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 続編ニュース 11号                  2004.3.26

  ◆目次◆     
    編集部より
会員からのお便り
    吉田 靖先生の原稿
   「教師たちの群読」「高校の部」の執筆立候補・自薦・他薦ありませんか
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 ●編集部より
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会員のみなさん。こんにちは。人事異動はありましたか。年度末でご多忙な毎日をお過ごしでしょう。そんな中、吉田靖先生から原稿が届きました。


さて、執筆者のみなさん、脚本提供者のみなさん。3月末です。4月末日が原稿締め切りです。まだ、時間的に余裕がありますが、年度末や年度始めはなにかと慌ただしく過ぎますので、少しずつお書きくださいね。

原稿は、メールにて重水までお送りください。
なお、録音または録画(カセットテープ・ビデオテープ)は、

 〒101−0064
 東京都千代田区猿楽町2-1-8三恵ビル4F  株式会社 高文研 山本邦彦様
TEL 03−3295−3415 へ お手数ですが、ご郵送ください。
よろしくお願いします。

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 ●会員からのお便り
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★塚田直樹先生と松本衆子さんから次のメールをいただきました。塚田先生ご紹介の群読調の歌は、ディベートにも使えそうな面白い群読ですね。

★松本衆子さんからはいつも貴重なご意見をいただきます。ご指摘を受けて隊形図を加えるようにしました。ありがとうございました。
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★塚田直樹先生より

いつも貴重な情報をありがとうございます。情報を戴いてばかりなので、たまには発信を致します。

「海山歌合戦」(才谷梅太郎 作曲 福尾野歩 作詩)というNHKの教育番組でも取り上げられた(と思います)「あそびうた」です。群読ではないのですが、たぶんに群読の要素を含んだ楽しい掛け合いの歌ですでので、ご紹介致します。

 以下、都内のある通級指導教室での実践です。海と山の2チームに分かれて、交互に歌いあってました。
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《省略》

【歌い方】
○@同じチームのメンバーで手をつなぐ。
 Aしゃがんでいて、歌うときに立ち上がる。
 以上の工夫で、(障害のある子にも)歌うタイミングをわかりやすくしている。

【工夫】
○相互に掛け合う歌い方により、お互いの関係性を確認できるようにしている。
○教師Hが師範。Eが伴奏。FとGがそれぞれのチームの応援に入り、連携している。
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★松本衆子さんより

荻原先生のお原稿とても面白かったと思いました。
ただ、「体育館で発表したため、隊形はステージ上とフロアの2列に並ぶ形をとった」の文章がよくイメージできませんでした。(わたしだけかもしれませんが)群読の本をつくられるときに、隊形などが、図示されているとわかりやすいと思いました。



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 ●吉田靖先生の原稿
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  算数に「群読調」を取り入れて  長野県西春近北小学校 吉田 靖

〈 解説 〉
 群読は、様々な場面で活用できるのではないだろうか。国語や学級・学年の発表だけでなく、算数にも取り入れると思っていた以上の成果が上がった。これは一年生に対して行った実践である。
 
 そもそも、算数に群読を取り入れたのは、二〇〇三年十月の日本群読の会の会報に載っていた岩手県の澤野先生の実践を目にしたのがきっかけである。それまで、繰り上がり・繰り下がりのある計算の学習を何とかしたいと思っていた私は大きなヒントを与えられた。
 
 一年生の計算は、たしざん・ひきざんを扱う。それぞれ、繰り上がり・繰り下がりのある二位数(十何)と一位数の計算の習熟を目指して授業を行う。一年生の小さな子どもたちは、はじめ、タイルなどを操作し、一つひとつ数えながら答えを出して「できた、できた。」と喜んでいるが、繰り上がりや繰り下がりのある計算になると抵抗感が増す児童が徐々に目に付いてくる。現在、使用している教科書(啓林館)では、たしざん・ひきざんともに、計算の仕方をブロックなどの具体的な操作で理解させ、「ことばの助けもかりて」定着を図っていく云々という道筋で指導するようになっている。

 だが、私には、このなかの「ことばの助け」がもう一つピンとこなかった。教科書に書かれている「ことば」は、私のクラスの子どもたちの「助け」になっているという実感が持てなかったのである。
 澤野先生のように群読を算数に取り入れてみたら、この子達はどうなるのだろうという
興味が沸いたのであった。

〈 読み手・演出ノート )
・はじめは、担任がソロ。子どもたちがコーラス。(だんだん子どもたちだけでもできる
ようになってくる。)
・一定のリズムを保って群読する。子どもたちは、体を動かしながらリズムを取って群読するのを楽しむ。私は、拍子木で「チョンチョンチョン」とリズムを打った。子どもたちの体が自然に揺れてきて、計算の仕方と群読のリズムが合ってくると子どもたちに計算の仕方が身についてくる。
・「群読」というよりは「群読調」である。計算の仕方を身につけるための「助け」であるので、声の出し方などの表現の指導はそれほど重要ではないと思う。その他、群読の技法などもほとんど意識しない。

( 群読脚本 )
 一年生が繰り下がりのあるひきざんの仕方を身につけるためのシナリオである。
 13−8の場合、まず、一の位を比べて十の位からの繰り下げが必要なことを判断する。次に繰り下げた10から8をひく。そして、2と一の位にあった3を合わせて答えを出すわけである。このやり方を「減加法」というそうだ。他にもいろいろな方法があるが、減加法が定着を図りやすいということで教科書にも取り上げられている。子どもたちの中には、数え引きの段階の子どもも多い。減加法を理解すれば正確に早く計算できるのに、その理解に抵抗を感じるそれらの子どもに群読調は効果的だった。
 子どもたちは、ひきざんのやり方を声に出して群読調にやるわけだが、子どもたちの頭の中で具体物を操作する場面が言葉に合わせて浮かんでくるようにしたい。タイルやブロックでの操作を十分にしておくこと、そして、操作のやり方と一致したシナリオを作ることが重要であることは言うまでもないだろう。

<シナリオ>
ソロ:13−8
コーラス:13−8
ソロ:3から8はひけません
コーラス:3から8はひけません
ソロ:10−8は2ですよ
コーラス:10−8は2ですよ
ソロ:2と3で答えは5
コーラス:2と3で答えは5
※ 初めの頃は、教師が、どの数字を言っているのか指差しながら進めると良い。

( 発展 )
  繰下がりのあるひきざんのタイルの動きをプレゼンテーションソフトでアニメーション化し、群読しながら動かして見せることもした。言葉とタイルの動きを一致させることはもっとも大事である。
 たったこれだけの群読だが、二、三日続けると、ドリルをしているときも、「4から7はひけません。・・・」とぶつぶつ言いながら進めている子や計算の仕方があの「うた」でわかったと喜んでいる子が何人もでてきた。
 また、算数が苦手なAちゃんは、ある日の放課後の個別指導ので「先生、あの積み木みたいなの(拍子木)打ってよ」と催促した。
 そこで、リズムを取ってやると、自分から「3から9はひけません・・・。」とはじめた。途中で集中が途切れても私が打つリズムを聞いてまた計算を続けた。そして、最後までやり遂げた後、元気に「さようなら!」と言って、うれしそうに帰って行く後姿を見たとき、たまらなくうれしい気持ちになった。
 みんなで、息を合わせて声をそろえて出す群読の気持ちよさと計算の仕方がわかる気持ちよさが合わさって、子どもたちは喜びを味わったのだろう。気持ちよさを感じた子どもたちは、「もっとやりたい」という意欲を高めていったのだと思う。
 三学期の終業式では、一年間の活動を振り返ったシナリオ「くぬぎ組一年間のものがたり」を群読で発表した。そのシナリオの中に繰り下がりのあるひきざんも織り込んで元気に発表し、全校から拍手をもらった子どもたちは満足そうだった。みんなの顔は、立派な二年生になれそうな表情だった。

  
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 ●「この実践に学ぶ」執筆分担
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続編は、会員のみなさんの総力をあげてつくります。その中心になって、編集を作業をしているのが、編集委員の方々です。以前、このニュースでご紹介しましたが、毛利豊先生、片桐史裕先生、澤野郁文先生、坂尾知宏先生、そして重水です。よろしくお願いします。

さて、そろそろ原稿が集まってきました。編集委員で下記のように「この実践に学ぶ」を分担して書きたいと思います。次号の続編ニュースにて、重水が書いた「実践に学ぶ」を掲載しますので、ご参考の上、ご執筆ください。

書式は、本文だけで23字×36行です。昨年同様です。

分担は次のように考えています。よろしいでしょうか。ご意見がありましたら、お知らせください。
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T さまざまな場での群読活動

第1章 授業のなかで使われている群読
小学校 低学年 ・・・・深沢英雄(澤野)吉田 靖11(重水)伏見薫(毛利)
    中学年 ・・・・加藤征子(坂尾)深澤五郎  (澤野)川崎瑞枝(毛利)
    高学年 ・・・ 糸井利則(片桐)
   中学校 ・・・ 毛利 豊7(重水)
   高 校 ・・・ 片桐 史裕(坂尾)

第2章 学級・学年・全校活動の中の群読
  小学校 ・・・ 日置敏雅(片桐) 長塚松美(坂尾)古関 勝則(重水)
福沢紀子(澤野)馬見塚昭久(片桐)
  中学校 ・・・ 山口 聡(坂尾) 荻原 啓10(澤野)
  高 校 ・・・1編募集中
  
第3章 教師たちの群読 
    校種を問わず2編募集中
 
第4章 地域での群読・・・・新田茂子(毛利)海上和子(片桐)


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 ●「教師たちの群読」の執筆立候補、自薦他薦ありませんか
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会員の方で、高校の部の執筆立候補、自薦他薦ありませんか?
「教師たちの群読(校種を問わず)」「高校の学級・学年・全校活動の中の群読」がきまりません。

ご執筆いただける方はいらっしゃいませんか。会員の方で、高校の部の執筆立候補、自薦他薦ありませんか?これから学年末に、実践する予定の授業や行事を書くこともできます。 ぜひ、立候補してください。
 
執筆料は、原稿1編10,000円の買い取り制とします。Vの資料は1編ごとに1,000円とします。立候補のご連絡は、Tの第1章高、Vの脚本というようにお知らせください。

 原稿の書式は、1頁46字×17行です。
 内容としては、次の4点を書きます。
 1 解説:この群読を行うようになった経緯や場面設定の説明を書く
 2 読み手、演出ノート:何人で分読するか、群読で工夫した点を書く
 3 群読脚本:群読した脚本をそのまま載せる
 4 発展:群読によって授業や行事がその後、どう変わっていったか、また、学級・学年・全校にど
  のような成長がみられたかを書く。
 
 ニュース8号の毛利先生の原稿をご参照ください。

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***2004.7.29 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう***

 重水 健介(日本群読教育の会事務局)

 日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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