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 日本群読教育の会 会報 78号           2006.11.25
    
        発行者アドレス          sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp
        日本群読教育の会      http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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 ☆目次☆       
     ★ 編集前記
★ 会員のみなさんの声
★ 群読冬期研修会のご案内
★ 群読が日本経済新聞で取り上げられました
★ 本を売りましょう
★ 全国大会(北海道大会)情報
★ 楽しい群読教室9物語の演出〜大勢の子どもを参加させるには
★ 群読Q&A  どう抑揚をつけるか
★ 群読高知県大会のご案内
★ 群読講座の希望をお知らせください
★ 事務局より

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★編集前記
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家本芳郎先生は、いくつものことを教えてくれました。
そのひとつに、「教師は、子どもたちに真理や難しい理論ををわかりやすく伝えることができなくてはならない」ということがあります。相手に教える伝えるときには、その何倍も勉強をして、相手がわかりやすいような言葉を選び、理解を助ける例を引き、ときにほろっとさせたり大笑いを引き出すようなエピソードを語りながら、相手の心に刻み込むものだということだと教わりました。

教師の指導は、終わりというものがありませんが、ひとつずつ自分の背丈を伸ばして、
子どもたちと共に成長できる教師をめざしたいと思います。日本群読教育の会も入門者を大切にしながら、会員のみなさんと共に実践の交流や研究を重ねていきたいと思います。
会員のみなさん、お互い健康に留意しながら、楽しく励んでまいりましょう。
* 今月の随想は休載します。
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★会員のみなさんの声★
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◆群馬 塚田直樹さん
77号拝受親しました。毎号有り難うございます<(_ _)>
山中さん、寄寓です!うちの学校も30周年です。
群読の脚本、できたらご教示下さいね。^^)こっちも真似(挑戦)できたら嬉しいです。

◆富山 毛利 豊さん
会報77号を受けとりました。ありがとうございました。私も本会の本は学校に入れています。まずは、国語科で自由に買える予算で国語科資料室にだいぶ揃えています。今年は司書さんに『ふたり読み』を勧めたら、何と2冊も入れてくれました。子ども向け図書として評価されたのでしょう。
こうして学校にもあると、家と学校の持ち帰りをしなくても良くなるという利点がありますね。ちょとコピーして使いたい時、内容を確かめたい時に、大変便利です。皆さんも、いつも身近に本会の本をどうぞ!
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★日本群読教育の会 冬期研修会のご案内
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◆日本群読教育の会 会員のみなさま、役員のみなさま、お元気ですか。ご多忙の中、日々ご活躍のことでしょう。

下記の要領で、本会の冬期学習会を開きます。例年、会務についての話し合いと学習を柱に東京で開いています。一昨年は、会務・物語にかんする学習(家本先生の講座)『ふたり読み』の録音、昨年は会務、入門・中級講座学習(重水・澤野先生の講座)という内容で実施しました。

今年は、下記のように計画しました。みなさまの多数のご参加をお願いいたします。交通費につきましては、個人負担とさせていただきます。申し訳ありません。ご了承ください。なお昼食・夕食は当会で負担します。ご参加の有無につきまして、11月末日までに、重水宛sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp に「群読冬期研修会に参加する」とご返信ください。

◆日時 2006年12月23日(土)11:00〜17:00
◆場所 『神楽坂メゾン』2F・スキャットセミナールーム
    *所在地:東京都新宿区天神町63
    *JR山手線の円のほぼ中心点。地下鉄東西線「神楽坂」駅の出口2か
     ら徒歩4分。地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅の出口2から徒歩6分。
     長崎チャンポンから4軒目。6階建ての古いビルの2階。1階は黒い
     外装の茶房。
    *詳しい地図をご希望の方は、ファックスで地図を配信しますので、
当会副会長 毛利豊先生 mourisi@tea.ocn.ne.jp へ「冬期研修会会場地図を
ファックスをお願いします」との旨、ご連絡ください。
◆内容 
1学習 11:00〜12:00
  古典の群読
〈  昼食 12:00〜13:00昼食代は当会で負担します 〉
2会務 13:00〜14:00
@本会の運営について
     A出版計画
     B会の財政
     C北海道大会について
 3録音 14:20〜17:00   
     当会が刊行準備している『群読実践シリーズ〜群読の技法』(CD)の録音を
します。
      
★対象 日本群読教育の会会員の方はどなたでも参加できます。 

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★群読が日本経済新聞に掲載されました★
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嬉しい情報です。群読が日本経済新聞10月20日夕刊に掲載されました。群読の楽しさや意義、全国に広がっている状況が特集として載っています。
少しですが、日本群読教育の会の活動にもふれてあります。当会常任委員の長塚松美先生のすぐれた実践もご紹介されています。

「群読の楽しさを広める」「群読研究を深める」。この2点を大きな目当てとして、日本群読教育の会は取り組んでいますが、その方向が間違っていないことを感じます。
図書館等で、過去の新聞を閲覧する機会がありましたら、ぜひご覧ください。

◆ 当会常任委員で今年の東京大会の実行委員長を務めてくださった加藤征子先生から、
次のメールをいただきました。

さて、過日、日経新聞に長塚先生の教室の群読の様子が載っていて、ウチの校長が先生方に新聞をコピーして紹介しました。(ウチの校長は港区の児童文化研究部長でして、夏の大会の会場を借りるに当たって口利きをしてくれたのです。)重水先生のコメントも載っていました。嬉しくなりました。
また、港区教研で他の学校の先生が都合悪くなり、私がウチの4年生を借りて、群読の授業をしました。その時、校長から若い先生方などに、私の授業を見るようにとも言ってくれて、授業後、「私もやってみたいから、一度加藤先生にウチのクラスでやって欲しい」と何人かの先生に言われました。嬉しいことです。
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★本を宣伝しましょう。売りましょう
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日本群読教育の会では、出版活動もしています。本を出して研究と実践の成果を世に問い、
群読をいっそう普及させようとのねらいからです。
これまで、高文研より下記の本を刊行しました。
「いつでもどこでも群読」
「続いつでもどこでも群読」
「群読実践シリーズ ふたり読み」
「群読実践シリーズ 学級活動・行事を彩る群読」

おかげさまで、どの本も好評を得ていますが、会員のみなさんでさらに、普及に努めてください。とくに、今年の夏の全国大会(東京大会)にあわせて出版した「群読実践シリーズ 学級活動・行事を彩る群読」は大いに宣伝してください。
どんなによい本でも売れなければ、次からの出版が難しくなります。逆に売れれば、
次からの企画もすすめやすくなります。

 重水は、自分の勤務校の校長に「群読実践シリーズ 学級活動・行事を彩る群読」
を寄贈したところ、「各学年1冊ずつ、そして図書館にも1冊計4冊購入しておきましょう」といってくれました。1冊贈呈した本結果、校長の一声で4冊買ってもらえることになりました。

みなさんもぜひ学校でご紹介・ご宣伝ください。学校の図書館に上記の本を入れましょうと働きかけてください。よろしくお願いします。
本の注文は、事務局 重水健介 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp   または
高文研 山本邦彦さん yama-kuni@mx3.ttcn.ne.jp までご一報ください。
 せひ、よろしくお願いします。みなさん本を売る人になりましょう。
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 ★2007北海道大会情報                    
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来年の全国大会は北海道です。2007年7月28日(土)北海道定山渓温泉で開きます。
◆と き  2007年7月28日(土)    9:00 〜 17:00
◆ところ  万世閣ホテルミリオーネ(北海道札幌市南区定山溪温泉東3)

大会実行委員長の加藤恭子先生から次のメールをいただきました。みなさんで北海道大会を成功させましょう。

◆みなさん、こんばんは。北海道の加藤です。来年の全国大会実行委員長です。
全国大会に向けてのリレー学習会1回目「入門講座」は、事務局長の重水さんに講師に来ていただきました。(長崎→札幌! すごいですよね)
群読の宣伝、実行委員集めといろいろ思惑はあったのですが、20人くらい集まればいいかなあと思っていました。しかし、実行委員があちこち声をかけたり、チラシを見て来たり、知り合いに進められたりと、なんと、29名も集まりました。新しく実行委員も増えました。(ただ今15名!)

次回の学習会は2月23日、講師は副会長の澤野さんです。
今度は子どもたちとどういうふうに群読をやっていくかという「実践講座」です。全国大会に向けて勢いつけていきます。

今回の参加者の感想をご紹介しますね。
○「声を出すんだよ!」と理屈でせめるのではなく、やってみて「楽しいなあ」って思うことが 子どもの活動の原動力になりますね。(小学校)

○声を出すのは楽しいなあ〜と改めて感じました。苦手意識のあった群読ですが、これを機会に少しずつでも取り入れていきたいと考えています。(中学校)

○楽しく勉強できました。今後に生かしてがんばりたいと思います。ありがとうございました。偶然知って参加させてもらった講座がこんなに勉強になるとは!(中学校)

○今日は実践が多くて楽しく参加させていただきました。群読は、はじめてかかわりましたが、早速学校で行ってみたいと思います。(中学校)

○教科書の「おむすびころりん」が、こんなに面白いものになるんだなあと思い、ぜひ、月曜日から 実践していきたいと思います!!
「おならうた」など簡単なものから子どもたちと一緒に楽しみたいです。(小学校)

○今日は大変勉強になりました。ありがとうございました。来週からやってみたいと
思いました。なかなか大きな声を出せない子が多いクラスなので、群読をきっかけに何か変わっていけるといいなと思っています。(小学校)

○昨日合唱コンクールが終わったばかりです。もう少し早く出会えていたらなあーと
思いました。群読に対するイメージも変わりました。技術・楽しさのみならず、思いやることも必要(「地引きあみ」なるほどと思いました)だということに感動を覚えました。あっというまの1時間半でした。(中学校)

○家本先生のメールマガジンを拝読しておりました。やっと群読を味わうチャンスに
めぐりあった気がします。心も体もあったまりました。ありがとうございました。(中学校)

○日ごろから声を出すことを続けることの重要性を感じています。さっそく来週から
取り入れられる範囲でやっていきたいと思います。そのうち、学習発表会でもやってみたいです。(小学校)

◆ 加藤恭子実行委員長より大会会場担当者との打合せ・下見の報告

そろそろ初雪が降る北海道からこんばんは、加藤です。2日の学習会の様子はMLに流したとおりです。重水さん、ほんっとに遠いところからありがとうございました。それで、重水さんと、旅行社と大会ホテルのほうへあいさつと下見に行ってきました。

ホテルの方の対応はすごくよかったです。施設もばっちりです。定山渓では一番のホテルです。エステやプールもついています。200人以上入るホール、50人くらいまで入る部屋、会議室など分科会の会場については心配ありません。(ただ、ホール、会議室以外は畳の部屋になります。)それで、以前MLでみなさんに相談していた部分を以下のように決めていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
○宿泊について
相部屋(5〜6人)が基本。シングルはなし。ツインはあるので、料金割増しに
なっても個室希望の場合は、早めに申し込んでもらい対応する。相部屋希望、家族部屋は可能な限り対応していく。子ども料金の設定。

○航空券について
 5人以上で団体割という話でしたが、個人や少人数でも、大会ホテルとの航空券のパックにしてもらうようお願いしました。ただし、直前の申し込みではなく早めに申し込まないといけなくなります。

○懇親会について
 28日の夕食をお膳にし、宴会形式で行います。当日の申し込みはホテル側の対応
が難しいので、通い参加者は、事前に申し込みをする形になります。ホテルに宿泊している参加者は、一応全員参加という形になります。実行委員主催でいろいろイベント(地酒交流会とか、北海道特産品が当たるビンゴ大会とか)を考えたいなと思っています。

○学童について
子どもも参加できる分科会を作る。というか既存の分科会で、子ども参加可を考えていく。(12月23日の役員会で討議)

○オプショナルツアー
旅行会社のほうで対応してもらうよう、みなさんの希望の部分はしっかり伝え、設
定してもらいます。

申し込みの部分ではだいたいこんなものだったと思います。抜けてたら至急教えてください。とにかく、大会日程がホテルの超繁忙期と重なっていること、会場費はまったくかからないことを考え合わせると、早い時期からどんどん申し込みをしていくことが大事かなと思います。早め、早めのほうが、旅行社にもホテルにもある程度の無理が効きます。
ということでお願いします。

◆2006年東京台場大会をふりかえっての役員の方からの意見
● 問題点は印刷製本です。という重水先生のおっしゃるとおりなのではないでしょうか。私も、紀要については現在の形を続けるべきだと思います。(過去の様々な経緯から現在の形になったと伺いました。)
改善のための重水先生の提案
■1頁行数を増やして頁数を削減する。
■書式を二段組にするなどして、頁数を削減する。
■A4横置きの紀要形式をB4にする
こうしてページ数を減らした上で、北海道で印刷製本の見通しが立たなければ、これまでのように @重水がするか A印刷屋にまわすか(5〜10万程度ならいいのではないか) 
B執筆者ごとに印刷し製本のみ現地でする(頁の書き込みを予定通りにすることが重要)のどれかでいきたいと思います。

とありましたが、■についてはいずれも賛同しかねます。理由は使いづらくなると考えるからです。(読みづらい、持ちづらい)一番手間がかかるのは印刷ではなく、帳合いだと思います。ですから、@は避けたいものです。 実際今回の紀要をいただいたとき、しっかり製本されていてとても気持ちが良かったです。その分、印刷製本に関わられた先生方のご苦労が絶えなかったのだろうと思います。このような論議も、そうしたご苦労を案ずるこの会のあたたかさから来るものなのではないでしょうか。

見通しが立てば何とかなりますよね。来年に関して言えば、北海道がどこまでできるのかと言う点を、明確にしなければならないと思います。
大会の総括としては、運営面で実行委員長・事務局長の他に会場の渉外関係(必要機材も含めて)をとりまとめるチーフがいるともっと良いと思いました。理想を言えばこのチーフは講師からはずれると動きやすいと考えます。それとは別に、いかなる不具合も臨機応変に対応できる会の雰囲気や、先生方の動きはすばらしい。そう思います。

●全体を通しては「大変よかった」と思います。
だからこそ、参加人数を増やしたい。そのために何ができるか。早めのビラまきなど工夫をしたいと思います。みなさんお疲れ様でした。特に加藤先生をはじめ、神奈川の先生方にはお世話になりました。家本先生が、そばで見守ってくださっているように感じたのは私だけではないでしょう。

さて、紀要のことですが・・・私は、レポート集・各コーナーのポイントは紀要にまとめていいと思いますが、あまりにも膨大な中身と、せっかく実践集としてまとめ、その販売金が会の運営に関わっている・・と考えるならば、重複する内容は削除していいと思います。本を買わなくても、紀要に載ってるじゃない・・と、思われるのはどうかな?
と、思います。大会の紀要は必要だと思います。中身は、もっと検討していいのではないでしょうか。使わなかった分もありますよね。もったいない・・と思ってしまいました。
また、500円割引・・ちょっと大きいかな?200円・300円でいいのではないかな?
私の意見です。
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 ★ 楽しい群読教室 9〜大勢の子どもを参加させるには〜  ★
                          重水健介
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国語の授業や学習発表会や文化祭などの行事で物語の群読に取り組むことがあります。
これまで、1どんな作品を選ぶか、2脚本つくりの原則、3演出について考えてきました。
物語群読のまとめとして、大勢の子どもを参加させる方法にふれておきましょう。
 
4 大勢の子どもを参加させる二つの方法
クラスで物語の群読に取り組むとき、登場人物数より子どもの数が多くなることがあります。たとえば、物語中の登場人物は9人、地の文を読む語り手(ナレーター)を入れても10人、クラスの 子どもの人数は30人というようにです。
全員参加の群読にしたい。どうしたらよいでしょうか。次の二つの方法があります。

@場面にって役替えする方法
「場面」ごとに役を替えます。
 一幕から二幕になるところで、全員が交替するという方法です。

A一つの役に複数のキャストを組む方法
a ステージの読み手の足元に、役名を書いた小看板をおきます。小看板は、段ボールを使うとよいでしょう。段ボールを組み合わせて、ついたてをつくり、足元に立つようにします。
   たとえば、豆太・じいさま・医者・ナレーターと書いた看板をおきます。それぞれの役の子どもは、その小看板のところに立ちます。こうすると、だれが何の役か一目でわかります。 
  
  b その小看板の後に、その役を担当する子どもたちがずらっと縦一列に並びます。そのとき、同じ役だとわかるように、同役ごとに、扮装の一部分だけでも揃えるようにします。
   「ほっぺたを赤くする」「ほっかむりをする」「全員がひげをつける」というようにです。
  
  c 一番前にいる子どもから読み始めます。適当なところで。次の子ども(一番目の子の後ろにいる子ども、つまり2番目に並んでいる子ども)と交替します。
    交替は役ごとにばらばらでかまいません。読み終わった子どもは、静かに、縦に並んでいる、その役の子の列の最後尾につきます。
  
  d どこで交替するかは、読む分量とその役を担当する子どもたちの数から割り出します。三場面ある物語で、その役に3人の子どもが希望したときは、1人一場面ということになります。人数が極端に多い場合は、一文ずつ交替していくやり方もあります。しかし、このやり方は、次々に読み手が変わり、聞いていて紛らわしくなりますので、なるべく避けたほうがよいでしょう。

* この論文は、2004年12月に開かれた、日本群読教育の会冬期研修会における、
家本芳郎先生の「物語の群読についての講座」を参考にさせていただいきました。
* この論文は、当会をご後援いただいているひまわり社のHP内の教育実践マガジン
http://www.himawari.or.tv/  に重水が連載している「楽しい群読」を松本衆子さんのご了承を得て掲載しています。ひまわり社のHPもぜひご覧ください。質量共に、たいへん充実した第一級のHPです。

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★ 群読Q&A〜抑揚をどうつけるか  ★

回答 日本群読教育の会副会長 毛利豊
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Q 今年は朝の会のメニューに群読を取り入れています。しかし,学級全体の傾向として,抑揚をつけて音読するということが苦手な子どもが多く,どのような指導をしたらよいか困っています。Q&Aで取り上げていただけると幸いです。

A「心と体の『能面』化」、という言葉が思い浮かびました。これは現代の子どもたち全般に共通する、交わる力の未発達によるものでしょう。幼い頃から孤育され、習い事や電子ゲームの商業主義に浸らされて育てば、そうなるのも無理からぬことです。

まず、子どもたちの生活に集団遊びや人間同士のゲームをいっぱい持ち込んでは
どうでしょうか。時には体ごとぶつかったり、心を開いて他者と交流したりする
遊びがよいと思います。
次に、授業の中での「発言競争」を勧めます。班ごとの発言総数を競うのです。総数に発言者人数を掛け算して班の得点にしていくと、班の中で互いに発言を促し合うようになります。仲間の支持があると発言しやすくなり、互いに競争すると班内の団結力が増すとともに、学級全体がエキサイトします。その中で次第に「恥を忘れる」のです。

私の生徒が、卒業時に次のように書き残しています。

   3年間の思い出の授業
                    I男
 僕は国語で班の形になった授業が思い出に残っています。あまりよく発表する方でなかった自分が、これを通して恥ずかしがらずに発表できるようになったからです。
 いま思うと、なんで最初は恥ずかしがっていたのかと思うし、なんか国語で勇気をもって発表したら、他の教科は全然、発表するのが恥ずかしくなくなって、考えることが楽しくなったと感じました。

他の生徒も「やる気もすごい出るし、なんていったってとても面白い」「今まで静まりかえっていた国語が、すごく盛り上がっていました」と述懐しています。事実、「お葬式」になりがちな中3生でも、よく大論争をしていました。

また意見を書き合って交流する「紙上論争」の積み重ねも、非常に有効な迫り方です。ばらばらな子ども同士を、つなぐからです。

質問者は、すでの多くの群読実践を手がけている著名な実践家ですので、技術面のことはご自分で工夫されると思います。問題は、今どきの子どもの実態と卒業まであと数ヶ月という小6の時間のなさです。歌うのもだめ、集中して取り組むのも苦手、読む・聞く・書くの国語力がダメと、厳しい状況です。しかも卒業式の「呼びかけ」は成功させたいという目標があります。

急がば回れ。群読はしばらく忘れて、力いっぱい遊ばせる(あるいは遊べる群読を選ぶ)。つながりと野性味を回復させる。こう言えば極論でしょうか。

いま問題になっている、小学生独特の変な節回し(抑揚)にするのだけはやめて欲しいと願います。それならのっぺりした棒読みの方がまだ未来に希望をつなげます。マイナスであるよりはゼロである方が、次の中学校で指導しやすいからです。(中学校でも指導しきれなかったことは、高校に期待をつなぐようにしています。)その方が子どもにとっては幸いです。焦っていじらないことだと思います。
以上、私の独断と偏見による回答を述べました。参考にならなかったり、失礼にあたる点があったりしたら、お許しください。
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 ★群読高知県大会のご案内★   高知群読教育の会 

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2006,10,2
高知群読教育の会 
コミュニケーション能力や自己表現力を失いつつあるといわれている現代の子どもたち。みんなでリズムに乗って一緒に声を出す活動である群読はその能力を高めていきます。また群読の源泉は,伝統的な音声文化にあり,その伝統的な音声文化に含まれている修辞(レトリック)や朗誦術(デクラメイション)を現代によみがえらせることで日本語をさらに豊かにすることが出来ます。
このような群読を実際に楽しくみんなで体験してみませんか?


日 時:2006年11月24日(金)9:30〜16:00
場 所:高知市立一宮東小学校 生涯学習室
講 師:重水 健介先生 (長崎県西海市立大瀬戸中学校教諭)
参加費:1300円(資料代を含みます)
日 程:
   9:20 受付
   9:30〜9:45  開会
9:45〜11:45 入門講座 
  13:00〜14:20 ワークショップ1
  14:30〜15:50 ワークショップ2
  15:50〜16:00 閉会

資料の準備等の都合がありますので参加申し込みはお早めにどうぞ
申し込み:高知市立一宮東小学校内 松本 順子
高知市一宮東町一丁目20番1号
Tel:088-846-0160 Fax:088-846-0161
☆前日の24日に津野町中央小学校で午後から群読の授業と重水先生の講座があります。参加したい方は、中央小学校か松本(一宮東小)に連絡を下さい。

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 ★校内研で・サークルでの群読講座 ご希望をお知らせください★
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 ◆日本群読教育の会では、群読の普及活動の一環として群読学習会を開いています。群読学習会の開催ご希望のときに講師を派遣します。 
  講師派遣につきましては、講師の交通費の実費のみ現地でご負担ください。会員の方で地域サークルや校内研修会での群読学習会をご希望の方は事務局までお知らせください。詳細をご連絡します。一緒に楽しい群読学習会を開いてみませんか。

  すでに、広島や神奈川、高知の小学校から「職員研修会で群読を取り上げたいので」
 ということで講師派遣の依頼をお受けしています。他にも数件、学習会希望の問い合わせをいただいています。申し込み先は、重水 健介 日本群読教育の会事務局 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp  です。
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 ★事務局より★
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 ◆「文化祭や学習発表会で○○を群読でやってみたいのだが、脚本を誰か持っていませんか」というようなお尋ねもどんどんお寄せください。

 ◆役員・会員の方でアドレス変更がありましたら、その都度お知らせください。
  会報にご本人の承諾を得て掲載します。
  
 ◆群読の実践や自作の群読脚本をお送りください。会報でご紹介し、実践研究を交流したいと思います。
 
◆ 高文研・たんぽぽ出版・ひまわり社の各社からは、日本群読教育の会及び毎年の群読全国大会のご後援をいただいています。平素から、当会の活動に大きなご理解とご協力をいただいています。心よりお礼申し上げます。
会員のみなさん、上記3社は、良心的な教育を推進する出版社です。多くのすぐれた出版物をつくっています。HPをごらんいただき、多くの本を個人やサークルでご購入ください。ご注文など、連絡が必要なときは、重水 健介(日本群読教育の会事務局)
 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp までお知らせください。