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 日本群読教育の会 会報 50号   2004. 7.19
                  発行者アドレス iemoto@pg7.so-net.ne.jp
           日本群読教育の会HP http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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 ☆目次☆
   会員のみなさん 出番ですよ 第3回東京大会に集いましょう
   新刊の書名決定
   学校研修 群読講座の開催
   群読の研究授業の報告
   群読の脚本づくりの勉強をしませんか
   コラム 前衛的な群読脚本
   第3回 日本群読研究集会のお知らせ
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 ◆会員のみなさん 出番ですよ  第3回東京大会に集いましょう◆
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 会員のみなさん。大会が近づきました。わくわくしますね。
 みなさんにお会いできることが、とてもうれしいのです。

「集う」のは、たしかにてまひまがかかります。いよいよ夏休み、開放されてゆっくりし
たい、というとき、暑さのなか東京まで出かけていって「学習でもないよな」と、そんな
気持ちもわかります。
 しかし、学校という小さい社会から一歩抜け出し、全国のさまざまな地域から集まった
教師と、子どもの気持ちになって詩文を群読する、そんな経験を共有しませんか。
 きっと楽しさとやる気と希望と勇気を持ち帰ることができると信じます。

 参加した会員の方は、ぜひ、わたしに声をかけてください。記念撮影させてください。


 7月29日(木) 東京 日本青年会館 

 申し込み ファックスまたは電話、またはメールにて下記に申し込んでください。

   ァックスまたは電話 046−856−4107(海上和子)
   メール  yama−s@msi.biglobe.ne.jp  (山口 聡)

 定員 約250人。現在 203人が参加申し込みをすませたそうです。
 詳細は末尾に掲載。

 
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 ◆新刊の書名決定◆
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 第3回東京大会記念に刊行する本の名前がきまりました。

 「続 いつでも どこでも 群読」CDつき 2200円。


 「いつでも どこでも」という言葉は、群読教育の会のキャッチフレーズ。この言葉は
残していきたいということで、「続」をつけて刊行することになりました。
 刊行準備に入っている「各論編」も「いつでもどこでも群読シリーズ」にするなど、こ
のことばのように、あちこちに群読の花を咲かせようとなりました。
 なお、大会参加者には、1000円分の図書割引券のサービスが予定されていまーす)



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 ◆学校研修 群読講座の開催◆
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 学校研修 群読講座 
 この二つの研修講座は 日本群読教育の会による無料講座です。参加自由ですが、当該
校の連絡先へ申し込んでください。


 日時 8月2日(月) 9時〜12時
 場所 広島県安芸高田立川根小学校
 講師 家本芳郎
 連絡先 
  731−1801
  広島県高田郡高宮町川根1715−2
  濱野 梢(はまのこずえ)先生
  0826−58−0600
  携帯090−4890−2191
  ptela@indigo.plala.or.jp

 日時 8月3日(火) 9時〜12時
 場所 広島県府中市立明郷小学校 
 講師 家本芳郎
 連絡先 竹原先生
Tel(0847)41-2383
〒726-0027 広島県府中市篠根町661番地
  E-mail meikyou-shou@edu.city.fuchu.hiroshima.jp
  URL   http://www.edu.city.fuchu.hiroshima.jp/~meikyou-shou/


 日本群読教育の会では年間15講座の無料群読講座を会員へ寄付しています。
学校研修・市民講座・サークル・組合研修などにご利用ください。早いもの順です
 講師には当会の講師団が参ります。入門・中級・詩・物語・古典・わらべ歌・ふたり読
みなど、講座内容についての希望も受け付けています。


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 ◆群読の研究授業の報告◆
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 ★じつにユニーク、2学級合同での研究授業★

 以下は東京都町田市立鶴間小学校の群読の授業案です。鶴間小では5,6年生が高学年
部会として校内研究グループをつくり、研究しています。そのなかで、5年生の2学級が
合同で群読の研究授業をしました。

 研究授業というと、1つの学級で実施というイメージがありましたが、2つの学級が合
同でおこなうという方法は、新鮮で、これからの授業研究の方向を示唆するものだと感心
しました。1人での研究授業だと負担も大きいのですが、2人でやるのですから、いろい
ろ話し合いながら楽しく実施できます。

 実際、研究授業はすばらしく、子どもたちの自発的な生き生きした群読発表と批評グル
ープによる的確な感想発表に驚嘆しました。

 ★足し算読み・引き算読み★

 群読の読み方の技巧も子どもたちによく浸透していて、教材は「雨」でしたが、乱れ読
み、追いかけ、平行読み、BG読み、それに、「足し算」「引き算」という独特の用語を
発明し、駆使していました。
「冒頭の8回の『あめ』を足し算読みしていてよかったと思います」
 こんな感想が発表されていました。
「足し算」とは漸増法、「引き算」とは漸減法のことです。小学生には「足し算」「引き
算」がぴったりだと、これも感心しました。この用語は今後、流行りそうですね。


 ★授業案★

<研究主題>進んで学ぶ子を育てる

<高学年副主題> 豊かな表現活動をめざして

1、研究主題との関わりについて
 高学年になると自分の趣味・興味が広がり、深まるころとなる。個人差はあるが読書量
は増え、各分野における「専門家」が出現する。同時に、友だち関係のなかで自分を見つ
め、集団のなかでの評価が気になる。それは「ことば」等によるコミュニケーションを中
心に展開される。また、日常の生活や学習は子どもたちの表現活動によって成立していえ
る。
 高学年ともなると全校の前で話す機会が増える。そこで自己をどう表現するか、効果的
にどう伝えるかが課題ともなる。

 以上のような問題意識とともに、今年度の学校行事を考えると、運動会、林間学校、移
動教室、学芸会、音楽会、そして最後の授業としての卒業式と子どもたちの表現活動の機
会は多い。そのようの機会を「豊かな表現活動」と位置づけ、目的意識的に取り組むこと
とした。
 「豊かな表現活動」は、今日の国際化社会からの要請でもあり、人間関係を深め、豊か
に成長するための子どもたちの問題でもある。

 目前の運動会での発表にあたっては学年でみんなの前で、ゆっくり、はっきりと話すこ
とを指導した。あわせて国語の朗読、群読を指導することを年間通して行うこととした。

 朗読は、大きな声で読むことからスタートするが、朗読が好きな子どもが多い。作品の
朗読は作品解釈の自己表現であり、作品鑑賞ともなる。それは、子どもの内部世界を広げ、
集団に向かって自己を解放し、主張することともなる。
 群読は分読を前提に成立する。誰がどこを読むか、何人で読むかなどを決め集団で読む。
そのことは集団による作品解釈であり、鑑賞であり、友だちと心を合わせて成し遂げる表
現活動である。

2、研究経過・計画
<1学期>  研究計画・運動会・朗読・群読・研究授業
(1)研究テーマ・計画の策定・・・子どもの様子、年間の教育活動などから 「豊かな表現
活動をめざして」と決め、年間計画を立てる。
(2)運動会での「うた」「ことば」「応援」等の指導
(3) 朗読・群読への取り組みと研究授業  
(4)林間学校への取り組み

<2学期>  学芸会・音楽会
(1)移動教室への取り組み 
(2)林間学校・移動教室の発表
(3)学芸会・音楽会
(4)朗読・群読へのとりくみ

<3学期> 総合「地域発見」・卒業式・まとめ
(1)総合の地域発見への取り組み
(2)朗読・群読への取り組み
(3)卒業式での自己表現
(4)研究のまとめ


★第5学年国語科学習指導案★

        平成16年6月30日(水)
        町田市立鶴間小学校 第5学年1組33名 2組33名
       授業者 諏訪部節子 内海 ゆか

1. 単元名 楽しく群読しよう
教材名 山田今次作 詩「あめ」

2. 単元の目標
◎ 友達と声を合わせる楽しさを味わい、進んで群読しようとする。
 ○詩の情景や詩から感じたことを聞き手に伝えるには読み方をどのように工 夫すれば
  よいか話し合う。
◎ 詩の情景や詩から感じたことが聞き手に伝わるように群読する。
 ○ 語感、言葉の使い方などに関心をもつ。

3. 単元のとらえ方
(1) 児童の実態
 明るく素直で全体的には活発だが、自分の考えを発表する場面では、消極的な児童も多
い。しかし、音読は好きな児童が多く、みんなの前で積極的に読もうとする。
 物語『新しい友達』では、学習の最後に、好きな場面を選び、音読発表会をした。物語
全文を暗唱できるほど読み込んだ児童もおり、会話文だけなく、地の文の読み方にも工夫
がみられる児童がかなりいた。
 「詩を味わおう」の単元では、群読という読み方について紹介した。役割を決め、練習
し、声を合わせたときの楽しさに気付いた様子だった。
(2) 教材について
 群読は、一人読みでは気付かなかった作品の感じ方やよさを発見し、新たな音声表現の
広がりやおもしろさを発見できる読み方である。また、群読の中で大きな声を出すうちに、
一人で大きな声を出すことに抵抗感がある児童も、だんだん一人で大きな声が出せるよう
になるという利点もある。
 高学年になるにつれ、改まった場で大きな声を出すことに抵抗感を感じ始める児童も多
くなる。5学年のこの時期にこそ、群読を通し、声を出して読むことの楽しさが益々感じ
られるようにさせたい。
 「あめ」は、恵みの雨ではなく、戦争による貧しい暮らしをたたきつけるような激しい
雨の様子を歌った詩である。しかし、全体の雰囲気は暗いものでなく、むしろ、それに向
かって負けずに生きようという力強さが感じられる。
 ほったて小屋を容赦なく打ち続ける雨、そして暮らしをびしびしたたきつける雨のイメ
ージが、今この詩を受け止める児童のイメージとどのように重なっていくのか、異なって
いくのか。そして、児童なりに感じたことを群読の中でどう表現していくのか。作品に出
てくる繰り返しの言葉のおもしろさや日本語のもつ独特の響き、リズムなどにも目を向け
させ、詩のもつイメージを広げさせたい。
 そして、群読という読み方を通して、一人読みでは味わえない表現の楽しさを味わわせ
ることを大切にしたい。

4. 指導計画(4時間扱い、本時4時間目) 学習活動と指導内容・教師の支援

1時 「あめ」を音読して、初発の感想をもち、詩の情景を思い浮かべる。
     各々の言葉(繰り返しの言葉やリズムなど)に注目して、読む。
     各グループで話し合い、群読のめあてを決める。
     一人一人、自由に感想をもたせる。
     詩の中の言葉を拾いながら、雨のイメージや情景を一人一人に感じ取らせる。
     十分に話し合わせてから、めあてを決めさせる。

2時 グループごとに群読の計画を立て、詩の情景や詩から感じたことが聞き手に伝わる
   ように工夫しながら、台本を作る。
   どんな点に注意して読み、どんな表現方法がよいかを考えさせ、台本を作らせる。

3時 台本をもとに、演出(抑揚、強弱、繰り返し、掛け合いなど)を工夫しながら、グ
   ループごとに練習し、修正、練習を繰り返す。
    音読記号などを使い、めあてが伝わるように読む工夫をさせる。
    工夫しているグループがあれば、必要に応じて紹介する。
4時 1、2組合同で発表会をする。
    発表を聞いて、感想をもつ。
    めあてを言ってから、発表させる。
    各グループのよい点を見つけさせる。

5 本単元及び本時の工夫
   5学年では、分科会主題に迫るため、国語科では、音読から朗読へとつなげる指導
   に重点を置き、次のような学習活動を取り入れている。
    @初発の感想をもつ。  
    A心に残る表現を見つける。
    B情景や様子、登場人物の心情、自分が感じたことなどが聞き手に伝えられるよ
     うに、読みのめあてをもつ。
    C音読記号などを使い、作品の余白に、読むときの工夫を書き込む。
    D繰り返し、読む練習をする。
    E友達、家族、先生に聞いてもらう。
    F友だちなどの感想を読みに生かす。
    G発表会をする。
   本単元でもこの流れで群読に取り組む。

6 本時の学習
(1)目標
    グループで協力しながら、進んで群読しようとする。
    グループの発表を聞き合うことにより、群読の楽しさを味わい、群読や朗読に対
    する関心を高める。
     詩の情景や詩から感じたことが聞き手に伝わるように群読する。
(2)展開 学習活動
1.「あめ」の群読発表会をする。
  a グループごとに、自分たちが決めた群読のめあてを発表してから群読する。
  <教師の支援> 
   群読のめあては、「□の感じが出るように、□のところは、□のように読みま
     す。」のように、聞き手に分かりやすい表現をさせる。
   <評価>
    グループで協力しながら、進んで群読しようとしたか。
    詩の情景や詩から感じたことが聞き手に伝わるように、群読することができたか。

  b 各グループの発表が終わるごとに、そのグループの群読について、簡単な感想
    を言う。
<教師の支援>
よい点に目を向けさせる。
感想は、グループ単位で言うが、どのグループの感想をどのグループ が言うか
    は、発表会開始前に、あらかじめ確認しておく。

2「もう一度聞きたいグループ」を選び、選ばれたグループが群読する。
<教師の支援> 
グループごとにもう一度聞きたいグループを選ばせ、票数が多かったグループに、
   もう一度群読させる。
児童が見過ごした優れたグループがあったら、授業者が評価する。
<評価>
グループの発表を聞き合うことにより、群読の楽しさを味わい、群読や朗読に対
    する関心を高めることができたか。

7.参考図書・紀要
『家本芳郎と楽しむ群読』家本芳郎編集・解説  高文研
平成7・8年度稲城市教育委員会教育研究奨励校研究紀要/稲城市立稲城第二小学校

 ★6年生の取り組みについて★

1、学校行事への取り組み
(1)入学式での「歓迎のことば」は代表委員を中心に行われた。大勢の前で発表するこ
と自体、勇気のいること。何度かの練習で本番に臨んだ4人の子どもは、立派に成
   し遂げた。
(2)運動会では、「うた」「ことば」「応援」などそれぞれの担当の指導 のもとに展
開された。学年では、組体操のナレーション、スローガンの発表、児童代表のこと
  ばを考えさせ、みんなの前でリハーサルし、子どもたちの意見を出させるなどした。
(3)運動会では、自分、友だち発見という観点でも取り組む。子どもたちの作文で、力
   一杯取り組み新たの自分を見つけ、友だちへの心も育ったことが伺えた。

2、朗読・群読への取り組み
(1) 国語教材「森へ」の朗読
  @「大きな声でひっかからないで読む」観点から取り組む。しっかり読める子がいる
    反面、声を出すことに抵抗があるのか、弱弱しい子も多い。
  A審査員を設け、ゲーム形式で行い、子どもものってはいた。
(2)「なまけ忍者」−それは もうひとりのぼくーしょうじたけし作の朗読
  @6年生では「自分自身や友だち、社会を見つめる」という視点から作品を取り上げ
   ることとした。
A朗読の記号〔5年生の学習〕<別載参照>を思い出させ、各自記入し朗読させる。
  B子どもたちはリズムをつけ、歌う感じで読んだりしていた。
(3)「光とかげ」〔与田準一〕の群読
  @道徳の授業で取り上げた作品、群読は初めてなので、読み方の方法を教え、群読に
   ふれさせることがねらいとなる。
  A班全員で読む。感想を言い合い、お互いのいいところを学びあう。

 

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 ◆群読の脚本づくりの勉強をしませんか◆
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 下記の童謡を群読の脚本につくってみませんか。童謡はリズミカルで群読にしやすい教
材です。シンプルに脚色することをお勧めします。 批評してお返しします。
 なお、刊行予定の群読詩集に掲載させていただくこともあります。 

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 ★赤いくつ   作詞者 野口雨情
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   赤いくつ はいてた 女の子
   異人さんに つれられて 行っちゃった

   横浜の 波止場から
   船にのって 異人さんにつれられて 行っちゃった

   いまでは 青い目に なっちゃって
   異人さんの お国に いるんだろう

   赤いくつ みるたび かんがえる
   異人さんに 会うたび かんがえる

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 ★どんぐり ころころ  作詞者 青木存義  
……………………………………………………………………………………

 どんぐり ころころ ドンブリコ
 お池にはまって さあたいへん
 どじょうが出て来て こんにちは
 坊ちゃんいっしょに 遊びましょう

 どんぐり ころころ よろこんで
 しばらく一緒に 遊んだが
 やっぱりお山が 恋しいと
 泣いてはどじょうを 困らせた

……………………………………………………………………………………
 ★ドラえもんのうた 作詞者 楠部 工 補作詞 ばば すすむ
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  こんなこと いいな できたら いいな
  あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるけど
  みんな みんな みんな かなえてくれる
  ふしぎな ポッケで かなえてくれる
  空を自由に とびたいな
  「ハイ! タケコプター」
  アン アン アン とっても だいすき ドラえもん

   宿 当番) 試験におつかい
  あんなこと こんなこと たいへんだけど
  みんな みんな みんな たすけてくれる
  便利な 道具で たすけてくれる
  おもちゃの へいたいだ
  「ソレ! とつげきー」
  アン アン アン とってもだいすき ドラえもん

   あんなとこいいな 行けたらいいな
  この国 あの島 たくさんあるけど
  みんな みんな みんな 行かせてくれる
  未来のきかいで 行かせてくれる(かなえてくれる)
  世界旅行に 行きたいな
  「ウフフフ! どこでもドアー」
  アン アン アン とってもだいすき ドラえもん
  アン アン アン とってもだいすき ドラえもん

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 ★ともだち讃歌(さんか) 作詞者 阪田寛夫
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  一人 と 一人が 腕くめば
  たちまち だれでも なかよしさ
  やあ やあ みなさん こんにちは みんなで握手
  空には お日さま 足元に 地球
  みんな みんな 集まれ みんなで歌え

  ロビンフッドに トムソーヤー
  みんな ぼくらの仲間だぞ
  おひげを はやした おじさんも 昔は子ども
  空には お日さま 足元に 地球
  みんな みんな 集まれ みんなで歌え

  世界の友だち 集まれば
  なんにも おそれることは ない
  行くては アフリカ ポリネシア 緑の森
  空には お日さま 足元に 地球
  みんな みんな 集まれ
  みんなで歌え イチ・ ニッ
  みんなで歌え ワン・ トゥ
  みなで歌え アイン ・ツパイ
  みんなで歌え ウノ・ ドス
  みんな で う た え

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 ★どっこいしょ どっこいしょ 作詞者 サトウハチロー  
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1 どっこいしょ どっこいしょ どっこいしょは だあれ
おつかいがえりで にもつが重い
おうちは まだまだ どっこいしょで どっこいしょ

2 どっこいしょ どっこいしょ どっこいしょは だあれ
たぬきが酒買い とっくりが重い
夜つゆは つめたい どっこいしょで どっこいしょ

3 どっこいしょ どっこいしょ どっこいしょは だあれ
ばあさん じいさん おこしが重い
たばこを いっぷく どっこいしょで どっこいしょ

4 どっこいしょ どっこいしょ どっこいしょは だあれ
ねんねん ころりこ 坊やは重い
泣いては いけない どっこいしょで どっこいしょ

5 どっこいしょ どっこいしょ どっこいしょは だあれ
りすりす小りすの しっぽが重い
せなかに かついで どっこいしょで どっこいしょ

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 ★およげ! たいやきくん 作詞者 高田 ひろお  
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まいにち まいにち ぼくらは てっぱんの
うえで やかれて いやに なっちゃうよ
あるあさ ぼくは みせの おじさんと
けんかして うみに にげこんだのさ
はじめて およいだ うみの そこ
とっても きもちが いいもんだ
おなかの あんこが おもいけど
うみは ひろいぜ こころが はずむ
ももいろ さんごが てを ふって
ぼくの およぎを ながめていたよ

まいにち まいにち たのしい こと ばかり
なんぱせんが ぼくの すみかさ
ときどき さめに いじめられるけど
そんなときゃ そうさ にげるのさ
いちにち およげば はらぺこさ
めだまも くるくる まわっちゃう

たまには えびでも くわなけりゃ
しおみず ばかりじゃ ふやけてしまう
いわばの かげから くいつけば
それは ちいさな つりばりだった

どんなに どんなに もがいても
はりが のどから とれないよ
はまべで みしらぬ おじさんが
ぼくを つりあげ びっくりしてた

やっぱり ぼくは たいやきさ
すこし こげある たいやきさ
おじさん つばを のみこんで
ぼくを うまそうに たべたのさ

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 ★おまつりだ 作詞者 こわせたまみ 
……………………………………………………………………………………

1 お祭りだ おかぐらだ おかめの おめんだ ひょっとこだ
来い来い 見に来い 見に来い 飛んで来い
ぴいひゃら ぴいひゃらら ぴいひゃら どん どん

2 お祭りだ おみこしだ そろいの はっぴだ はちまきだ
来い来い かつぎに かつぎに やって来い
わっしょい わっしょい わっしょい しょい
わっしょい わっしょい しょい しょい

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★おべんとう (合唱組曲「遠足」より)作詞者 阪田寛夫 
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1 ごはんのうえに かつおぶし かつおのうえに またごはん
そのまたうえに かつおぶし かつぶしごはんだ すてきだろ
(すてきだね すてきだ すてきだろう)
どこからたべても でてくるかつおぶし
(すてきだね すてきだね すてきだろう すてきだろう)

2 ごはんのうえに いりたまご たまごのうえに またごはん
そのまたうえに いりたまご いりたまごはんだ すてきだろ
(すてきだね すてきだ すてきだろう)
どこからたべても でてくるいりたまご
(すてきだね すてきだね すてきだろう すてきだろう) 

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 ★おばけなんてないさ   作詞者 槇 みのり
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1 おばけなんてないさ おばけなんてうそさ
  ねぼけたひとが みまちがえたのさ
   *だけどちょっとだけど ぼくだってこわいな
   おばけなんてないさ おばけなんてうそさ

2 ほんとにおばけが でてきたらどうしよう
  れいぞうこにいれて かちかちにしちゃおう
  (くりかえし)

3 だけど子どもなら 友だちになろう
  握手をしてから おやつを食べよう
  (くりかえし)

4 おばけの友だち 連れて歩いたら
 そこらじゅの人が びっくりするだろう
 (くりかえし)

5 おばけの国では おばけだらけだってさ
  そんな話 聞いておふろにはいろう
(くりかえし)

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 ★夕焼け 小焼け   作詞者 中村雨紅  
……………………………………………………………………………………

1 夕焼け 小焼けで 日が暮れて
  山のお寺の 鐘がなる
  おててつないで みなかえろう
  烏と いっしょに かえりましょう
 
2 子どもが かえった あとからは
  まるい大きな お月さま
  小鳥が夢を 見るころは
  空には きらきら 金の星

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 ★あわて床屋   作詞者 北原白秋  
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1 春は 早うから 川辺の葦に
  蟹が 店出し 床屋でござる
  チョッキン  チョッキン  チョッキンナ
 
2 小蟹 ぶつぶつ シャボンを とかし
  おやじ 自慢で はさみを 鳴らす
  チョッキン  チョッキン  チョッキンナ

3 そこへ 兎が お客に ござる
  どうぞ いそいで 髪刈って おくれ
  チョッキン  チョッキン  チョッキンナ

4 兎ぁ 気がせく 蟹ぁ あわてる
  早く早くと 客ぁ つめこむし
  チョッキン  チョッキン  チョッキンナ

5 じゃまなお耳は ぴょこぴょこするし
  そこであわてて チョンと切りおとす
  チョッキン  チョッキン  チョッキンナ

6 兎ぁ おこるし 蟹ぁ 恥ょ(はじょ)かくし
  しかた なくなく 穴へと 逃げる
  チョッキン  チョッキン  チョッキンナ

  しかた なくなく 穴へと 逃げる
  チョッキン  チョッキン  チョッキンナ
…………………………………………………………………………………… 

 童謡は下記にて読む・聞くことができます。このなかからお好きな作品を選んで脚色さ
れてもけっこうです。

 http://www.interq.or.jp/japan/k3j/

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 ◆コラム  前衛的な群読脚本◆
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 下記のような詩がある。


 のぶ子   鈴木 章

 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子
 のぶ子 のぶ子 のぶ子 のぶ子

 書けば書くほど悲しくなる
              (『男の詩集』寺山修司編)


 群読は音声の文化だから、声という音そのものを使った表現はできないだろうか。「の
ぶ子」は、この要求に、ぴつたりした詩である。この詩を用いて「音の詩」に挑戦してみ
た。
「のぶ子」という言葉が四列十二行に書いてある。この配列と同じように、生徒が並ぶ。
 生徒は番号によってあらわされる。同時に、行と列によってもあらわされる。「ア行」
は1〜4番の生徒、A列は最前列の12人の生徒をあらわす。

            A B C D
         ←ア 1 2 3 4
         ←カ 5 6 7 8
         ←サ 7 8 9 10
         ←タ 11 12 13 14
         ←ナ 15 16 17 18
観客→  指揮→ ←ハ 19 20 21 22
         ←マ 23 24 25 26
         ←ヤ 27 28 29 30
         ←ラ 31 32 33 34
         ←ワ 35 36 37 38
         ←ガ 39 40 41 42
         ←ザ 43 44 45 46

 右のように並んで群読する。

 @  19 「のぶ子」と読む。
 A  19を基点に「のぶ子」と放射状にこだまするように全員に読み広げる。
 B  15「書けば書くほど悲しくなる」
 C  ア行「のぶ子」
    以下、カ〜ザ行まで、次々に「のぶ子」
    D列「のぶ子」
    以下、C.B.A列まで、次々に「のぶ子」
 D  15「書けば書くほど悲しくなる」
 E  ア.カ.サ行「のーぶー子ーー」
          「のーぶー子ーー」
    二回目のくりかえしに入ったところで、平行して、小さく速く、
    ザ行 「のぶ子」
    +ガ行「のぶ子」
    +ワ行「のぶ子」
    +ラ行「のぶ子」
    +ヤ行「のぶ子」
    +マ行「のぶ子」
    +ハ行「のぶ子」
    +ナ行「のぶ子」
 F  15「書けば書くほど悲しくなる」
    19  「のぶ子」
    D列 「のぶ子」
    +C列「のぶ子」
    +B列「のぶ子」
    +A列「のぶ子」
 G  全員の乱れ読み。十五秒間。各自「のぶ子」をくりかえす。絶叫、つぶやきなど
    いろいろに表現。指揮者の合図でやむ。
 H  15「書けば書くほど悲しくなる」
 I  6・40・18・20と、あちこちから、ささやくように「のぶ子」「のぶ子」
   (以下、略)

 このように「のぶ子」と「書けば書くほど悲しくなる」だけの言葉で、詩人の心象を表
現していく。ここでは漸層法・乱れ読みを使っているが、ほかにもいろいろな表現が考え
られるだろう。
 こうした前衛的な群読は、これからのひとつの方向として、実験的にとりあげてみたい。



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 ◆第3回 日本群読研究集会のお知らせ◆
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 日本群読教育の会 第3回 全国研究集会 2004年 東京大会

 期日:2004年7月29日(木)
 場所:日本青年館(東京都新宿区)

 大会要項

1 趣旨
 群読は大勢で声を出して読む活動です。詩歌や古典、物語、わらべうたなど
を声を合わせて分読します。国語の授業だけでなく、学校行事や児童会・生徒
会活動にも大いに活用できます。参加するものの心と体を拓く楽しい文化活動
です。
 
 日本群読教育の会では、新しい文化活動である群読の楽しさを伝え、普及す
るために、全国各地で群読実技講座を開催してきました。そして、2年前の2
002年7月30日に東京にて念願の全国規模の研究大会を開くことができま
した。

 昨年は大分県湯布院にて成功裡に開催しました。今年の東京大会では、さら
に内容の充実を図り、参加者がより群読に親しみ、その楽しさを実感できるよ
うに工夫したいと思います。
 
 本集会では、日本群読教育の会の会員のみなさんをはじめとして、全国から
群読活動・群読教育に関心をもつ方々に集まってもらい、群読の理論・実践・
実技を学びます。また、学習を通して参加者の親睦と相互交流が、いっそう盛
んになるようにすすめていきます。


2 本集会の研究主題
 「群読の楽しさを学び合いましょう」

3 主催   日本群読教育の会(代表 家本芳郎)

4 場所   東京日本青年館 (神宮球場と国立競技場に隣接)
       〒 160−0013 東京都新宿区霞岳町15
       Tel 03−3401−0101
       Fax 03−3434−0611

  *交通案内
   JR信濃町駅あるいはJR千駄ヶ谷駅、地下鉄銀座線外苑前下車。
   いずれも徒歩10分。神宮第2球場と国立競技場の間にある建物。 


5 日程
  2004年7月29日(木)
     ☆午前の部
         受付    9:30〜
         開会式   9:50〜10:00 
         講座    10:00〜12:00
                  a 入門講座
                  b 中級講座
                  c 実践報告
         昼食    12:00〜13:00

     ☆午後の部
      午後の部は1時間目と2時間目入れ替え制。同じことをする
          1時間目  13:00〜14:50
              詩
              物語
              古典
              わらべ歌
              ふたり読み
         2時間目  15:00〜16:50
              詩
              物語
              古典
              わらべ歌
              ふたり読み

         閉会式(総会を含む)17:00〜18:00

         総会の内容  次回大会地 富山にて 役員の承認

         懇親パーティー   18:00〜20:00


6 参加費  3000円  資料費とも 昼食代・懇親会費は別

7 申し込み ファックスまたは電話、またはメールにて下記に申し込む。

   ァックスまたは電話 046−856−4107(海上和子)
   メール  yama−s@msi.biglobe.ne.jp  (山口 聡)

 以下の内容を明記してください。
  1)氏名
  2)県名
  3)弁当 注文する(  )個   注文しない
  4)参加希望分科会  1.入門講座  2.中級講座  3.実践報告
  5)参加希望分科会
    午前の部   1.詩  2.物語  3.古典  4.わらべ歌 
           5.ふたり読み
    午後の部   1.詩  2.物語  3.古典  4.わらべ歌 
           5.ふたり読み
  6)懇親会   1.参加する  2.参加しない

   FAXでの申込用紙は日本群読の会のHP参照。

   http://gundoku.web.infoseek.co.jp

8 宿泊   宿泊は各参加者にてご用意ください。