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 続編ニュース 10号                   2004.3.23

  ◆目次◆     
    編集部より
新執筆者のご紹介:高校の部に片桐先生
    荻原啓先生の原稿
    群読ワンポイントレッスン 5 「漸増法・漸減法」
「教師たちの群読」「高校の部」の執筆立候補・自薦・他薦ありませんか
    整理表
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 ●編集部より
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会員のみなさん。こんにちは。お元気ですか。学年末も大詰めですね。ご多忙な毎日をお過ごしでしょう。

さて、執筆者のみなさん、脚本提供者のみなさん。3月末になりました。4月末日が原稿締め切りです。まだ、時間的に余裕がありますが、年度末や年度始めはなにかと慌ただしく過ぎますので、少しずつお書きくださいね。なお、録音(録画)もよろしくお願いします。

現在毛利豊先生、荻原啓先生から原稿をいただきました。ありがとうございました。

各部長のみなさん。実践のポイントについて、再度、研究部の部長および部員のみなさん宛に、メールをお送りします。そろそろ本格的に取り組みはじめましょうね。


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 ●新執筆者のご紹介
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片桐史裕先生に、高校の授業の部分を執筆していただけることになりました。高校の部がなかなか原稿の執筆者がきまらないのをみて、「以前の実践だが、これでよければ」というお話をいただきました。

ありがとうございます。これで小・中・高すべて、そろうことになります。片桐先生は、本書の編集委員でもあります。ますますご多忙になると思います。恐縮ですがよろしくお願いします。


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 ●荻原啓先生の原稿
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  思いを伝え合う教師と生徒の群読    札幌市立厚別北中学校教諭  荻原 啓

〈 解説 〉
 昨年の「BIGWAVE」(「いつでもどこでも群読」所収)に続く実践である。今年度は、生徒の育ちの姿に対する教師側の願いを、「TSUNAMI」という学年テーマに込めることとした。1学年「ALLWAVE」から2学年「BIGWAVE」と続いた学年テーマの最終章である。
 今年は、昨年からの計画通り、学年の教師集団の思い、生徒の願いをそれぞれオリジナルの詩にした。 それぞれを脚本とし群読するまでの過程を通して、互いの理想を重ねた教師と生徒の協同による学年づくりを目指したわけである。「TSUNAMI」には、学年生徒がもつパワーを十分に発揮してほしいという願いが込められている。押し寄せる「TSUNAMI」のようにダイナミックな最高学年となってほしい。そうした願いを群読で伝えたいと考えた。
 2003年度は、学年開き集会で、まず教師側のパフォーマンスと群読を披露した。学年テーマの「TSUNAMI」を題名にいただいたオリジナルの脚本を作成し、群読したのである。前年度に続き、以後の学年PTA集会で、学年開き集会の模様をビデオで紹介し、共通理解を図った。ねらいは昨年同様である。
 さらに、2003年度は国語科と連携を深め、生徒の「テーマ詩」を全員が創作し、学年生徒全員で代表作を選出した。生徒作品を学年生徒のテーマ詩と考えて、群読の形をとりながらメッセージを共有することにより、生徒同士の一体感を体感させるようにねらった。生徒作品では可能な限り生徒のオリジナリティーを引き出すよう心がけた。詩作から群読の完成まで、自分たちの手で作り上げたという成就感を持たせたかったのである。
 修学旅行の結団式の学年集会で、学年生徒全員による群読を行った。見本を学年協議会(学年執行委員会)が示して見せ、学年生徒全員が意欲を持って群読に取り組めたことが財産となった。
 こうして、昨年の実践より一歩進んで、生徒作品・教師作品を共に立て、声の文化を広げることができた。


〈 演出ノート 〉
 教師群読、生徒群読のどちらもオリジナルの脚本である。教師群読は学年開きにおける教師側からのメッセージとして学年所属の教師全員(12名)で行った。また、修学旅行を意識し、同行される教頭先生にもアンサンブルに入っていただいた。生徒群読は修学旅行の結団式の中で、学年生徒全員(270名)で行った。国語の授業に話すことの学習として取り入れ、各学級が分担した箇所を自信を持って群読できるように練習した。
 教師版の演出は以下の通りである。学年所属の教師12名で分担し、コーラスはソロ・アンサンブル担当以外のものが読んだ。
 コーラスの太字は強く読む部分で、群読にリズム感を出すためのものである。感覚的にはボイスパーカッションに近い。和太鼓のイメージで行うと良い。出だしのコーラスは、低めのトーンで不気味さを出す。この時声をしっかり響かせるように意識したい。乱れ読みの「うわぁー」は叫ぶ。声の高さや質、性別などに変化をつけると広がりがでる。「せいや!」「はっ!」は格闘技のように気合いを込めて大きく響かせる。最後の漸増「津波だ」の部分は声の少しずつボリュームを上げるようにして変化をつける。体育館で発表したため、隊形はステージ上とフロアの2列に並ぶ形をとった。
 生徒版の演出は学年全員で取り組むことを前提に、学級ごとに分担する形とした。そのため、学級の全員が息をそろえることが重要になり、学級の仲間意識を強めるために役立った。仲間に支えられて、大きな声を出すことができた生徒もいた。コーラスについては、ソロをつぶさない程度にボリュームを押さえながら読む。このとき、言葉をはっきりと読むように心がける。隊形は学年協議会(学年執行委員会)がステージ前に立ち、集会隊形で整列する学級生徒に向き合う形で並んだ。

〈 群読脚本 〉
群 読「TSUNAMI」教師版  作・演出 荻原 啓

《省略》



〈 発展 〉
 修学旅行の結団式という場で群読を行ったことは、実りある修学旅行にする生徒の意欲を高めたと考える。また、生徒は自分たち一人ひとりが群読の元になる詩作にかかわり成就感を持てたようである。
 代表作決定も生徒の投票によって行った。群読作りの過程の中に生徒の参加場面を作り、文化活動にできるだけ多く触れる機会としたかったからである。加えて、教師の群読を受けて生徒が群読を行うことで、教師と生徒が思いを伝え合う文化活動を創造できた。そして、ビデオ上映という形ではあるが、PTA集会で群読を披露した。保護者からは「先生方の情熱が伝わってきた。」という声が聞かれた。
 2年間の学年づくりで、文化活動を通して生徒・保護者・教師の三者が思いを共有した証であろう。


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 ●群読ワンポイントレッスン 5 「漸増法」
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だんだん読み手の数を増やしていく読み方を漸増法といいます。逆にだんだん減っていく読み方を漸減
法といいます。

a  まっ白な鳥が飛んでくる
+b まっ白な鳥が飛んでくる
+c まっ白な鳥が飛んでくる

上記の例でいうと、1行目はaだけが読み、2行目はaとbが読む、3行目はaとbとcで読みます。この場合は、漸増法によって、向こうから鳥がこちらへ羽ばたいてくる情景を表現しています。他にもこの技法によって作品の表現を豊かにすることができます。

さて、漸増法をグループで用いるときにどんな順番で読んだらいいのでしょう。だんだん読み手が増えている=声が大きくなっている、ことが表現できないと漸増したことになりません。そこで、はじめは、声の小さい人を配置し、順番に大きな声の人を増やしていくと漸増がはっきりします。

つまり、10人のメンバーを声の小→大に@〜Iとすると、
@ → @+A → @+A+B→  ・・・・・・・・・・→ @+A+B+・・・・+Iとします。

漸減法の場合は、少しずつ減っていくのですから、漸増の反対、つまり@+A+B+・・・・・+I → @+A+B+・・・+H → @+A+B+・・+G→@+A+B+・・・+F → ・・・・・・・・・・・・・    → @+A → @のようにします。


 *参考文献『群読をつくる』(高文研 家本芳郎先生著)


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 ●「教師たちの群読」の執筆立候補、自薦他薦ありませんか
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会員の方で、高校の部の執筆立候補、自薦他薦ありませんか?
「教師たちの群読(校種を問わず)」「高校の学級・学年・全校活動の中の群読」がきまりません。

ご執筆いただける方はいらっしゃいませんか。会員の方で、高校の部の執筆立候補、自薦他薦ありませんか?これから学年末に、実践する予定の授業や行事を書くこともできます。 ぜひ、立候補してください。
 
執筆料は、原稿1編10,000円の買い取り制とします。Vの資料は1編ごとに1,000円とします。立候補
のご連絡は、Tの第1章高、Vの脚本というようにお知らせください。

 原稿の書式は、1頁46字×17行です。
 内容としては、次の4点を書きます。
 1 解説:この群読を行うようになった経緯や場面設定の説明を書く
 2 読み手、演出ノート:何人で分読するか、群読で工夫した点を書く
 3 群読脚本:群読した脚本をそのまま載せる
 4 発展:群読によって授業や行事がその後、どう変わっていったか、また、学級・学年・全校にどのような成長がみられたかを書く。
 
 ニュース8号の毛利先生の原稿をご参照ください。
 

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 ●整理表 2004.3.23 現在(数字は、原稿済みで掲載されたニュースの号数)
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 書名「続・いつでもどこでも群読」(仮名)

  はじめに           ・・・・・・ 重水 健介
目次             ・・・・・・ 編 集 部
群読に使われている記号    ・・・・・・ 編 集 部
T さまざまな場での群読活動
  第1章 授業のなかで使われている群読
      小学校 低学年 ・・・・・・・・・・・・ 深沢 英雄  吉田   靖 伏見 薫
          中学年 ・・・・・・・・・・・・ 加藤 征子  深澤 五郎 川崎 瑞枝
          高学年 ・・・・・・・・・・・・ 糸井 利則
     中学校 ・・・・・・・・・・・・ 毛利  豊7
     高校      ・・・・・・・・・・・・ 片桐 史裕
 第2章 学級・学年・全校活動の中の群読
    小学校     ・・・・・・・・・・・・ 日置 敏雅 長塚 松美  古関 勝則
福沢 紀子 馬見塚昭久
    中学校 ・・・・・・・・・・・・ 山口 聡  荻原  啓10
    高校      1編    ←募集中
  第3章 教師たちの群読 
      校種を問わず  2編    ←募集中
  第4章 地域での群読  ・・・・・・・新田 茂子・海上 和子
U 群読指導のポイント
第1章  詩     ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 研究部7
第2章 物語    ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 研究部
第3章 古典    ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 研究部
第4章 わらべ歌 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 研究部
V 資料 群読脚本 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・家本 芳郎・坂尾 知宏・毛利 豊
  ここは会員の自作の脚本を資料として載せます。
  Tの実践報告で取り上げた脚本を一括して載せるのではありません。

終わりに(日本群読教育の会の活動について)・・・重水 健介



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***2004.7.30 東京日本青年会館 第3回群読大会を成功させましょう****

 重水 健介(日本群読教育の会事務局)

 日本群読教育の会 http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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