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 日本群読教育の会 会報 66号          2005.11.25
    
        日本群読教育の会HP  http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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 ☆目次☆ 
      ★ 家本先生 ありがとうございました        
      ★ 随想「SOSの受信」           塚田 直樹さん
      ★ 会員のみなさんからのお便り
      ★ 冬期研修会のお知らせ     
      ★ 今月の群読 詩「そら」
      ★ 群読Q&A「学期まとめの群読」      毛利  豊さん
      ★ 本会メーリングリストのご案内
            ★ 家本先生の群読DVDのご案内(再)
      ★ 事務局より
      
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 ◆家本先生 ありがとうございました◆            重水 健介
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    会員のみなさま、お元気ですか。学期末が近づき、ますますご多忙な日々を
 お過ごしのことでしょう。
  先日、本会会長の家本芳郎先生より、ご引退のご挨拶が会員のみなさまのと
 ころに届いたことと思います。それぞれにいろいろな感慨をお持ちのことでし
 ょう。
  わたしは、新任の頃から家本先生に憧れ、ご一緒できる機会をなるべく多く
 持たせていただきながら、先生から教師のしごとにとどまらず、世の中のとら
 え方、人としての生き方についてまで、あたたかく深くそしていつも親切にご
 指導いただきました。
  群読の世界についても、楽しく、鋭くそしてわかりやすく教えていただき、
 大いに学級・学年・学校のあらゆる面で活用してきました。
  家本先生には、お礼の言葉をいくら申し上げても言い尽くせるものではあり
 ません。心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
  これからは、わたしたち会員の力を結集して、さらにこの会の活動を盛り上
 げていきたいと思います。「声を出しあって表現する能力」は基礎学力だとい
 うことを念頭において、みんなで自信をもって楽しくとりくんでいきましょう。
  つねに入門者を大切にしながら、研究・実践を積み重ね、日本群読教育の会
 を、さらに大きく充実した会にしていきたいと思います。
  今後とも会員のみなさまの格別のご協力をお願いします。    
                        
                   日本群読教育の会事務局長 重水 健介

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 ◆随想 「SOSの受信」 ◆             塚田直樹@群馬さん
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   先週、市の社教センターで、県の就学啓発大会が開かれた。特別支援教育の
 講演会が終わりロビーへ出ようとすると、隣市の小学校で情緒学級を担当して
 いる同級生とばったり遭遇。
 「電話しようと思ってたんだ。時間ある?」
  会場の片付けも手伝わずに、話を聞くことに……。
  今年度、3人の「情緒障害」のある子たちがやっと落ち着いて学習できるよ
 うになった所へ、かなり相性の悪い子が転校(学区外通学)して来たようで、
 かき回されてしまっているという。
 「それだけなら我慢できるんだよ〜」
  話は続く。校長さんが市教委に頼んで来てもらった年配の介助員さんが、全
 くの素人で、子どもにうまくかかわることができず、足手まといになってしま
 っているという。
 「頑張ってるよなぁ」「よく身体持つよなぁ」と、話に感心して頷くだけで、
 小一時間が過ぎてしまった。
 「ね、どうすればいい?」そう尋ねられても、特別な支援が必要な子4人に
 加え、介助員さんの「面倒」まで見ている現状改善のための妙案は出てこない。
  子どもが教室から飛び出したときなど、何かあればインターホン一本で、管
 理職が飛んできてくれる体制になっているらしいが、子どもが連鎖的に「パニ
 ック」を起こすこともあり、能力の限界があるという。
 「難しいなあ。ホント、よくやってるよ」と、いい加減な労いの言葉しかか
 けることができなかったが、「忙しいのに、聞いてくれて有り難ね。あ〜、少
 しすっきりできたわ」と、笑顔になってくれたのが救いだった。

  自分も障害児学級の担当となった年、職員室でも、家庭でも、話を受け止め
 てもらえないまま、どこにもぶつけようがなかった「もの」を吐き出す相手を
 探し求めていたのを記憶している。
  全国に同様の問題を抱え、支援も受けられず、相談する相手もいずに苦しん
 でいる教員がいるはずと思い、「特別支援教育ネットワーク」なるML(メーリ
 ングリスト)を発足した。 http://www.geocities.jp/ryomonet/tsk-n.htm
  幸いこのML仲間に、心強い方がいらしたため、うまくいくことを願い、彼女
 へ次のメールを送ることができた。
 
 《お早う。先日はコーディネート依頼をどうも! 附養の○○先生@特別支援
 教育サポートセンターはいかが? 「依頼があれば県内どこにでもでかけます。
 授業参観,面談(担任,保護者,管理職),アセスメント,教材づくりのお手
 伝い,授業への参加などなど何でも屋です」と、心強いお言葉です。……》

  一人じゃできないこともある。だからこそ、つながりを大切にしていきたい。

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 ◆会員のみなさんからのお便り◆
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 ●東京大会も成功させましょう           神奈川 山口 聡さん
  会報65号、ありがとうございました。みなさんが全国で活躍しているよう
 すがよく分かりました。来年の東京大会も成功させましょう。

 ●全国に響け「群読」           ほんの森出版 兼弘 陽子さん 
  65号ありがとうございました。いつも本当にご苦労さまです。
  来年の大会はお台場ですって? 会場は小学校と知って納得しましたが、お
 台場に響く群読なんて、なんだか華々しくてステキですね。24時間TVでも
 取材にきてくれないかなあ。ますます群読が全国に広がって、ヨサコイソーラ
 ンみたいに、各地で若い人が自主的な大会を開いたりすると楽しいですね。
  盛会を期待しております。お礼まで。

 ●「雨ニモマケズ」を群読で           久喜市 鈴木 京子さん
  会報65号ありがとうございます。「雨ニモマケズ」を群読で表現する指導
 案ですが、なんとかできあがり、研究発表会に向けてカウントダウンとなりま
 した。
  家本先生の脚本を拝見し、「雨ニモマケズ」は群読にはなじまない、むしろ、
 朗読で表現する方がよいのだろうか・・・・と迷いました。色々考えた結果、
 あまり群読のスキルにこだわり過ぎないようにして取り組むことにしました。
  宮沢賢治の生きかたや考え方、「雨ニモマケズ」を綴ったころの状況につい
 て話し合った後、賢治がどんな思いで、この詩を綴ったのか考えさせることに
 しました。
  そして賢治の思いに共感し,賢治の心を群読で表現できたらと考えました。
  11月8日の研究授業が終わりましたら、指導案を添えて授業の様子を報告
 させていただきます。ではまた。        

  ●よろしくお願いします                工藤 良信さん
  昨年入会させていただいてから毎回楽しみにしています。群読の楽しさやす
 ばらしさをぜひ子どもたちにも経験させたいものだと、日頃から機会を見つけ
 ては取り組んでいるところです。心を一つにして取り組めた感動や楽しさを
 ぜひ子どもたちにもと思い、少しばかりの実践ですが行っているところです。
  今後ともよろしくお願い致します。

 ●よろしくお願いします              三重 伊藤 泰さん
  週3時間の時間で楽しく学習する方法の一助になると思い一緒に学習させ
 てください。今後ともよろしくお願いします。

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 ◆日本群読教育の会・冬期研修会のお知らせ◆             
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  日本群読教育の会では、夏に全国大会、冬に群読にかんする研修会を開催し
 ています。今年度は、下記の要領で冬期研修会を開きます。
  昨年は、会務についての話し合い・物語にかんする学習(家本先生の講座)
『ふたり読み』の録音という内容で実施しました。

  今年は下記のように計画しています。会員の方ならどなたでも参加できます。
  みなさまの多数のご参加をお願いいたします。交通費につきましては、個人
 負担とさせていただきます。ご了承ください。なお夕食は当会で負担します。
  参加希望の方は、重水まで「群読冬期研修会に参加する」とメールしてくだ
 さい。11月中にお願いします。

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       日本群読教育の会 冬期研修会のご案内

 ★日時 2005年12月23日(金)休日 14:00〜21:00

 ★場所 「『神楽坂メゾン』2F・スキャットセミナールーム」
    *所在地:東京都新宿区天神町63
    *JR山手線の円のほぼ中心点。地下鉄東西線「神楽坂」駅の出口2
     から徒歩4分。地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅の出口2から徒歩6分。
     長崎チャンポンから4軒目。6階建ての古いビルの2階。1階は黒い
     外装の茶房。
    *会場近辺の地図を添付しましたのでご参照ください。
  
 ★内容 ◆会務についての話し合い 14:00〜16:30 
      ・役員構成
      ・出版計画
      ・会の財政
      ・新部署「資料部」設置
      ・東京大会について
    
     ◆学習@ 入門講座    16:30〜17:30     
      夕食          17:30〜18:30  
     ◆学習A 中級講座    18:30〜19:30

 ★対象  日本群読教育の会の会員 

 ★お願い 参加を希望される方は「参加する」と重水までご返信ください。
      役員(常任委員・事務局員)の方は「参加」「不参加」の返信を
      お願いします。いま、11名の方からご返信をいただいています。



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 ◆今月の<群読> 詩「そら」 柴野民三◆
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  家本芳郎先生から群読脚本をご提供いただきました。ありがとうござい
 ます。
  会員のみなさんも、ご自身で脚本をつくられた脚本を事務局までお知ら
 せください。 


 ★詩「そら」 柴野民三

<読み方>
  ひろい空を読んだ詩。自然への畏敬の念をユーモラスに、リズミカルに表
 現している。
 



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 ◆本会メーリングリストのご案内◆
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  日本群読教育の会のメーリングリストについてお知らせします。大分の首藤
 先生にお世話いただいています。気軽に、群読や朗読について、あるいは教育
 にかんするいろいろなこと、近況報告などメール上で情報交換できます。
  
  メーリングリストに加入後希望の方は、本会事務局次長の姫野賢一先生まで
「日本群読教育の会のメーリングリストに加入希望」とメールしてください。

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 ◆ 群読Q&A ◆      回答 日本群読教育の会 副会長 毛利 豊先生
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Q 小学校6年生の学級担任をしています。2学期のまとめの会を計画していま
 す。その中で2学期をふりかえった群読みんなで発表させたいと思っています。
  ちょうどその日が授業参観日なので保護者のみなさんにもみてもらいます。
  どのように脚本を作って、どんな点に留意して指導すればいいでしょうか。
  そして、参考になるような脚本がありましたらご紹介いただくと助かります。
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A 中学校で国語科を担当してる毛利と申します。中学校でも行事や授業で群読
 をしますが、小学校ではまとめの会や授業参観や学習発表会は年中行事として
 設定され、保護者も多く参観に来られるので、それを活かすというのはたいへ
 んアプローチしやすい、よい場面設定だと思いました。
  さて、脚本づくりですが、「誰」が、「何」を題材に、「どのように」作る
 かという問題があります。
  まず、「誰」ですが、教師でも子どもでも教師と子どもの合作でもかまいま
 せん。子どもという場合でも一人の才能のある子ども・リーダー集団・学級全
 員でとさまざまです。小2の子どもが興に乗ってわずか15分で「かさこじぞ
 う」の脚本を即興で作ったという事例(註1)もあれば、中1の学年集団で脚
 本をこね回して予餞会で発表したという事例(註2)もあります。
  その他さまざまです。(註3)要は、子どもの状況と、先生の好みの問題と
 いうことになると思います。
  次に、「何」ですが、すでに「2学期のまとめ」と大筋は決まっているよう
 です。しかし2学期の「何を取り上げるか」です。学級集団の前進の画期にな
 った出来事、初めは上手くいかなかったけれどもみんなの頑張りでついには成
 功した出来事、みんなにとって印象深かった出来事を中心にし、事件を歴史に、
 歴史をストーリーにしていくとよいでしょう。その中で体験は経験に、経験は
 教訓へと昇華するに違いありません。「反省」などは中心に置かず、元気を引
 き出して3学期にはずみをつけたいものです。
  さらに、「どのように」は、全員から盛り込むべき事件名を挙げさせ、その
 配列(時系列か・因果関係列か・分野別発展性か)を考え、全体のプロットを
 まず作るというやり方があります。その後、班ごとに分担して素案を作りそれ
 らを合体してさらに修正や推敲を加えるというのはどうでしょうか。
  音読効果を考えるなら、初めから五七調で書かせるとか、全体を貫いてくり
 返し出てくるオノマトペ(擬音語・擬態語)やキイワード・キイセンテンスを
 入れると、リズム感のある心地よい脚本になります。
  読み手が学級全員が同じほどの出番になる脚本にしましょう。特にソロの部
 分です。わが子がその他大勢のコーラスだけというのは、保護者としては納得
 がいかないものです。どの子にも出番のある脚本づくりを心がけてください。
  なお、本会から出ている『(正・続)いつでもどこでも群読』(高文研)に
 は、具体的な制作過程やその結果できた脚本がたくさん収録されています。
  イメージがふくらみますので、ぜひ、ご一読をお薦めします。
 
 (註1)『(正)いつでもどこでも群読』(高文研)川崎瑞枝先生の実践
 (註2)  同  上              毛利 豊  の実践
 (註3)  同  上              姫野賢一先生の実践


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 ◆家本先生の群読DVDのご案内(再)  残数 わずかになりました。              
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   家本芳郎先生の群読講座「群読を楽しむ」のDVDをご紹介します。
  内容は下記のようになっています。

 ★ 群読について 
 ★「地引き網」の群読 
 ★ 言葉入門指導
 ★「おむすびころりん」の群読 
 ★ 江戸時代の群読 
 ★「らいおん」の群読
 ★「祭りだ わっしょい」の群読
  
   栃木県でおこなわれた栃木教育祭での800人の大群読のDVDです。
    両毛群読教育の会によって製作されました。群読の意義、技法の説明、群読
  をつくっていく指導場面が収録されています。

  わたしは、このDVDを繰り返し視聴しながら、思わず一緒に声を出し、群
 読の世界へ引き込まれてしまいました。
 「群読とはどんな活動かな」「学校や地域で群読をやってみたいな」「群読を
 やってみたいのだが、どう指導したらいいのだろう」と、群読に関心をお持ち
 の方におすすめしたい貴重なDVDです。ぜひ、お手許に置き、ご鑑賞ご活用
 いただきたいと思います。

 ◆このDVDは非売品ですが、会員の方にのみ1500円(送料別)で領布し
 ます。在庫があと10部あります。ご希望の方は、DVDの郵送先と「家本先
 生のDVDを希望」とお書きいの上、重水 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp まで
 ご返信ください。折り返し、振り込み先をご連絡します。

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 ◆事務局より◆
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 ◆群読の実践や脚本をお送りください。会報でご紹介します。

 ◆群読・朗読にかんするご質問や指導上のご相談がありましたら、群読Q&A
  のコーナーで取り上げます。お知らせください。
  
 ◆「会員からのお便り」のコーナーを、会員みなさんの声でいっぱいにしたい
  と思います。会報は会員のみなさんに一斉送信していますが、無事届いてい
  るか心配になることがあります。「会報届いたよ」の声とともに、みなさん
  の近況や会報の感想をお寄せください。なお、会報掲載時に匿名希望の方は
  その旨(ペンネームでも結構です)もお知らせください。
 
 ◆メールアドレス変更の際は、新アドレスをお知らせください。