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 日本群読教育の会 会報 48号   2004. 4.10
 

 日本群読教育の会HP http://gundoku.web.infoseek.co.jp

 第三回 日本群読教育の会 全国大会  2004.7.29(木) 東京 青年会館
 北海道 檜山群読研究集会 2004.6.26(土)北海道 熊石町 ひらたない荘
  問い合わせ 加藤恭子(090‐6213‐1539、katokyon@gb4.so-net.ne.jp   
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 ☆目次☆
  大会のチラシができました
  「いつでもどこでも群読」再版!
  今度の本にはCDをつけます
  書名 募集します
  久留島武彦文化賞にノミネート
  「声のものさし表」をさしあげます
  続いつどこ群読 掲載脚本
  ふたり読み 脚本
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 ◆大会のチラシができました◆
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 第三回 日本群読教育の会 全国大会のチラシができました。申し込み用紙もついてい
ます。 希望する方は住所を添えて、事務局長の重水健介先生に申し込んでください。

 重水 健介  sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp


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 ◆「いつでもどこでも群読」再版!◆
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 昨年、群読教育の会の総力をあげて「いつでもどこでも群読」という本をつくりました。
湯布院大会記念号として世に問うた本です。出版するとき、ともかく初版だけは、次の大
会までに売り切ろうと決意しました。そうしないと、次の大会記念号の出版は難しくなる
と考えたからです。
 おかげさまにて、1年も経たないうちに「再版」されることになりました。
 ばんざーい!


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 ◆今度の本にはCDをつけます◆
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 現在、東京大会に向けて重水健介編集長を中心に「東京大会記念号」の編集作業がすす
められています。今回は群読のCDを添付し、活字だけでなく耳でも聞いてもらおうと計
画しています。すばらしい本ができると思います。
 まだ、誌面に余裕があるようなので、群読の実践記録、群読脚本など、応募してくださ
い。遠慮しないでね。


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 ◆書名 募集します◆
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 昨年、湯布院の大会を記念して発行した本の書名は「いつでも どこでも 群読」でし
た。とてもいいネーミングでした。高文研の山本さんのアイデアによる書名です。
 今回の本は、仮に「続 いつでも どこでも 群読」とつけて編集作業をすすめていま
すが、あくまでも仮で、「続」がつくと売れ行きはよくありません。
 なにかいい書名はありませんか。募集します。当選者には、新刊5冊贈呈します。


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 ◆久留島武彦文化賞にノミネート◆
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 わが国の青少年文化の黎明期における、すぐれた指導者の一人であった久留島武彦先生
の業績を記念し、青少年文化に貢献した人および団体を顕彰する「久留島武彦文化賞」
が制定され44年目を迎えた。久留島武彦先生は「お話の父」としてわが国の青少年文化
の発展に忘れることのできない業績を残した方である。
 その文化賞の候補として、日本群読教育の会が選ばれ、高文研社をとおして推薦される
ことになった。候補の中から、青少年のための文化運動に参加し、わが国の青少年文化の
発展に寄与した人および団体を、文学(口演童話を含む)・演劇・音楽・舞踊・美術の各
分野から、その年度の仕事とこれまでの業績を考慮して選考される。
 賞状・賞牌・賞金がでる。副賞もある。
 わたしたちの活動はまだ日も浅く、とても賞には値しないとは思うが、ノミネートされ
ただけでもうれしい話である。
 

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 ◆「声のものさし表」をさしあげます◆
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重水健介先生に「声のものさし表」を書いていただきました。重水先生は多彩な力を持
った方で、イラストも得意。とてもチャーミングな「声のものさし表」ができあがりまし
た。
 声の大きさを5段階のイラストで表現した掲示物です。拡大コピーして、教室に掲示し
ておくと、子どもたちは自分の今の声の大きさが理解でき、次にはどんな声を出せばいい
かのめあても確認でき、だんだんと大きな声が出せるようになります。

 ほしい方は住所を添えて重水健介先生に申し込んでください。
  重水 健介  sakunayo@ngs2.cncm.ne.jp


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 ◆続いつどこ群読  掲載脚本◆
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 下記の群読はまだ創世記の作品である。技巧のないシンプルな脚本である。
 わたしの勤務学校の教師が指導した。上村弘先生は国語の教師。秋元紀之先生は数学の
教師だったが、当時のわたしの学校のメンバーは多士済々で、文化的個性をもった教師が
輩出していた。
 今度の群読の本に掲載する予定である。録音もあるのでCDで聞くことができる。


  ★宮沢賢治作「諸君よ」     指導者 上村  弘★

<解説>この群読は横須賀市立池上中学校の第7回3年生を励ます会で、卒業する3年
生が在校生に寄せる詩として発表した。この詩は宮沢賢治の未稿からわたしが構成した。
 学年には特有の文化があったが、この詩は、この学年で、ことあるごとに読まれた。
 <読み手>4人。ABが男子。CDが女子。ピアノ伴奏。
 <演出ノート>
  1 あまり気張らずに、しかし、ヒロイックな詩情をこめて読む。
  2 ピアノ伴奏をつけると群読が映える。

 
 a  諸君よ、紺色の地平線がふくらみ高まるときに、
    諸君はそのなかに没することを望むか
    いや、諸君はこの大地における
    あらゆる形の山岳でなければならぬ

 b  諸君は、諸君の未来圏から吹いてくる
    この颯爽たる風を感じないか
    それは一つの送られた光線であり、
    決せられた南の風である

 c  諸君は、その時代に強いられ、率いられて
    奴隷のように忍従することを望むか
    むしろ、諸君よ、さらに新たな正しい時代をつくれ

 d  宇宙は絶えずわれらに従って変化する
    潮汐や風、
    あらゆる自然の力を用い尽くすことから一歩進んで
    諸君は、新たな自然を形成するのに努めねばならぬ
  
 d  新しい時代のコペルニクスよ
    あまりに重苦しい重力の法則から
    2つの銀河系統を解き放て

 a  こ新しい時代のマルクスよ
    これらの盲目な衝動から動く世界を
    すばらしく美しい構成に変えよ

 b  新しい時代のダーヴィンよ
    銀河系空間の外にも至って
    さらにも透明に深く正しい地史と
    増訂された生物学をわれらに示せ

 c  新たな詩人よ 雲から光から嵐から
    新たな透明なエネルギーを得て
    人と地球とのとるべき形を暗示せよ

 全員 諸君はこの大地における
    あらゆる形の山岳でなければならぬ


 ★山村暮鳥作「人間の勝利」    指導者 秋元 紀之★

<解説>この群読は横須賀市立池上中学校の第11回3年生を励ます会で、卒業する3年
生が在校生に寄せる詩として発表した。
 学年には特有の文化があったが、この詩は、この学年で、ことあるごとに読まれた。
「人間はみな苦しんでいる」このフレーズが流行した。
 <読み手>4人。ABが男子、CDが女子。ピアノ伴奏。
 <演出ノート>
  1 堂々と思い切り感情をこめて読む。
  2 ここでの読みの難しい用法は「たたみかけ」である。息をはずさずにたたみこむ
   ように読むと、迫力のある読み方ができる。
  3 ピアノ伴奏をつけると群読が映える。


  A 人間の勝利
  B 人間はみな苦しんでいる
 CD 何がそんなに君たちをくるしめるのか
  B しっかりしろ
  C 人間の強さにあれ
  D 人間の強さに生きろ
  B くるしいか
  A くるしめ
  全 それがわれわれを立派にする
  B みろ 山頂の松の古木を
  C そのこずえが烈風を切っているところを
  B その音の痛々しさ
  D その音が人間を力づける
  A 人間の肉に喰いいるその音のいみじさ
 CD 何が君たちをくるしめるのか
  A 自分もこうしてくるしんでいるのだ
  C くるしみを喜べ
  A 人間の強さに立て
  D 恥辱(はじ)を知れ
  B そして倒れる時がきたらば
    ほほえんでたおれろ
  C 人間の強さをみせて倒れろ
  B 一切をありのままにじっと凝視(みつ)めて
  全 大木のように倒れろ
  C これでもか
 CD これでもかと
    重いくるしみ
  A これでもか
 AB これでもかと
    重いくるしみ
  全 重いのが何であるか
  D 息絶えるとも否と言え
 AB 頑固であれ
  全 それでこそ人間だ  

 
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 ◆ふたり読み 脚本◆
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 ★ゴキブリ 関根 弘★
 
 <ノート>
  父子の対話。1がぼく。2がパパ。
  「おまえのほうがよっぽどこわい」の意味を話し合うとおもしろい。
  いろいろな解釈が成立するが、どれも正解であろう。





 ★おばあちゃんの話 こわせ・たまみ★

 <ノート>
  a ふたり読み。1は わたし 2はおばあちゃん。
  b ゆったりと静かに、余韻をこめて読む。





  ★にちようびの朝  三俣みずえ★

 <ノート>
  a ふたり読み。1はぼく。 2はおばあちゃん。
  b ぼくはおばあちゃんの前にいるのではなく、路地から聞こえてくる声を聞いてい
    る。そのおばあちゃんの怒りに、ぼくは必死になって、心の中で「ぼくではない」
    と訴えている。


12 にちようびの朝  三俣みずえ



 核家族化している。そういうなかで「祖父母」についての認識が稀薄になっている。い
ろいろな機会をとおして、祖父母への親しみを抱かせるようにしたい。