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 日本群読教育の会 会報 85号            2007.6.25.

        発行者アドレス          sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp
        日本群読教育の会      http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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☆目次☆
★ 編集前記
★ 会員のみなさんの声        
★ 北海道大会情報             
 ・申込みをしてください 〜チラシ(申込書)を添付しました〜
・事前研修会を開きました
★ 毛利豊先生の群読教室2 群読(古典)2 俳諧から俳句へ
★ 楽しい群読実践  給食調理員の方へ    重水 健介
★ 群読講座の希望をお知らせください
★ 事務局より
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★編集前記  
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お元気ですか。ご多忙の日々をお過ごしのことでしょう。
北海道大会まであと1ヶ月になりました。7月28日、定山渓温泉で開きます。札幌から車で1時間
以内にいけるところです。すばらしい環境です。

6月16日には北海道大会事前研修会を開き、大会準備や各分科会の事前学習をしました。北海
道から九州まで14名のみなさんのご参加を得て充実した会にすることができました。
日本群読教育の会の会は、全国大会を「入門者を大切にする大会」、「楽しく学び、温かく交流でき
る、心に残る大会」をめざします。
ぜひ、北海道大会にご参加ください。大会申込みはお済みですか。学習前後には北海道観光を兼
ねて、ご家族やお仲間で、ぜひ、ご参加ください。
みなさまとお会いできることを実行委員、役員一同、楽しみにしています。

会報はみなさまのお手元に届いていますか。「届いた」とのご連絡を頂くと、安心します。同時に、
激励の言葉や近況等が添えられていると、たいへん励みになります。
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★会員のみなさんの声★
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◆神奈川 山口聡さん
群読会報84号届きました。いつもありがとうございます。北海道大会の申し込みはまだなので、そ
ろそろ申し込みをしようと思っていたところです。事前学習会も遅れて参加します。よろしくお願いし
ます。

◆ 静岡 浅野雅行さん
いつもありがとうございます。会報84号間違いなくいただきました。先日は名古屋まで話しことばの
ゲスト講師で行き、堅い話ばかりでは盛り上がらないので、群読ふたり読みと家本先生がお好きだったという
北原白秋の「山かつぎ」を少しだけやって、今後の課題にしてもらいました。
思ったとおり、講義よりずっと盛り上がりました。

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★2007北海道大会情報 
と き  2007年7月28日(土)  9:00 〜 17:00
ところ 万世閣ホテルミリオーネ(北海道札幌市南区定山渓温泉東3)TEL011−598−3500
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北海道大会まで1ヶ月になりました。昨年からこれまで、北海道では加藤恭子先生、荻原啓先生を
中心にご尽力いただいてきました。ここから参加者を増やしましょう。会員みんなで盛り上げましょう。

◆会員のみなさま、参加申込みをお願いします。〜チラシ(申込書)を添付しました〜
参加申込みはお済みですか。ぜひ、お早めにお願いします。次に、お知り合いの方に、サークルの
方に、職場の方にぜひ宣伝をしてください。会員のみなさま、お一人お一人に、申込書を郵送する
ことができず、申し訳ありません。添付の要項(申込書)を印刷してお配りください。わたしは、A4二
枚をつないでA3にし、それをB4に縮小コピーし、ピンクの西洋紙に印刷して職場に配りました。

◆役員の方へのお願い
役割分担をしますので、参加の有無をお知らせください。申込みが、まだお済みでなくても結構です。
ご意向をお教えください。

◆大会事前研修会を開きました。
東京神楽坂のセミナーハウス「スキャット」にて、下記の内容で充実した研修をしました。北海道・
大阪・富山・神奈川・岩手・東京・長崎から14名のご参加をいただきました。

●会務13:00〜14:30
進行:重水
1会長あいさつ                (毛利 豊先生)
2大会委員長あいさつ・参加集約状況について  (加藤恭子先生)
3参加者自己紹介
4日程にそって会場・当日の仕事内容の確認   (重水)
5 役員の増員について (重水)
6今後の作業日程と係仕事確認    (重水)
7次期開催地について  (海上和子先生・長塚松美先生)
8図書リスト
9必要物品
10次回実行委員会(大会前日、7月27日)の連絡     (重水)
●14:50〜17:00 事前研修会

◆ 分科会講座担当を決定しました
下記のように、分科会講座担当を決定しました

学習T(◆主担当)
入門講座     ◆重水健介 
中級講座    ◆長塚松美先生
実践報告    ◆報告者小 福井嘉子先生
学習UV
a 詩  ◆澤野郁文
b 物語    ◆松本順子 
c 古典   ◆毛利 豊
d ふたり読み ◆加藤征子
e ことば遊び(入門期 の群読)◆海上和子
e 集会・行事の群読 ◆山口 聡

講師、実践報告者のみなさまには、たいへんお世話になります。よろしくお願いします。

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★ 毛利 豊先生の群読教室2   群読(古典) −2 俳諧から俳句へ −
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群読の創始者・木下順二氏と同じく昨年お亡くなりになった、群読の教育界への導入者・家本芳郎
先生に、次のような俳諧群読の脚本を紹介されました。

★ 江戸時代の俳句(俳諧の発句)★
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
解   説:江戸時代の代表俳人の句で、上中下句の構造や句意から分読が決
      まる作品を連結した。

読 み 手:ソロ1、2、3の三人。

演出ノート:作者名→句全体をはじめに詠み、それから分読するのをくり返す。
 
    1 与謝蕪村
      菜の花や月は東に日は西に
  1〜3 菜の花や
    1 月は東に
    2 日は西に
    
  1〜3 山口素堂
      目には青葉山ほととぎす初鰹
    1 目には青葉
    2 山ほととぎす
    3 初鰹
    
  1〜3 松尾芭蕉
      閑かさや岩に染み入る蝉の声
      閑かさや
   −1 岩に染み入る
   −2 蝉の声
   
  1〜3 小林一茶 
      雪とけて村いっぱいの子どもかな
    1 雪とけて
   +2 村いっぱいの
   +3 子どもかな


初めの句は、「月は東に」「日は西に」が対になっているので、1と2で分読し、対応関係を鮮明にしています。
二句目は、夏を告げる風物詩を3つ提示する「三段切り」句なので、これを並列的に分読しています。
三句目は、全員読みから始め、次第に一人ずつ声が少なくなっていく様が「岩に染み入る」様子を表しています。
四句目は、一人の声が次第に足し算されて「いっぱい」になる声が句意と符合しています。
なるほど! と思い、自分でも真似て作ってみました。

★ 江戸時代の俳句(俳諧の発句)その二  毛利 豊 編 ★

解   説:上中下句が対等のタイプ+追いかけ・乱れ読みなどを追加したタ
      イプを連結した。

読 み 手:ソロ1、2、3の三人。

演出ノート:▽は同時に読む、追いかけ読み。

全員  松尾芭蕉
    梅 若菜 まりこの宿のとろろ汁
1   梅
2   若菜
3   まりこの宿のとろろ汁

全員  小林一茶
    すずめの子そこのけそこのけお馬が通る
1   すずめの子
2   そこのけそこのけ 
3  ▽そこのけそこのけ
1  ▽    そこのけそこのけ
2  ▽        そこのけそこのけ
3   お馬が通る

全員  与謝蕪村      
    斧入れて 香におどろくや 冬こだち  
1   斧入れて
2   香におどろくや
123 おどろくや
1   冬こだち

一句目は、東海道の宿場「まりこ」の宿の名物・とろろ芋を織り込んだ、春の風物詩を詠んだ句です。
やはり「三段切り」の句です。
二句目は、追いかけ法で、せわしく追い立てている感じを出してみました。
三句目は、複数人でのくり返し法を使って、「驚き」を強調したものです。

全員  小林一茶
    やせ蛙 負けるな一茶 これにあり 
1   やせ蛙 
23  負けるな
全員  一茶これにあり

四句目は、句意から中七の句またがりを分割しました。5・4・8となっています。この方が内容的に
は自然な分読でしょう。ただし、人数配分はいろいろあり得ます。これは足し算式に、励ます様子を
示しましたが、次のようにすると、かけ声を勇ましく強調しているように聞こえます。

全員  小林一茶
    やせ蛙 負けるな一茶 これにあり 
1   やせ蛙 
全員  負けるな!
2   一茶 これにあり

他にもいろいろあると思います。実際に声に出してみて、どれが自分の感覚に一番合うか試してみる
と良いと思います。その交流過程で楽しみが増えます。


五句目

全員 与謝蕪村 
   春の海 終日(ひねもす)のたりのたりかな
1  春の海 
2  終日(ひねもす)
3  のたりのたりかな
§全員 のたりのたりかな   
▽ のーたり、のーたり かな
▽ のたりっ、のたりっ かな
▽ のったり、のったり かな
               
§は全員でばらばらにわざと「乱れ読み」をし、さらに▽は同時にもっと違う読み方で乱れます。
読む人の声質も違っていると面白くなりますね。春のさざ波が、あちこちで自由気ままに立って
いる様が表現できれば成功です。


全員 与謝蕪村 
   鳥羽殿へ 五六騎急ぐ 野分かな
1  鳥羽殿へ
2  五六騎いそぐ
3 ▽五六騎いそぐ
1 ▽  五六騎いそぐ
2 ▽    五六騎いそぐ
3 ▽      五六騎いそぐ
1 ▽        五六騎いそぐ
全員 野分かな

六句目は、5騎の馬が不穏に急ぐ様をそのまま「追いかけ読み」にしてみました。これは単純です。
7句目は、少し手が込んでいます。

全員 与謝蕪村 
   牡丹散って 打ちかさなりぬ 二三片
1  牡丹散って 
2 ▽牡丹散って
3 ▽  牡丹散って
1 ▽    牡丹散って
2  打ちかさなりぬ 
3  二三片
全員 二三片 

▽は同時に読む印なので、少しずつずれているために輪唱のようになります。前半は、花が次々と
落ちる様子です。後半は、ボトンと音を立てて落ちる積もる、花弁の質量感と存在感を表現しました。

こうやってみると、江戸時代の俳諧の発句から発展した、明治以降の「俳句」でも同じく可能だと
気づきました。例えば、現代俳句の次の句です。(言葉は文語ですから、いちおう「古典」とも言える
かもしれません。)

  万緑の中や 吾子の歯 生えそむる       中村草田男

★ 現代俳句から   毛利 豊 編 ★ 
・・・・・・・・・・・・
解   説:生命観あふれる青々とした木々の中で、わが子の白い歯が初めて
      出てきた。その驚きと喜びと愛らしさ。万緑=夏の季語。
読 み 手:ソロ1、2、3の三人。
演出ノート:(1)最後の一行は、前の人の声が消えないうちに読み出す。
      または、
      (2)逆に、漸増で盛り上げてからやや間をおいて、ポツンと小
         声で読む。
      どちらでもよい。実際に声を出して読んでみて風合いを確かめる。

全員 中村 草田男
1  万緑の中や
+2 万緑の中や
+3 万緑の中や。
1  吾子の歯生えそむる

*この論文は毛利豊先生がひまわり社のHP上の教育実践マガジンにご連載のものです。
毛利先生とひまわり社の松本衆子さんのご了承を得て、この会報に載せています。


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★楽しい群読実践  給食調理員の方へ                重水 健介
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勤労感謝の日の前日に、日頃、給食でお世話になる給食調理員の方にお礼の群読をしたことが
ある。小規模校だったので学年の子どもたちで給食調理室前のフロアーに行き、そこで感謝の会
をした。プログラムは@学年代表の子どもの挨拶 A群読 B色紙贈呈 C調理員の方から返礼
の言葉 で5分程度の会だった。

●読み手 
 A〜Hはソロ(給食委員)
全はクラス全員

脚本(重水健介 作/編)
A わたしたちは給食が大好きです
全 大好きです
B 毎日、おいしい給食をありがとうございます
全 ありがとうございます

C きょうのメニューは何だろう?
D カレーかな
E ちらし寿司だよ
F ハンバーグかもね
G どれもきっとおいしいよ
全 おいしいさ
H あーあ 給食の時間が待ち遠しいな
全 その通り、待ち遠しいね

A さいごにお礼をもう一度、毎日、おいしい給食をありがとうございます
全 ありがとうございます
B これからもよろしくお願いします
全 よろしくお願いします



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 ★校内研で・サークルでの群読講座 ご希望をお知らせください★
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◆日本群読教育の会では、群読の普及活動の一環として群読学習会を開いています。群読学習
会の開催ご希望のときに講師を派遣します。 
 講師派遣につきましては、講師の交通費の実費のみ現地でご負担ください。会員の方で地域
サークルや校内研修会での群読学習会をご希望の方は事務局までお知らせください。詳細を
ご連絡します。一緒に楽しい群読学習会を開いてみませんか。

2007年度も、さっそく、静岡や愛知の学校から講師派遣の依頼をお受けしました。他にも数件、
お申し込みをいただいています。
申し込み先は、重水健介 日本群読教育の会事務局 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp です。
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 ★事務局より★
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◆「文化祭や学習発表会で○○を群読でやってみたいのだが、脚本を誰か持っていませんか」とい
うようなお尋ねもどんどんお寄せください。
◆役員・会員の方でアドレス変更がありましたら、その都度お知らせください。会報にご本人の
承諾を得て掲載します。
◆群読の実践や自作の群読脚本をお送りください。会報でご紹介し、実践研究を交流したいと
思います。