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 続編ニュース 19号                2004.4.28
 ◆目次◆     
    
    海上和子先生の原稿
新田茂子さんの原稿
    整理表

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こんにちは。続編ニュース19号をお届けします。

本書には、「第4章 地域での群読」という章をつくっています。群読が学校だけでなく、職場や住んでいる場所、活動している地域など大きく輪を広げている実践を紹介するためです。

お二人の方に執筆いただいています。新田茂子さんと海上和子さんです。お二人からちょうど同じときに原稿をいただきました。ありがとうございました。

なお、脚本に罫線が使われているものはこのメールに貼り付けると罫線がくずれるため添付ファイルで紹介しています。

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 ◆新田茂子さんの原稿    第4章 地域での群読
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  ◆群読で笑顔が生まれる◆
                          新 田 茂 子

 ★私のボランティア活動★ 

 リズム音楽や体操、歌などを、高齢者福祉施設や地域の老人会で指導し、時には自己流で本の読み聞かせをしてきた。こうした中で、公民館活動を通じ、家本先生の群読と出会い、その面白さや奥の深さを実感し、高齢者の皆さんにもこれを味わってもらいたいと考え、未熟さを省みるこなく、大胆にも実践活動にはいることになった。

 ★早口言葉で口の回転を滑らかに★

「驚き木桃の木山椒の木」「あたりき車力よ車引き」・・・「何がなんきん唐茄子かぼちゃ」九行の付け足し言葉を大声で読み上げ、まずは口の回転を滑らかにする。
 続いて九行の早口言葉に挑戦、「生麦生米生卵」「赤巻紙青巻紙黄巻紙」・・・「かえるぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ」と三人〜四人一組になって速さを競わせる。
 高齢になると、意識と肉体のずれが大きくなるのか、舌がもつれ、なかなか思うようなスピードがでない。そんなもどかしさを感じながら、お互いの間違えを笑い合う。
 スピードを競い合いながらの早口言葉を三・四回繰り返すと、笑いのなかにも適度な緊張感が生まれ、遊びとしての楽しい時間がすぎていく。群読にはいる前にはこれからも色々な早口言葉をみんなで楽しみたいと思う。こうした遊びや群読を通じ、読むということが「目や口先」だけでなく「身体で読むものだ」ということが少しずつ分かってきた、というのが皆さんの率直な感想である。

 ★「いつでも・どこでも・誰とでも」すえひろ会での群読★

 ここで「すえひろ会」(老人会 会員数五十三名、年齢七十〜九十一)の皆さんが楽んできた二年間のプログラムを記してみたい。
 ・信濃の一茶(群) ・ゆき娘(分)
 ・平家物語(群)  ・カタツムリ(群)
 ・鴨取り源五郎(分) ・江戸バカ囃子(群)
 ・祭りだワッショイ(群)
 ・その他、ふたり読みや早口言葉などである。 
 このように「すえひろ会」の群読が、毎月の定例会行事として定着してきたのは、群読そのものが持つ楽しさに加え、年二回の舞台での発表を体験することに恵まれたからであろうと受け止めている。
 一回目・グリーンハイツ自治会主催による敬老祝賀会プログラムに参加
 ・参加者 (百余名)
 二回目 地老連演芸大会会に参加
 ・参加者 (二百余名)

 私の演出の基本は「何時でも・どこでも・誰とでも楽しめる群読」である。それはあるとき、ある場面で舞台と客席とが一体となって群読に参加できる楽しさや喜び、そして感動を共有できるからでもある。こうしたことは「すえひろ会」のレベルアップを図ることによって更に大きく膨らんでいくのだろうと思っている。
 いずれにせよ「すえひろ会」は群読の発表によって、このような催しでは、人が演ずるのを見聞きするだけでの参加ではなく、人に楽しさを提供する側として参加することが出来るようになったことは、大きな成果であったと思っている。こうして「すえひろ会」は平成十五年七月、自治会から敬老祝賀会への出演参加を要請された。すえひろ会ではこの要請をうけみんなで話し合い、昨年の反省を踏まえ
「みんなで楽しめる内容にする」ことを申し合わせた。

 ★発表参加の取り組み開始★

 1 脚本選び
 群読経験のない方が三分の二以上参加されることを条件に脚本を選ぶことが求められた。
そのために、
 *参加者の生活暦の中で思い出にあること
 *台詞がはっきりしフレーズが短いこと
 *内容が楽しく、リズムが取りやすいこと
 以上の条件を考慮しながら、今まで会員が楽しんできた群読の中から脚本を選び、「江戸バカ囃子」にすることを決めた。そして、高齢の皆さんが参加しやすいよう、昨年発表した「祭りだワッショイ〃」(いつでもどこでも群読実践記録集に掲載)を思い起こしながら脚本を編集することにした。

 2 読み手
  *アンサンブルA 男性10名・すえひろ会
  *ソロ S アンサンブルAのなかから1名
  *アンサンブルB 女性25名・すえひろ会
  *コーラス 当日参加者80名・祝賀対象高齢者・来賓・自治会役員
   
 3 小道具
  *キーボード(効果音・歌の伴奏)
  *打楽器(すず・タンバリン 歌と囃子のリズム打ち)
  *ハンドドラム1個(囃子全体のリズムをリードする)
 4 その他用意したもの
  *脚本120部(活字を大きくA3ピンク用紙に印刷)
  *歌詞カード120枚(最後を盛り上げる効果として『村祭り』を歌う)
  *ラジカセ(練習・発表と当日の録音)
(注)脚本・歌詞カードの印刷・舞台や座席の位置・自治会役員の群読への参加を自治会
  三役に依頼をする。
 5 演出ノート
   練習は7月、8月、9月の当日までに六回行う。
  *台詞は文きり形にならないように相手との受け渡しが流れるように表現する。
  *ハンドドラムのリズムに台詞をのせて全体に囃子の雰囲気を出せるようにする。
  *脚本後半で全体が囃子に入る前の台詞「はじまり始まり江戸ばやし」は、一人ソロが会場に語りかける表情のある言い回しでゆっくり話す。
  *次の台詞「ハイ〃」は、囃子が一斉に揃って出発できるように一人ソロが「ハーイ〃」と掬い上げるような言い回しで、はっきり話す。
  *囃子の4行目ごとの「ハイ〃」は、一人ソロで大きくはっきり切れ味よく話す。
  *最後の囃子4行はボリュームを上げ、歌「村まつり」の前奏曲が始まったところで、ボリュームを徐々に下げ消えたところで歌に 入る。
  *ハンドドラムは群読開始から歌の最後まで、
  *打楽器は群読アンサンブルから歌の囃子の部分に入れる。
 6 本番準備
  *ソロ10名タンバリンを持って舞台に並ぶ。
  *アンサンブルA・Bは座席で楽器を持って並ぶ。 
 7本番開始
  *群読と「江戸バカ囃子」について説明。
  *会場参加者と本番と同じ練習を2回
  *「村祭り」の前奏が静かに流れハンドドラムで囃子のリズムを奏でる。
  *会場が静かになる。
  *タイトル「江戸バカ囃子」を力強く読む。
  *脚本 添付資料1
  *「村祭り」の合唱で終了。

 ★二回目の北下浦老連芸能大会に参加して★
 
「すえひろ会」は、地域高齢者の皆さんに「群読」の楽しさを知ってもらいたい。自分たちのレベルアップも図りたい。そんな意欲をもって老連芸能大会に群読「江戸バカ囃子」を引っさげての参加を決めた。三〜四月にかけ、三回に亘って練習を重ねた。最後の練習と本番には、町内からセミプロ級の方がハンド・ドラムとピアノ伴奏に助っ人として来てもらうことになった。この伴奏によって「囃子」の発声は力強さを増しリズムの歯切れもよくなり、「村祭り」の合唱も聴き栄えのするものとなった。
 こうして「すえひろ会」の群読は、老連芸能大会のトリの役を立派に果たせるとの自信をもって臨んだ。当日の参加者は高齢者ゆえの様々な理由で二十四名にとどまった。

 【本番に入って】
 *当日は参加者全員に「江戸バカ囃子」と「村祭り」の合唱を楽しんでもらうため、受付でプリントを  配布し、遅れてきた人にも練習に入る時に配布、皆さん進んで手を出し受け取ってくれた。
 *指揮者が群読の説明の後、客席に呼びかけ、ハーイの呼びかけを合図に「囃子」の発声を促し練習を二回繰り返した。
 *導入は合唱「村祭り」の伴奏をピアノで奏で、ワンコーラスの演奏が終わり会場が静かになったところで、指揮者が『群読・江戸バカ囃子』と高らかに歌い上げ、群読はスタートした。
 *他の演出は六頁5.演出ノートと同じである。

【反省点】客席を群読に巻き込めず
 @群読を客席の皆さんと一緒に楽しみたい。この目的は残念ながら達成できなかった。それは客席から「囃子」の掛け声があまり聞こえなかったからである。
 Aその原因は、プリントには四種類の囃子言葉を並べ、ハーイとハイの掛け声の後に、四行の囃子言葉を発声するよう文章で説明を加えたが、客席の高齢者にはこれが良く理解できなかったこと。
  そして練習が時間制約から生煮えのまま本番に入った事である。
 Bその証は、「江戸バカ囃子」に続く「村祭り」の合唱では、参加者のほとんどが大きな声を出し楽しんでいたからである。
 C客席と一緒になって群読を楽しむには、高齢者が見ても一目でわかる「単純明快」なプリントにす
  ること、否、プリントは要らない、今回で言えば「チンチンドンドン チンドンドン」「チャンチキリン チャンチキリン」など、せいぜい二種類の掛け声の反復に止め、その上で練習にもう少し時間を費やすことが必要だと思う。
 D「すえひろ会」の練習からも、高齢者が幾種類もの「囃子言葉」をリズムにのせて、ハッキリと歯切れ良く繰り返すことは意外と難しいと感じていたからである。八十台後半から九十台の高齢者を含む「すえひろ会」(老連芸能大会参加者も同じ年代の方が多い)での群読は、情景が浮かぶ言葉のほうが良いのか、このことは次の脚本選びに生かしていく事にしたい。経験豊富な皆さんからの助言を頂きたい。

【これからの発展に向けて】
 平成十六年四月地区老連芸能大会に参加し、「江戸バカ囃子」を発表、客席の皆さんを群読に巻き込むことは出来なかったが、「村祭り」の合唱では共に楽しい時間をすごすことが出来た。
 超高齢社会が現実のものとなってきている中で、地域社会に接点をもたない高齢者がこれからも年々増え続けるであろう。こうした現状からも今年は、すえひろ会に「群読クラブ」を発足させ、老人会未加入の高齢者にも参加を呼びかけ、限られた小さい地域ではあるが、「いつでも・どこでも・誰とでも楽しく」の群読の輪を広げ、楽しみながら健康な仲間づくりが出来ればと考えている。


*新田茂子さんの脚本は添付ファイルにてご紹介しています。


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 ◆海上 和子先生の原稿    第4章 地域での群読
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  公民館活動の一環として「群読を楽しもう」              海上和子

<解説>
*会のプロフィール

 2002年7月横須賀市逸見公民館で家本芳郎先生の朗読講座(全2回)が開催された。各回とも参加者50名を越す盛況であった。その後、参加者の中から、もう少し朗読・群読を続けたいという声が上がった。有志を中心として、家本先生を講師に迎え10月に「逸見群読の会」が発足した。(詳しくは、2003年7月発行「いつでもどこでも群読」第4章を参照)その会を2004年4月より家本先生より引継ぎ担当することになった。
 メンバーは男性3名、女性19名の22名であった。年令は50代から80代までとバラエティーに富んでいた。それぞれ、地域のいろいろな会でのリーダー的役割を果たしている方が多かった。また、コーラスや手芸、大正琴、写真、歴史散策、落語、水泳など多趣味でそれぞれの会で活躍されている。
 しかし中には、気がつくと一日中だれとも話をしなくなってしまったとか、お年寄りの介護という問題を抱えている方もいる。しかし、みんなわずかな時間を見つけて、声を出して「心の洗濯に」と会に参加されている。
 会の活動は、月一回第二金曜日の2時から4時までの2時間である。

*1年間の流れ

 声を出すことの気持ちよさ、声を合わせることの楽しさを求めて集う方たちである。年齢構成や「楽しい声の輪」を作るために、脚本を選ぶポイントとして次の3つに重点を置いた。
@「わらべうた」や「ことば遊び」など、日本語の美しさリズムを持つ既知のものを多く取り上げることによって、取り組みやすいようにと考えた。
A格調高い表現を必要とする作品や、未知の作品も時には取り入れ、変化を持たせるようにした。主としてリズムのある、明るく楽しいものを取り上げていった。
Bそれぞれが、幼いころや子育てのころの思い出を脚本を通して交流しあい、輪を深め、「会に参加することが楽しみ」と思えるように考えた。

○「声の体操(発声練習)」として使った教材
「五十音の歌」:北原白秋「早口ことばのうた:藤田圭雄
「マザーグースのうたよりーこれはジャックのたてたいえ」谷川俊太郎訳
「さよならさんかく またきてしかく」「あいうえお・ん、「外郎売の科白」「寿限無」など

○「群読練習」として使った脚本 
 漢詩「桃妖」、「人間の勝利」:山村暮鳥
「祭りだわっしょい」「和尚さんと小僧さん」:北原白秋 
ふたり読み:「やまのくちぶえ」「そうだ村の村長さん」「なんておもったら」など

*発表会への参加

 逸見公民館では、例年「公民館のつどい」として、2月中旬に二週間にわたり各サークルのステージ発表や作品の展示がおこなわれる。それぞれ、10年から20年の歴史を持っているサークルが多い。
 7月に、そこに参加してステージ発表をしてみないかというお誘いがあった。会が発足してまだ一年足らずである。みな少ししり込みしたが、「あたってくだけろ」「やってみなくてはわからない」という前向きの意見が多く参加することとなった。
 9月に脚本を決めた。上演者も観客も、一緒に楽しめ元気がわいてくる脚本ということを念頭に置き「和尚さんと小僧さん」「祭りだわっしょい」に決定した。10月から練習に入った。月一回の例会だと4回しか練習日がないということで、みんな真剣そのものだった。
 11月例会の際、家本先生から30分の持ち時間に二本では少ないのではというアドバイスがあった。朗読か「ふたり読み」を入れることにした。「ふたり読み」の立候補が二組あった。脚本は立候補者に任せた。母子の、ニヤッとさせられるようなやりとりを描いた「うそつき」と、大阪弁をいかした「カマキリ」が取り上げられた。


「和尚さんと小僧さん」 (16名)
 読み手
   題名読み・効果音  1名   
   ナレーター     3名
   和尚さん      1名
   小僧さん       3名 
   コーラス       8名
 
 並び方:前列 コーラス8名 椅子に座る(中央の■はコーラスリーダー 木魚)、
        下手の◎は題名読み・効果音1名
     後列 中央 和尚さん、上手に小僧さん 3名、下手にナレータ 3名 
           
      ナレータ  和尚さん  小僧さん 
      ○ ○ ○  ●   ○ ○ ○
    ◎ ○ ○ ○  ■ ○ ○ ○  ○
   
 演出ノート:
 @ リズムにのったコーラスとナレーターの語り、そして和尚さんと小僧さんの狂言的な掛け合いの面白さを出すように読む。
 A 声の効果音で山寺の静けさを表現する。また、三つの場面を一つずつ際立たせるために、効果音と次の出の間をじゅうぶん取るようにした。
 B コーラスは同じことばの繰り返しのためリズムが乱れがちである。コーラスリーダーを中心に置き、その速さとリズムに合わせるようにした。
 C 小さな身体表現をつけ雰囲気を出しやすくした。
 コーラス・・手で木魚を打つまね、もちに息をふきかけるまね、餅が煮えるまねなど
 小僧さん・・和尚さんに呼ばれたときは、一歩前に出て和尚さんの方を見て返事をする。最後の「ごちそうさまー」は揃って一歩前に出て深くお辞儀をする。


「祭りだわっしょい」 (16名)

 読み手 題名読み(後 コーラスに入る) 1名
     ソロ              1名
     アンサンブル          3名
     コーラス1           6名
     コーラス            25名 (プラス 会場の観客)
 並び方:前列 上手より  ソロ、 アンサンブル、 題名読み
    後列 上手より  コーラスA   コーラス@ 
        
  コーラスA           コーラス@ 
   ○ ○ ○ ○ ○ | ○ ○ ○ ○ ○ ○ 
      ◎   ○ ○ ○      ●ソロ
   題名読み   アンサンブル

 演出ノート:
 @ ソロの出だし「まつりだぞーー」は単に大きな声を出すのではなく、町内会全体に知らせ、呼びかけ、働きかけることをイメージして、ゆっくり 大きく、遠くへ向けて発声をする。
A すべてのパートがリズムに乗って、一語ずつことばをつぶだてて声を出すようにする。
B リズムにのるために、手を振るなどの軽い身体表現をつける。
C はっぴや鉢巻などの小道具で、祭りの雰囲気を盛り上げる。
D 後の、コーラスの部分には会場に参加を呼びかける。

< 群読脚本 >

「和尚さんと小僧さん」 北原 白秋作                    海上和子編

《省略》



「祭りだわっしょい」  北原 白秋作      家本芳郎編(紙面の都合で省略)

<発展>
 12月の練習では、まだまだリズムに乗り切れず、また自分のパートのみ気になり、間をとることまでに配慮できないことが多かった。前の台詞をしっかり聞き取ることと、一拍あけるか二拍にするか、トンやトントンと手で軽く調子を取ってから発声するようにした。また、台詞は少し間違えても、自信を持ってしっかり声を出すことと、他のパートへ渡すことを意識するようにしていった。
 特に、「和尚さんと小僧さん」では、和尚さんと小僧さんの掛け合いを演劇的な要素を取り入れ、軽く顔を見合わせることやおじぎをすることによって、言い回しや間がしっかり取れるようになった。 
 また、「祭りだわっしょい」でも、「そらどけ そらどけ」「みずまけ みずまけ」などのとき軽く手で動作をつけることによって、台詞に味が出てきた。
 家にあるからと、木魚を持ってきてくださる方がいた。木魚の音が入ることによってリズムがとりやすくなり、雰囲気も盛り上がってきた。それを機に、やる気がグンと盛り上がり和尚さんのチャンチャンコや祭り用の豆絞り、半纏など衣装についての工夫が出され、それぞれが手分けをして町内会などにはかり、貸し出しをしてもらうことにした。発表に向けてのみんなの心が凝縮されてきた。
 他のサークルとのかねあわせから、舞台を使ってのリハーサルが一度もできなかった。舞台の様子についても知っている方は2名で当日のイメージを描きにくかったが、そこは年の功、当日の出入りはぶっつけ本番でも充分落ち着いて対応することができた。参加者100名ほどのホールで、声もしっかりと届いていた。「祭りだわっしょい」のコーラスAは、人数が少し足りなかったが、当日、会場の方にも呼びかけ少し練習してから参加してもらった。会のPRをかねての「群読体験」である。
 年度当初22名だった会員が、他の会とのかねあわせや体調不良等で16名での発表となったが、ひとりひとりが公民館活動の一員として、単なるお稽古事としてではなく「作り上げていこう」と思われているのが何よりの力であった。

 反省会の声より
・子ども時代の、学芸会を思い出してどきどきした。
・みんな前向きなのがとてもよかった。
・舞台に立ったことなんてなかった。はじめは不安だったができたんですね。
・間の取り方が、とても難しかった。
・練習期間が短かったのによくできた。
・胸がときめきました。    
・みんなの声がバラエテェーに富んでいてよかった。
・自分の発音が気になったが、前の人をしっかり受けて言うようにした。伝えることが分かった

 今年度は、用意された脚本を練習するだけでなく、少し活動を発展させてみることにした。
@それぞれがなるべく自分が読みたい詩や文を持ち寄り、みんなで群読をつくる勉強もしていく。
A全体での発声練習の後に、二人ずつ「気に入った詩・エッセイなど」を持ち寄り朗読発表をする。
B群読を地域に広める。
・公民館での練習と、「つどい」での発表だけでなく、保育園や幼稚園、老人ホームなどを訪問して一緒に群読を楽しんでもらう機会を一回ぐらいつくる。
・所属している町内会の会合の折などに、仲間に呼びかけて健康法の一つとして群読をしてみる。

 発足して間もない会だが、会員の前向きの姿勢に支えられ、第一回目の発表会でつけた力をさらに充実させ、発展させていきたいと思っている。



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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****

 重水 健介(日本群読教育の会事務局)

 日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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