∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
日本群読教育の会 会報 69号 2006.2.25
日本群読教育の会HP http://gundoku.web.infoseek.co.jp
_____________________________________
☆目次☆
★ 随想「群読って,『出会い』の連続?」
姫野 賢一先生
★ 会員のみなさんからのお便り
★ 全国大会(東京大会)情報
・大会後援をいただきました
・実践報告の立候補を募ります
★ 新役員のご紹介
★ 群読Q&A「記譜法」
毛利 豊先生
★ 群読脚本 「竹のように」
★ 書籍紹介「楽しい群読脚本集」
深澤 英雄先生
★ 群読講座を開催のお知らせ
★ 事務局より
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
____________________________________
◆随想 「群読って,『出会い』の連続?」◆
姫野 賢一先生
____________________________________
「群読」との出会いは,採用されて4年目のことであった。
当時,生活指導をしている先輩教師から,「今度の修学旅行は,群読を入れた
活動をたくさんしてみたらどうか」と告げられた。私は,「(この人,何,言
っているんだろうと思いつつも)はい,そうします」と答えてしまった。
(しかし,群読活動って,何のことだかチンプンカンプンだった)答えとしまっ
た以上は,私もやってみるしかなかった。
その頃,私が購読していたあゆみ出版の「子どもと教育」の別冊に,「群読」
という文字が目に止まり,その本を開いた。三段から四段に仕切られたマスの
中に,文字が重なるようにして書かれていた。読み方がわからずに,職場の先
輩に尋ねた。その人は,「ソロっていうのは…」という具合に丁寧に説明して
くれた。
私は,「なるほどなぁ」と思いつつも,「やってみないと」と思いながら,
小6の子どもたちに群読を紹介してみた。子どもたちは,「先生,群読って,
何かおもしろいね。普通のようで,フツウじゃないね」と感想を言っていた。
「修学旅行でもやってみる?」と尋ねたら,「やってみたい!」ということで,
修学旅行での群読を計画した。(原稿が残っていれば紹介したかったのが,現
在は紛失している。)これを機に,私の実践に群読が仲間入りしたのであった。
その後,学習会の時だった。大分県安心院町の上鶴先生に,「姫野さん,群
読の講座を開いてみらんかい?家本先生が来てくれるよ」と誘われた。私は,
一瞬,「聞き違いか」と自分の耳を疑ったが,本当の話だった。そして,家本
先生に2度来県して頂き,学習会を開いた。
その2年後には,湯布院大会を河野さんや中山さんを中心にして開催してい
った。(大分郡の仲間たちが,かなりバックアップしてくれた。)
私にとっての群読は,「出会い」であった。家本先生をはじめとして,重水
先生,そして,日本群読教育の会の人たち。人に出会う中で,群読を知り,群
読に出会うことで,人を知る。この「出会い」こそが,群読のもつハ−モニ−
なのだといつも思っている。
今夏,3度目の東京大会を迎え,「今度は,どんな人に出会えるのだろう」
と思いつつ,夏が近づくにあたり,心躍る。
_____________________________________
◆会員のみなさんからのお便り◆
____________________________________
★三学期も群読を
柏原 真澄先生
お世話になっております。校内研で、やはり出ました。「三学期も群読」を
やりなさい!題材は百周年の歌を使っては…という案。まだ全体で決まったわ
けではなく。また、もし決まったあかつきには、(みなさん)シナリオへのお
こしの、相談にぜひのってください。やらない…ということになっても、「黙
っていられない」先生が部会内には多くて。今後ともよろしくお願い致します。
★北海道にふさわしい群読 荻原 啓先生
連日お疲れ様です。同報メールにて会報拝受致しました。
大会の骨子も組上がったようですね。夏は万難を排して参加したいと思って
おります。それまでは、会報を通して皆様の実践から元気をいただきながら、
実践を磨いて行きたいと思います。
今、北海道にふさわしい群読を作成できないかと研究中です。アイヌ語と日
本語のコラボレーションを考えていますが、まだまだ時間がかかりそうです。
子どもたちにも北海道にあった文化を伝えることができればと欲張っている
のですが、どうなりますか。
札幌ではインフルエンザが流行しつつあります。病に負けぬように元気に行
きたいと思います。雪祭りも間近になりました。
____________________________________
◆ 全国大会(東京大会)情報 ◆
____________________________________
◆ 大会の後援をいただきました
====================================
第5回全国大会のご後援をひまわり社、高文研、たんぽぽ出版の各出版社か
らいただきました。いつも当会の活動を応援していただいている良心的な教育
を応援する出版社です。メッセージもいただきました。ありがとうございます。
★ひまわり社 松本衆子さん
ひまわり社でよければ、喜んで後援させていただきます。また、大会に向け
てお手伝い出来ることがあれば、させていただくつもりでおります。
夏の大会でお会いできるのを楽しみにしております。
★たんぽぽ出版 山崎 宏さん
後援の件、喜んでお受けさせていただきます。なにか、お役にたてることが
ありましたらお申し付けください。こんな不安の渦巻く時代だからこそ、人と
人が声を出し合ってみんなで一つのものをつくっていく、群読のような文化活
動がものすごく重要なのだと思います。
今年の群読全国大会の成功を心よりお祈り申し上げます。
★高文研 山本邦彦さんからも「喜んで後援させていただく」とのありがたい
ご返信をいただきました。
====================================
★ 実践報告立候補を募ります
====================================
学習T(9:50〜11:50)で c 実践報告
をします。
就学前・小学校・中学校・高校・地域などいろいろな場面で群読を活用した
実践を紹介していただきます。お一人、報告と意見交換含めて、30〜40分
くらいの見通しです。
ご自分の実践を報告してもよいという方を募集します。
お名前・校種・内容を( 例 重水健介、中学校、群読で生徒会発足式の挨
拶をした実践)のようにお書きの上、重水 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp
までお送りください。
●このメールを返信しても届きませんのでお間違えのないようお願いします。
また、お知り合いで、実践報告ご推薦の方がいらっしゃいましたらお知らせ
ください。
____________________________________
◆ 新役員のご紹介 ◆
____________________________________
2006年度の日本群読教育の会役員とし、会長に松本順子先生、副会長に
澤野郁文先生、事務局次長に日置敏雅先生、事務局内に新設した資料管理担当
に相原和正先生にご就任をお願いし承諾を得ました。正式には全国大会総会で
提案し、会員のみなさんからご承認を得る運びです。
新役員の先生方は、各地で群読のみならず、良心的な教育の推進者として第
一線でご活躍の先生方です。多忙な日々のお仕事の中、役員への就任をご快諾
いただき、ありがとうございます。
本会前会長の家本芳郎先生におかれましては、今後とも、日本群読教育の会
役員として籍を置き、引き続きご指導いただく方向でお願いし、家本先生から
ご内諾を得ました。家本先生ありがとうございます。
★副会長 澤野 郁文先生
毎年2月に行われる音楽集会で、各学年が群読を披露する。なぜ音楽集会で
群読なのかよく分からないが、全校で年に1度本格的な群読に取り組む我が校
は素敵な学校だと思う。
今年も5つの学年に詩を紹介し、内3つはオリジナルのシナリオをおこした。
学年百数十名での大群読なのでなかなかに難しい作業となるが、仲間と子ど
もと共に創造する楽しさは格別である。今年は、若い仲間も「自分でシナリオ
を書いてみたい」と挑戦した。
「こんなのができましたがみてもらえますか」「どれどれ、うーむ、ここはこ
うした方が・・」などと偉そうにコメントする私は、まるで群読の会の役員の
ようではないかなどと少し恥ずかしくなるのだが、よく考えてみるとおやまあ
やっぱり私は副会長だったりするのだ。
こんな私ではあるが、群読大好きなので今後共どうぞ宜しくお願い致します。
★事務局資料管理部 相原 和正先生
神奈川県の相原和正です。新しく資料管理部ができました。
まずは、今あるものを整理することからのスタートですが、群読歴の浅い私
にはどんな資料があるかが楽しみです。活用できそうな資料を見つけていきま
すが、「こんな資料があれば・・・」など、皆さんのお声も欲しいところです。
少しずつ、会の資料を皆さんのお役に立てていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
★事務局次長 日置 敏雅先生
このたび事務局次長になりました愛知県の日置です。すでにMLへの登録の
時に何度かメールなどで連絡をした方もいらっしゃると思いますが、事務局の
中ではML担当をしています。会報がスムーズに配布されることを願って微力
ながら協力させていただこうと思っています。
また、会員のみなさまのお知恵を拝借しながら、事務局の仕事をこなしてい
こうと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
なお、会員のみなさまへのお願いですが、メールアドレスなどの変更があっ
た場合は、事務局へ連絡していただけると会報がスムーズにお届けできます。
その節はよろしくお願いいたします。m(_
_)m
____________________________________
◆ 群読Q&A 「記譜法」◆ 回答 日本群読教育の会副会長 毛利
豊先生
____________________________________
Q 群読の脚本は、「書き表し方」が何通りもあるようです。どの様に書くの
が一番、良いのですか。
A 群読などの音声をどの様に紙面に書き表すか、それを記譜法と言います。
現在行われている記譜法は、だいたい以下のようなものでしょう。
1)段組にした「表」のような形式
┌─────────┬─────────┬─────────┐
│ ソロ │ アンサンブル │ コーラス │
├─────────┼─────────┼─────────┤
│ ヒャラリーリ │ │ │
├─────────┼─────────┼─────────┤
│ ヒャラリーリ │ テレツクテン │ │
├─────────┼───────────────────│
│ ヒャラリーリ │ テレツクテン │ チャンチキチ
│
└─────────┴───────────────────
これは、複数のパートが声を重ねたりずらしたりして読むのを視覚化できる利点
があります。脚本をつくるときもイメージしやすいです。さらに同じ行列の、微妙
に途中から声を重ねていく場合も書き表しやすいです。
私案ですが、さらに視覚化を進めるために、行間や文字のポイントも変えて表し
てはどうかと考えています。つまり遅いテンポの部分は広い行間を取り、速いテン
ポでは行間を詰めるというようにです。大きい声は大きい字・太字で、小さい字は
小字で表すのも一目で分かりやすいと思います。
パソコン機能の充実によって、最後に一気に仕上げをすることができるし、読み
手も脚本作者がどう読ませようとしているのか、一目で理解できます。
* ただし、テキスト文書ではそれを表しにくいのが難点です。
┌─────────┬─────────┬─────────┐
│ ソロ │ アンサンブル │ コーラス │
│─────────┼─────────┼─────────┤
│ わっしょい │ わっしょい │ わっしょい
│
│─────────────────────────────
│ │ │ │
│ 祭りだ │ │ │
├─────────┼─────────┼─────────┤
│ │ │ │
│ 祭りだ │ 祭りだ │ │
└─────────┴─────────┴─────────┘
│ │ │ │
│ 祭りだ │ 祭りだ │ 祭りだ │
└─────────┴─────────┴─────────┘
2)脚本形式(台本形式)
これは演劇の台本のように、次のように書く書き方です。
ソロ1 もう何もかもおしまいだと思ったのです。
コーラス 失敗の連続が絶望を招いた。
ソロ2 これ以上みじめな思いをするなら、何もしない方がましだと、つい。
コーラス 絶望が無為に陥れたのだ。
ソロ3 でも、そのとき、出会ったときの先生の言葉を思い出しました。
コーラス 先生、もう一度おしえて下さい、希望の意味を。
これが12とか、ABの二人だけの分担になると、「ふたり読み」になります。
またコーラスの中で、特定のソロだけを際立たせたいときは、
ソロ1+コーラス 先生、もう一度おしえて下さい、希望の意味を。
と書くとどうでしょう。書き表し方に脚本作者の意図が反映する工夫をする
ことだと思います。音楽の楽譜にも、多くの記号や略字があるのですから、それ
にならいたいと思います。
3)楽譜形式
本会の副会長・澤野郁文先生の提唱される「五線譜に書く」方法です。まだ本
会の刊行物には余り出ていませんが、音楽をやっている人の間では広まると思い
ます。何といっても、微妙な拍数を正確に表記でき、音楽記号や略字もそのまま
使えるからです。群読をボイス・パーカッションとして完全に音としてとらえる
発想からの記譜法と言えるでしょう。
このようにそれぞれ特徴があるので、自分の使いやすいところから始め、次第
に改良を加えてはいかがでしょうか。あなたがさらに良い方法に発展させられる
ことを期待します。
_____________________________________
◆ 群読脚本「竹のように」 ◆
重水 健介
____________________________________
脚本をつくってみました。会員のみなさまのご批正をよろしくお願いします。
「竹のように」 竹中 郁 作 重水 健介 編
★演出ノート
・小学校1年〜6年まで各学年10名程度の小規模校の「卒業生とのお別れ会」
で全校生徒一緒に読める群読として脚色した。
・原文では「子どもたち」となっているが、ここでは「わたしたち」にした。
・+は漸増法(だんだん読み手が増えていく)
・「のびる のびる」は元気よく読む。
★読み手
小学校1年〜6年まで各学年10名程度の小規模校
★脚本
ソロ(代表児童) 竹のように 竹中 郁
____________________________________
◆ 書籍・CD紹介 「楽しい群読脚本集」 家本芳郎著 高文研
日本群読教育の会常任委員 深沢英雄先生
____________________________________
本の紹介コーナーも3回目となりました。
『合唱・群読・集団遊び』は、群読の教育的意義が書かれています。『群読をつ
くる』では、群読の歴史、理論が述べられていました。
「群読の意味、意義はわかったので、群読をやってみたいけど、どうやってや
ればいいか分からない?」という方にお勧めが「楽しい群読脚本集」です。
家本先生が全国各地で教師対象の群読実技講座、ワークショップを開く中で
使われたテキストの中身がこの本に詰まっています。
私も、家本先生に来ていただき、神戸で3回の群読講座を開催した経験があ
ります。その時の脚本も入っています。
読み手、演出ノートなど初心者にも分かりやすく書かれています。まずは、
この本を手にとって、教室で子どもと楽しく群読をはじめてみませんか。
____________________________________
◆群読講座を開きます。ご希望がありましたらお知らせください◆
____________________________________
★日本群読教育の会では、群読の普及活動の一環として群読学習会を開いてい
ます。群読学習会の開催ご希望のときに講師を派遣します。
、
講師派遣につきましては、講師の交通費・宿泊費の実費のみ現地でご負担く
ださい。会員の方で地域サークルや校内研修会での群読学習会をご希望の方は
事務局までお知らせください。詳細をご連絡します。一緒に楽しい群読学習会
を開いてみませんか。
申し込み先 重水 健介 日本群読教育の会事務局 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp
●このメールを返信しても届きませんので、お間違えのないようお願いします。
____________________________________
◆事務局より◆
____________________________________
◆「会員からのお便り」のコーナーを、会員みなさんの声でいっぱいにしたい
と思います。「会報届いたよ」の声とともに、みなさんの近況や会報の感想
などお寄せください。なお、会報掲載時に匿名希望の方はその旨(ペンネー
ムでも結構です)もお知らせください。
◆群読・朗読にかんするお尋ねや指導上の悩みや質問点がありましたら、群読
Q&Aのコーナーで取り上げます。お知らせください。
◆群読の実践や自作の群読脚本をお送りください。会報でご紹介し、実践研究
を交流したいと思います。
◆群読でこんなことをやってみたという実践をお知らせください。概要の紹介
でもけっこうです。短くてもかまいません。取り組む子どもたちの様子や、
発表者や参観者の方々の反応など、お知らせください。
◆「会員からのお便り」のコーナーを、会員みなさんの声でいっぱいにしたい
と思います。「会報届いたよ」の声とともに、みなさんの近況や会報の感想
などお寄せください。なお、会報掲載時に匿名希望の方はその旨(ペンネー
ムでも結構です)もお知らせください。