、必要以上の時間と手間を取らせてしまった。
 また、脚本中の※印の部分は、唯一、スピード感を出せる場所であるが、もう少し手を加えて、<追いかけ>的な技法などを応用すれば、ずいぶん生き生きとした表現になっていたのではないかと思う。
 一つの実践が新たな構想を生み、次の実践へと駆り立てる。子どもたちの可能性と群読の魅力は、汲めども尽きぬ湧水のように限りない。
 なお、今回の実践を計画するにあたっては、澤野郁文先生(日本群読教育の会常任委員)に、ご多忙中にもかかわらず様々なご助言を頂いた。前掲の創作詩や身体表現の他にも、
・効果音チームを編成して、擬音の部分にかぶせたらどうか
・思い切って原作を短くカットして脚本を作ったらどうか
等のアイデアを頂いた。
 だが、原作の完成度に比して、こちらの力量がとても及ばず、これ以上手を加えることができなかった。それでも、先生のご助言のおかげで、子どもたちの表現力は確実に向上し、楽しく実り多い実践をすることができた。この場をお借りして、改めて感謝申し上げたい。

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◆整理表◆ 書名「続・いつでもどこでも群読」(ただいま書名を検討中)
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数字は、原稿済みで掲載されたニュースの号数、( )はこの実践に学ぶの担当
○は録音あり、●は録音を郵送済み、△は録音なし、★は「この実践に学ぶ」済み


  はじめに        ・・・・・・ 重水 健介
目次          ・・・・・・ 編 集 部
群読に使われている記号 ・・・・・・ 編 集 部
  
T さまざまな場での群読活動

第1章 授業のなかで使われている群読
小学校 低学年  ●深沢英雄16(澤野) △吉田 靖11(重水) ●伏見かおり21(坂尾)
    中学年  加藤征子 (坂尾)  深澤五郎 (澤野)
    高学年   糸井利則 (片桐)
   中学校 ●毛利 豊7(重水★)
   高 校  △片桐史裕14(毛利)

第2章 学級・学年・全校活動の中の群読
  小学校  ●日置敏雅12(片桐) ●長塚 松美21(坂尾) 古関 勝則 (重水)
 福沢紀子 (澤野) ●馬見塚昭久22(片桐)●川崎 瑞枝14(毛利)

  中学校  △山口 聡18(毛利)  荻原 啓10 (澤野)
    
第3章 教師たちの群読 澤野郁文   ●河野邦房←修正中

第4章 地域での群読・・●新田茂子19(毛利)海上和子19(重水)


U 群読指導のポイント
第1章  詩     ・・・ 研究部22
第2章 物語    ・・・ 研究部 ←研究部で検討中
第3章 古典    ・・・ 研究部17←研究部で検討中
第4章 わらべ歌 ・・・ 研究部16←研究部で検討中

V 資料 群読脚本  家本芳郎  ●坂尾知宏20 ●秋元紀之17 ●上村弘17 ○海上和子
             
終わりに(日本群読教育の会の活動について)・・・毛利 豊
 

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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****

 重水 健介(日本群読教育の会事務局)

  日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp

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