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 日本群読教育の会 会報 60号          2005.5.25


       日本群読教育の会HP  http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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 ☆目次☆
 
      ★随想                 河野 邦房さん
      ★会員からのお便り・近況報告      脇田 武志さん 
                          兼弘 陽子さん
                          山中 伸之さん
      ★富山大会情報             大会実行委員会
      ★群読・朗読資料紹介          坂尾 知宏さん
      ★群読Q&A 松本 順子さん
      ★群読無料講座のお知らせ
     ★事務局より
 
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 ◆随想 「杵築の町」  ◆               河野 邦房さん
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 5月、新しいクラスがスタートして1ヶ月がたった。少し前、新しい友だち
に新しい教室で、ちょっとおすましでおりこうさんだった3年生。しかし、こ
の時期子どもたち一人ひとりが、いわゆるギャングエイジののびのびした姿と、
多くの友だちとのキラキラした関わりを見せ始めた。
 
新校舎建て替えのため、図工室を仮教室にしている3年1組。教室も広いし、
子どもたちが「秘密の部屋」と言っている準備室がある。教室の前には、物置
部屋と化したホールもあり、休み時間のちょっとした遊び場には事欠かない。
 そんなあちこちから、真下の職員室に響いてくる様々な子どもたちの声や音。
 初めて吹くリコーダーのアンサンブル。♪「ソラシーラソ・・・」
 
音楽でやったチャルメラの音だ。手遊び歌をまじえた「茶つみ」の歌。
「最初はグー、じゃんけんポン!」何かのゲームが始まる合図か?そんな中、
声を合わせた「かえるのぴょん」が聞こえてきた。国語の導入に群読として取
り組んだものだ。授業始め、私が「かえるのぴょん!」といきなり声を発する
ことがある。と、すかさず、「とぶのがだいすき」子どもたちのカエルのコー
ラスが教室中に響き渡る。子どもたちは「かえるのぴょん」が大好きだ。

ちょっとした繰り返しと漸増がはいったテンポの良い夢のある明るい詩。
 全身でリズムをとり、友だちの声と自分の声が合わさる喜びを感じている。
 年度はじめは、勢いのあるこんな群読から始めるのがいいと思う。
 今、少し長いが「教室はまちがうところだ」の群読に取り組み始めた。
 この詩は、1年間かけてクラスの合い言葉のように取り組んでいきたい。
 
また、総合学習の校区探検で、子どもたちの発見からつくった「杵築の町」
群読にも取り組んでいる。私の勤務する学校は、小さな城下町の武家屋敷の真
ん中にあり、目の前にはカブトガニが住む大きな干潟が広がる。子どもたちの
発見した杵築の町の様子を「さよなら三角また来て四角」風に、わたりの技法
的に子どもたちと遊びながらつくってみた。

 さよならバイバイまた来てきつき    きつきは城下町
 城下町は武家屋敷           武家屋敷は大原邸
 大原邸はわらぶき           わらぶきは古い
 古いは石畳              石畳は堅い
 堅いはカブトガニ           カブトガニは干潟
 干潟は潮干狩り    潮干狩りは観光
 観光は杵築城             杵築城は石垣
 石垣は酢屋の坂            酢屋の坂はあやべみそ
 あやべみそは4代目          4代目は長い
 長いは白壁              白壁は藩校の門
 藩校の門は杵築小           杵築小は3の1
 3の1は元気             元気はみんな おー!

 班ごとに掛け合いをしたり、ソロとコーラスで掛け合ったりしている。3年
生でも「さよなら三角」を使えば、いろいろな行事の様子や学習したもののま
とめなどをつくることができる。今年もいろいろな群読に子どもたちと挑戦し
てみようと考えている。


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 ◆会員からのお便り・近況報告◆                 
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★学年びらきで群読をしました★          鹿児島 脇田 武志さん
 はじめまして鹿児島の天保山中学校・脇田と申します。
 昨年3月に群読の本に出会い、2年生の学年開き集会の時、職員6名で進級
を祝う群読を初めて試みました。私の提案に職員も賛同してくれて、BGMも
入れ前日放課後にみっちり?練習をし臨みました。教師のパフォーマンスに子
どもたちは大喜び、和やかなムードで1年のスタートと切ることができました。
 また、昨秋の文化祭では2年生100名全員で群読、劇、歌をミックスした
平和の構成劇を行い、保護者や教師に大好評を得ることができました。
 もちろん、演じた子供達も達成感のある大満足の行事となりました。
 そして、今年度その子どもたちを持ち上がり3年生へ。先日の学年開きの集
会でも教師による群読を行い新年度をスタートしました。
 今年も群読を取り入れた文化祭の出し物を学年でやろうと盛り上がっていま
す。群読っていいですね!


★大会成功をお祈りします★          ほんの森出版 兼弘陽子さん
 いつもありがとうございます。富山大会の成功をお祈りいたします。


★また群読に挑戦しようかな〜?★         栃木 山中 伸之さん
 この会に入れていただいて、右も左も上も下も分からないうちに『いつでも
どこでも群読』に実践を載せることになってしまいました。それまで、多少の
群読の実践はあったものの、自分で脚本を作ったのは初めてのことでした。
 そのとき、一緒に群読をやってくれたのが前任校の3年生でした。
 この4月に勤務校が変わり、何とまた3年生の学級担任となりました。数年
前の群読の実践を思い出して、また群読に挑戦してみようと思っています。
 今後は単発の実践ではなく、学級経営の柱の一つになるくらい取り組んでみ
ようと思っています。
 今、いろいろとプランを練っているところですが、プランを練っているとき
って楽しいですね。


★年度始めに群読をしました★          本会会員・匿名希望さん 
 みなさん、こんにちは。今年、転勤しました。800名の大規模校から、一
学年70名の学校になりました。年度はじめの学年集会では、「出発するので
す」という詩を、学年生徒と教師で分担して群読しました。月に1回学年集会
を開く予定ですが、毎回1つずつみんなで群読をやっていけたらいいなと思い
ます。富山大会には参加します。楽しみにしています。     


※お便りをお送りください
 会報の感想やみなさんの近況報告をお送りください。35字×30行以内で
す。短くても長くてもかまいません。気楽にお書きください。「会員からのお
便り」コーナーを会員相互の交流の場・情報交換のページにしたいと思います。
匿名希望でも結構です。その旨お知らせください。よろしくお願いします。

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 ◆全国大会(富山大会)情報◆           富山大会実行委員会
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★大会実行委員長 毛利豊先生より 全国のみなさんへ

「今年の夏は、富山です!みんなで集まって群読の楽しさを学び合いましょう」

 2003年の湯布院での第2回大会、昨年の第3回東京大会を受けて、今年
2005年度は、大自然が豊かな富山での研究集会です。年を追うごとに参加
者が増え、内容も充実し楽しくなってきました。
 現在、高校方面は、増田恵美子先生を中心に演劇部・放送部の総会でビラの
配布をしていただいています。また国語科教師へは、高校教育研究会の部長さ
んたちが全員に配布してくださっています。
 中学校は、中学校教育研究会の国語部会でやはり配布の手配が進んでいます。
小学校は数が一番多いのですが、まだ配布のめどが立たず、方法を模索してい
ます。
 県外では、全国生活指導研究協議会の全国委員会でビラを配布済みです。
さらに近県の支部にも個別に働きかけています。
 今後は小学校現場に行き渡る工夫を急ぎ、地域の各種団体にも今月中に参加
要請をします。
 今年の夏は、富山です!みんなで集まって群読の楽しさを学び合いましょう。
 お待ちしています。


★講師団研修会を下記の要領で開きます。

 ●日時:2005年7月2日(土)午前10時〜午後5時まで。
 ●場所:東京 日本青年会館303会議室 
        東京都新宿区霞岳町15 03-3401-0101
     *JR信濃町駅あるいはJR千駄ヶ谷駅,地下鉄銀座線外苑前下車。                 
     いずれも徒歩10分。神宮第2球場と国立競技場の間にある建物。

 ●内容 午前10時〜午前11時 富山大会準備
     午前11時〜午後3時  入門・中級・詩・物語・古典・わらべ歌
                 二人読みの順に学習内容の研修。
     午後3時 〜午後5時  録音作業「群読活動入門」に収録する
                 群読脚本の録音

 なお、会員の方は、この研修会に参加して学習することができます。参加希
望の方は、その旨、事務局の重水までメールでお知らせください。なお交通費
宿泊費は自己負担となります。
 連絡先 重水 健介 日本群読教育の会事務局 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp

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◆ 書籍・CD紹介 ◆  
『自然やいのちをテーマにした本』           坂尾 知宏さん  
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 若葉目にまぶしい5月。自然やいのちの尊さに目を向けたい時期である。
 そこで今月は、自然やいのちをテーマにした本をいくつかご紹介したい。

★「星野富弘全詩集T・U」(学習研究社 T・Uそれぞれ1400円+税)
 2005年4月6日初版。先日、偶然書店で見つけ、手にした本である。
 季節の花々に添えられた星野さんの詩は、私たちをはっとさせることが多い。
 この2冊は、今までの星野さんの詩画集から、詩だけを取り出してまとめら
れている。星野さんの作品を群読化する際には、大変参考になる。

★「子どもとよみたい 輝け!いのちの詩」(小学館 1750円+税)
「いま、きみにいのちの詩を」(小学館 1800円+税)
 水内喜久雄さん編著のシリーズの詩集でそれぞれ、1996年、2000年
初版である。どちらも52人の詩人の作品が載せられており、その中には書き
下ろしのものも多く含まれている。
 「いのち」や「生きる」ということについて、ストレートな言葉で心にうっ
たえる作品満載のシリーズである。
 
★「画文集 太陽のにおい」(理論社 1500円+税)
 椋鳩十さんの文と原田泰治さんの絵がベストマッチの画文集。
 古きよき時代の日本が、歯切れのよい文章で、鮮やかに表現されている。
また、原田さん独特の細かいタッチで描かれた田舎の風景に、心がなごむ。
 群読化には難しい作品かもしれないが、仕事に疲れた時にゆっくりじっくり
読みたいおすすめの本である。
                            

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◆ 群読Q&A ◆
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Q 学級の子どもたちで群読をさせているのですが、なかなか出だしがそろい
  ません。声をそろえていわせるには、どんな指導をすればいいでしょうか。
         (回答  日本群読教育の会副会長  松本 順子さん)

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A 群読での出だしがそろうのは、なかなかむつかしいですね。出だしがあわな
いのは、一人ひとりが分読できまったところだけを読もううとすることが原因
の一つでしょう。だから、読むときには自分の役割だけを読むのでなく、役割
でないところも小さい声で読んでいるようにと指導することが大切です。
 
  そうすれば、仲間との息も合い 出だしが揃うようになってきます。それと、
同時に群読で大切なのは、グループでの話し合いです。
 読み上げる作品(脚本)をみんなで聞きあい、間合いをどうするのかを話し
合って決めておくことです。ここで、息つぎをして、間を一拍とろう、いや二
拍とろうと決めることです。
 
  その時にリーダーが出だしの合図を送ります。初期のころのリーダーは、教
師がやってやりましょう。低学年では、カスタネットやウッドブロックをたた
いて、一拍、二拍の合図を送ることも良い方法でしょう。
 
  また、声を出すときには「声をあわせて」というのでなく「みんなで気持ち
をあわせて」の指導言をつかうようにしましょう。いままで述べたことを頭の
なかにおいて、いろいろな群読に挑戦してみて下さい。
 群読をやることで、みんなで声を合わせることの楽しさが体を通してわかっ
て、群読が好きになるはずです。

※お願い
 群読・朗読にかんするお尋ねや指導上困ったことがありましたら、このコーナ
ーで取り上げます。事務局までお知らせください。


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 ◆無料講座のお知らせ◆
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 新年度になりました。日本群読教育の会では、群読の普及活動の一環として、
無料講座を提供しています。会員のみなさんは、おおいにこの制度を活用して
ください。
 
 経費は不要です。まったくの無料です。参加人数には関係ありません。つい
先日も、高知県から、講座依頼の連絡がきました。会員の方で地域のサークル
や校内研の学習で群読学習をやってみたいという方は、遠慮なく事務局まで申
し出てください。

申し込み先 重水 健介 日本群読教育の会事務局 sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp

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 ◆事務局より◆        
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★大会参加申し込みをしてください
 現在富山大会参加申し込みが12名です。早めに参加申し込みをしてください。
また、各職場、各地域で一人でも多くの方に声をかけ、参加をすすめてください。
 
★アドレス変更のときは事務局まで知らせください