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続編ニュース 21号 2004.4.30
◆目次◆
編集前記
著作権使用料のお知らせ
伏見かおり先生の原稿
長塚 松美先生の原稿
整理表
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こんにちは。続編ニュース21号をお届けします。
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◆編集前記◆
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原稿締め切りの最終日になりました。4つお願いします。
1 表記 「……。」ではなく「……」と表記してください。
2 表記 「です」「ます」調でなく、「である」「・・・た」調でお書きください。
3 整理表の原稿提出一覧に記載洩れや間違いがありましたら、お気づきの時点ですぐに
お知らせ
ください。
4 原稿が遅れる場合はかならずお知らせください。お知らせがないまま、遅れると、次の編集作
業に支障をきたします。この点とくにお願いします。
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◆ 著作権使用料のお知らせ
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どんどん原稿が届いています。
そこで使われている脚本の原作に対しては、本書では作品名と作者名を書きますが、他に著作権料が必要となります。この件にかんしては、本書の出版社である高文研でまとめて連絡し、使用料を支払うことになっていますので、ご承知おきください。
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◆伏見かおり先生の原稿 第1章 授業のなかで使われている群読 小学校 低学年
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★ 詩『ともだち』を学級の団結コールに 神奈川県・葉山小学校教諭 伏見かおり
<解説>
秋の運動会という大きな行事を体験し終えた1年生の10月は、子どもたちが"幼児から児童になってくる"変化の季節である。学校生活に慣れ、友だちが増え、仲間と一緒に何かを成し遂げる楽しさを知り始めている。そんな子どもたちに、一人では作り出せない楽しさをあじあわせてあげられる学習の一つが群読だと考えた。
ちょうど教科書(光村図書)が下巻に入る時期だったので、扉の詩『ともだち まど・みちお作』を楽しんでみることにした。「ともだち、ともだち、いいな、ともだち」のところをだんだん大きな声で言ってみると、子どもたちは「友だちが増えてくるような感じがして元気が出る」と大はりきり。テンポのよいリズムと気持ちをうきうきさせるような言葉を、気持ちよさそうに表現している。授業のはじめに毎回「今日も『ともだち』やろうよ!」とせがまれた。
2学期後半に学習発表会を行ったのだが、「学習発表会の最初に『ともだち』を発表したらいい!」と子どもたちから発想されたのは自然の成り行きだったと思われる。そこで子どもたちが大好きな「ともだち」の詩に、自分たちで考えたことばを少し加えて「1年1組の『ともだち』団結コール」としてオープニングで発表することにした。
<読み手・演出ノート>
ソロ A B C Dの4人
コーラス 全員
詩『ともだち』を「1年1組の『ともだち』団結コール」にアレンジするため、ソロパートの言葉を詩の前後に付け足した。
詩の本体は、全員で一斉に読んだ。
詩の前半「ともだち、ともだち、いいな、ともだち」の部分は、漸増法により人数に変化を加えても楽しいと思われたが、今回は家本先生より教えていただいた「声のものさし」の概念を取り入れて、声の強弱による変化を楽しんだ。
中盤の「みんなで やるぞ。なんでも やるぞ」では、元気の出るポーズを考えて動作化した。学級で話し合い、今回は拳を上に突き上げるポーズをすることに決めた。
後半の「とおい そら みて ヤッホー」では、動作化をしながら盛り上がった気持ちを表現するようにした。口元に手を当てて遠くの空に呼びかけるような動作をしている子どもたちが多かった。
<群読脚本>
1年1組 「ともだち」団結コール (1年1組のなかま編)
AB これから1年1くみの学しゅうはっぴょうかいをはじめます。
C さいしょは だんけつコールです。みんなじゅんびオッケー?
全 オッケー!
D せーの
全 ともだち、
ともだち、
いいな、ともだち。
みんなで やるぞ、
なんでも やるぞ。
なんでも やったら、
いい きもち。
とおい そら みて
ヤッホー。
EF 力をあわせて
全 エイ エイ オー!
<発展>
子どもたちに群読の楽しさを尋ねると、次のような意見が出された。
「何度も読んでも楽しい」
「何度も読むから楽しい」
「読んでいるうちにどんどん声が出てきて気持ちいい」
「読めば読むほど楽しくなってくる」
「自分で声の大きさを変えられるのが楽しい」
「みんなで声をそろえようと思うから楽しい」
「失敗してもまたやりたくなる」
「真剣だからおもしろい」
「家の人に聞いてもらって、元気があったねって言われてうれしかった」
「録音してもらえるのが楽しい」
「やってからすぐに聞くと誰の声かが分かって楽しい」
これらの意見から、子どもたちは群読をとおしていろいろな楽しさを感じていることがわかった。
(1) とにかくやってみる、声を通して自分を表現し、発散できる楽しさ
(2) 表現を工夫する楽しさ
(3) 他者一緒に作り上げる楽しさ
(4) 自分たちの表現がよりよく変化し、高まっていく楽しさ
(5) 聞き手の反応を味わう楽しさ
(6) 自分たちの表現を聞き直したり、他者の表現を鑑賞したりする楽しさなどである。
子どもたちー特に低学年の子どもたちは、大集団のなかで学習する経験が少ないため、友だちと仲良くなりたい、関わり合いたい、遊びたいと思っていても、まだまだそれを上手に表現したり伝えたりすることができずにいると感じることがある。また、人と違ったことをしたり、間違ったことをしたりすることを恐れているように感じることも多い。そんな子どもたちが群読を「楽しい」「気持ちいい」「おもしろい」と言い、毎回張り切って取り組む様子が見られた。
今回の実践では,新しい試みとしてICレコーダーでの録音を試みたのだが、これにより簡便な操作で録音や頭出しができ、その場ですぐに再生を聞くことができたので、子どもたちは群読をより楽しく感じられたようだった。自分たちの群読を聞きながら,友だちの表現に対してやわらかいまなざしを向けたり、自分と違う表現の部分を注意深く聞き取ったり、互いに工夫しあおうと繰り返し言葉に向かい合う場面が多く見られたのである。
友だちとの関わり合いがよりよい表現へつながっていくことを実感できた喜びが「また明日もやろう」と子どもたちをせがませたのではないか。この実践を通して、子どもたちが互いの心をつなぎあわせていったように感じている。
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◆長塚 松美 先生の原稿 第2章 学級・学年・全校活動の中の群読 小学校
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『朝の会の日替わりメニューの一つに群読を…』
神奈川県横須賀市森崎小学校 長塚 松美
〈 解説 〉
持ち上がりの6年生の学級である。昨年度夏休みに、8ページ13作品の『群読集』を作り、夏休み明けにクラスの子どもたちにプレゼントした。(写真参照)
この『群読集』を毎日の持ち物にし、朝の会で取り組むことにした。初めのうちは毎日群読を行った。
日直は、「きょうは『きりなしうた』を読みます。1・2・3班はAの部分、2・4・6班はBの部分、題名と作者名は全員で読んでください」というように、指示する。AとBのかけ合いは、ときによって、奇数班と偶数班に分かれたり、男女で分かれたり、日直とみんなに分かれたり…いろいろアレンジできる。しかも、それ程分担の指示に手間がかからず力量もいらない。
13編の中には「寿限無」「かたつむり」のように、分担が複雑な作品も盛り込んだが、お手軽なAとBのかけ合いの作品をどうしても日直は選ぶ。それでもよい。複雑な作品は、教師が何らかの機会に提示してあげればよい。
しかし、毎日毎日『群読』だと、飽きてしまいそうな気配を感じたので、作品を増やしてみた。
今回は、18作品の中で最近取り組んだ「教室はまちがうところだ」を掲載してみた。
〈 読み手 〉
ソロ1は1班の一人…というように、班内で分担
@は1班Aは2班…というように、ひと班ずつ担当
〈 脚本 〉
教室はまちがうところだ 原作 蒔田 晋治
長塚松美 編
《省略》
〈 発展 〉
さらに『群読集』の作品を増やしてあげようと思う。そして、班ごとに発表会を開いてみよう。聞き合い、評価し合う中で、お互いを磨き高めていきたい。こうした群読の実践は、わたし自身の指導の力量も高める一つの手だてとなるに違いない。
*『群読集』に盛り込んだ作品
・まいった、まいった ・きりなしうた ・なんておもったら
・ほんとだよ ・寿限無 ・やまのくちぶえ
・あかさたなのうた ・きのうのあしたはなんだっけ
・そうだ村の村長さん ・ヤダくん ・なまけ忍者
・かたつむり ・はやく はやく ・教室はまちがうところだ
・テキパキパキッこ ・一丁目のいっちゃん ・早口ことばのうた
・はこあけのうた
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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****
重水 健介(日本群読教育の会事務局)
日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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