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 日本群読教育の会 会報 71号           2006.4.25
    
        発行者アドレス          sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp
        日本群読教育の会HP  http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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 ☆目次☆ 
     ★ 随想     深澤 英雄先生
     ★ 全国大会(東京大会)情報
      ・要項・申込書を添付しました
      ・6月24日(土)事前研修会を開きます
     ★ ひまわりホームページ・教育実践マガジン紹介
     ★ 群読Q&A 録音について その1(再掲)  毛利 豊 先生
     ★ 楽しい群読入門2「教室で群読を始めよう」  重水 健介
      ★ 群読講座にうかがいます〜ぜひお知らせください
    ★ 事務局より
      
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 ◆ 随想 ◆   「どんな子どもに育てるか」       深澤英雄先生
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  家本先生は、「学級つくりの出発」(あゆみ出版)の中で「今教えている子
 どもたちの幸せを守るために今たたかうと同時に、その子どもたちはわたした
 ちの次の世代をになうものであり、したがって幸せを阻む4つの課題(世界平
 和の確立、民族の独立、社会の民主化、貧乏の根絶)解決に必要な力を育てる
 ことである」と言われ、その後に日本国憲法の前文をのせておられる。

 「この力はどんな子どもに育てるかというときの基本にすえられる能力である。
 その上にたって学校生活のなかで具体的にどんな行動のできる子どもに育てる
 か、つまり集団の一員として、どんな行動をとおして民主的な集団づくりに参
 加するかを考えたい」と結ばれている。

 「合唱・群読・集団あそび」(高文研)で、集団つくりにおける文化活動の実
 践として、合唱・群読・集団遊びの三領域をとりあげたと書かれた。いずれも
 が、集団による表現である。家本先生は「群読によって、集団にむかって開い
 ていくことばをつくりだし、やがてことばを自分のものとし、自分のリズムに
 組みふせるちからをもったしなやかなからだをつくり得ると思う。やがて、仲
 間とともに、日本語とそのリズムを媒介として、協働しうる、連帯しうる「文
 化としてのからだ」の回復に一役かうことができるだろう。」と言われた。
 
  先日ある会で、新採用の男の先生と出会った。今年大学をでて希望と不安を
 胸に教壇に立とうとしている。その彼が「家本先生が書かれた群読の本を買い
 たいのですが」と言うのだ。「ぼくは、小学校の時に担任の先生が群読をして
 くれた。とてもよかったので、自分のクラスでもぜひ、群読をやってみたいの
 です」と話してくれた。群読を学んだ子どもたちが先生になって、また、群読
 の実践を続けようとしている時代なのだ。
 
  家本先生が作りあがられた群読の実践は、かならずや日本の子どものたちの
 健全な発達に寄与していくという確信を日本群読教育の会のメンバーは持って
 おられることと思う。
  ここ数年で若い先生が大量に採用され職場の大勢をしめる時代がやってくる。
  その先生たちが群読教育の会に多数参加され、若い先生とともに、家本先生
 から学んだ方々が力をあわせて、群読の実践を広げ、深めていくことが、家本
 先生のご遺志を継ぐことになるのではないかと考えている。 
   
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 ◆ 会員のみなさんの声 〜ご入会歓迎します〜◆      
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 ★東 京 桑原 正大さん
  はじめまして桑原と申します。現在大学で国語科教育を専攻し、読みの指導
 方法について学んでいます。以前ゼミで群読について学んだときに、声の重な
 りや響きに魅了され、すっかり群読に魅了されました。まだ学生で分からない
 ことだらけですが、現場に出たときに群読を実践できるように、この会でしっ
 かりと学んでいきたいと思います。宜しくお願いします。


 ★栃 木 大根田 圭子先生
  早速、お返事ありがとうございました。私は、群読の実践はそれほどありま
 せんが、「いつでもどこでも群読」を購入し、学級で試してみました。
 「教室はまちがうところだ」は、子どもたちにも好評で、私自信も大変感動し
 ました。
  現在、内留中なので、この機会にもと学び、学校に戻ったら実践していきた
 いと思っています。入会させていただきまして、ありがとうございました。


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 ◆ 全国大会(東京大会)情報 ◆      
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 ★全国大会(東京大会)要項・申込書を添付しました。7月30日(日)です。
  会場は、東京都港区立港陽小学校です。

      東京都港区台場1丁目1−5
     *ゆりかもめ   「お台場海浜公園駅」下車  徒歩6分
      都バス(虹01)「お台場海浜公園駅」下車   徒歩6分
      臨海副都心線 「東京テレポート駅」 下車  徒歩12分

  観光も兼ねてぜひおいでください。役員一同みなさんとお会いできることを
 楽しみに準備を進めています。 お知り合いを誘って、ぜひご参加ください。
  実技を通して楽しく群読を学び合いましょう。


 ★講師団研修会を6月24日(土)に開きます。全国大会の分科会の事前学習
 をします。会員の方も自由にご参加できます。東京で開きます。場所を調整中
 です。正式にきまり次第、みなさんにお知らせします。予定をあけておいてく
 ださい。

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 ◆ ひまわりホームページ・教育実践マガジン紹介◆       事務局
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  日本群読教育の会をいつも応援してくださり、全校大会では後援いただいて
 いる出版社のひとつにひまわり社(松本衆子社長)があります。ひまわり社で
 は、HP上に、教育実践マガジンを掲載しています。毎月更新されます。

  2006年度4月号は下記のような目次です。

  時評
  現代教育論「現代子ども論」
  小学校国語 ・・・・その月の各教科指導のポイントが紹介されています
  小学校算数
  小学校理科
  小学校社会
  小学校体育
  小学校図工
  中学校国語
  中学校社会
 中学校数学
  中学校理科
  中学校英語
  パソコン・インターネットの基本
  いのちの教育
  保健室より
  群読を楽しもう
  児童会指導
  生徒会指導
  学級担任ができる食育12ヶ月

  とても充実したマガジンです。執筆陣も全国の教育の第一線でご活躍の方々
 です。日本群読教育の会の方も多数参加しています。ぜひご覧ください。
  過去2年間のマガジンでは、小学1年から学年ごとの毎月の実践のポイント
 も掲載されました。家本芳郎先生の「教育実践史を読む」も読み応え抜群です。
  現場にたつ教師を応援するマガジンだとわたしは思っています。
  ぜひご覧ください。
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 ◆ 群読Q&A 「録音について その1」◆(再掲)
              
               回答 日本群読教育の会副会長 毛利 豊先生
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Q 「日本群読教育の会」から出ている書籍にはCDが付いているものが多いです
  が、群読を録音するときにはどういう点に気をつければいいですか。

A 1 とにかく録音しておきましょう。

  音楽は「時間の芸術」と言われます。それは、その時その時の空気振動によっ
 てのみ成立し、後には何の物的な痕跡も残さないからです。群読も同じです。音
 声を主とする文化活動ですから、後でもう一度同じ状態を再現することは出来ま
 せん。ですから、音声の記録は残しておくことをお薦めします。それは同時に、
 群読をするときに生徒たちを奮い立たせ、集中させるという副次効果も生みます。
 また、事後に共同研究や発表、出版化する時にも必要となります。
 
  2 録音環境を調えるには。
 
  子どもたちの群読は、行事・授業・参観の場で行われることが多く、外の雑音
 などが入りがちです。例えば隣りの教室の音楽授業の音、道を行く車の音などで
 す。その時は気づかなくても、後で再生すると思わぬ雑音が小さく入っています。
  その方がライブ録音らしい臨場感が良いという考え方もあります。
 
  しかし、なるべく完璧な音をという場合は、少し工夫をします。
 (1)雑音の少ない特別教室で戸を閉め切って行う。
 (2)録音機の背後に雨傘を開いて声だけを集め、録音機は傘に向けて録音する。
    簡単に「集音マイク」に早変わりします。
 (3)内蔵マイクよりも、なるべく外部マイクを使うとクリアーな録音となる。
 
 
 3 録音テープ、MDの利点と保管の注意点。
 
  音声のみならこれらで十分です。安価で録音機器もどこにでもあります。MD
 は頭出しが容易で便利です。保管も磁気さえ気をつければ、カビる心配もありま
 せん。本会の録音出版物も、こうやって簡単に録音したものがあります。
 
  逆に、録音テープの保管は、暑いところや湿気のあるところは避けます。日本
 海側の地方では、冬の湿気によって、部屋の下部の箱などにテープを保管してお
 くと、長い年月の間にカビるので気をつけましょう。
  
 4 ビデオテープ、DVD、デジカメ動画などの利点。
 
  映像も含めて記録してあると、群読している子どもたちの様子が分かり良いこ
 とがあります。以前、練習風景を送ってくれた人がいましたが、その様子を見て
 どの子にはどういう指導をしたらと具体的にアドバイスすることが出来ました。
 映像記録には、こういう形成途中の評価と指導を可能にする利点もあります。D
 VDに焼き付けておけば、半永久的に保管できます。
  デジカメ動画は、数分間の群読なら簡単に記録できます。おまけに附属のジャ
 ックでテレビに繋ぐだけで、教室ですぐにみんなで見ることが出来ます。
 
  5 みなさんの録音・録画のワザを教えて下さい。
 
  私がいままで録音で心がけてきたことや気づいたことはこれくらいです。
  次の「録音について(その二)」では、私以外の役員・会員のワザを交流し合
 いたいと思います。他の方はぜひ、あなたのやり方を教えて下さい。
 
   送り先  毛利 豊  アドレス mourisi@tea.ocn.ne.jp
 
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 ◆ 楽しい群読入門 2   教室で群読を楽しもう      重水 健介 
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  群読とは大勢で声を出す活動です。子どもたちと一緒に群読を楽しみましょう。

◆ 地引き網
  群読にしやすい題材に詩があります。
  西条八十の「地引き網」をみんなで一緒に読んでみましょう。



  みんなで読んだあと、「上手に読めました。この調子です」というようにほめます。
  このように、みんなで一斉に読むことを斉読(せいどく)といいます。
  斉読では、まだ群読とはいえません。群読の要点は分担して読むことにあります。
  これを分読(ぶんどく)といいます。誰がどの部分を読むか、分担箇所や読みの技
 法をかいたものを脚本といい、音楽でいう楽譜のようなものです。

 ◆では先の「地引き網」を群読にしてみましょう。家本芳郎先生の脚色です。
 ソロは一人で読む、アンサンブルは数人で読むところです。コーラスは大勢で読み
 ます。学級や地域ので群読するときの人数の目安はアンサンブルが全体の6分の1、
 コーラスが6分の5くらいを考えるとよいでしょう。

 B 「地引き網」家本芳郎編


  上手に読めました。これで、群読になりました。
  ところで、この群読では、二つの大きな弱点があります。何でしょう。
  一つはコーラスが単調だということです。ずっと、「ヨイショコショイショイ
 ヨイショコ ショイ」の繰り返しですね。コーラスに変化を付けた脚本もあります。
  二つは、コーラスの声が大きすぎて、ソロ(アンサンブル)が聞こえにくいとい
 うことです。
  群読脚本には左段(ソロ)優先するというセオリーがあります。ソロが聞こえる
 ようにバックの声を小さく読むということです。
 子どもたちに「声を小さく読みなさい」というと、勢いまでなくした、へなへな
 した声になってしまいがちです。どう指導すればいいでしょう。このとき「無声音」
 を教えるとよいでしょう。「無声音」については、次回ご紹介しましょう。


 ◆参考実践・参考図書
  日本群読教育の会前会長 家本芳郎先生の入門講座及び『群読をつくる』(高文研) 
 
 ◆この原稿は、群読を紹介し、その楽しさを紹介するためにひまわり社(松本衆子社長、
 毎年日本群読教育の会全国大会の後援をいただいている出版社)のホームページに掲載
 重水の原稿を、ひまわり社の了解を得て本会会報に再掲しました。



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 ◆群読講座を開きます。ご希望がありましたらお知らせください◆
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 ★日本群読教育の会では、群読の普及活動の一環として群読学習会を開いてい
 ます。群読学習会の開催ご希望のときに講師を派遣します。
 
  講師派遣につきましては、講師の交通費・宿泊費の実費のみ現地でご負担く
 ださい。会員の方で地域サークルや校内研修会での群読学習会をご希望の方は
 事務局までお知らせください。詳細をご連絡します。一緒に楽しい群読学習会
 を開いてみませんか。

  すでに、「夏休みの職員研修で、群読を取り上げたいので」ということで
 講師派遣の依頼を数件いただいています。

  申し込み先は、重水 健介 日本群読教育の会事務局 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp
 までお願いします。
 
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 ◆事務局より◆
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 ◆重水のパソコンが一斉送信できない状態のため、事務局次長の日置先生の
 お世話でMLを利用する方法で会報をお届けしています。お手元についていま
 すでしょうか。「一方通行で相手に届いたかこちらから確かめられない」点が
 メールやファクスの弱点かな、と家本先生と話したことがありました。
  家本先生は、ほとんどすべてのメールにご返信くださいました。送り手の
「届いたかな」という気持ちを解消してあげようとなさったのだと思います。
  
  会員のみなさん。「会報届いたよ」の声とともに、みなさんの近況や会報の
 感想などお寄せください。会報にてご紹介します。会報掲載時に匿名希望の方
 はその旨(ペンネームでも結構です)もお知らせください。
 
 ◆群読・朗読にかんするお尋ねや指導上の悩みや質問点がありましたら、群読
  Q&Aのコーナーで取り上げます。お知らせください。
  
 ◆群読の実践や自作の群読脚本をお送りください。会報でご紹介し、実践研究
  を交流したいと思います。

 ◆群読でこんなことをやってみたという実践や脚本をお知らせください。概要
  の紹介でもけっこうです。短くてもかまいません。取り組む子どもたちの様
  子や発表者や参観者の方々の反応など、お知らせください。