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 日本群読教育の会 会報 44号   2003. 11.16
 

 日本群読教育の会HP  http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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 ☆目次☆
   お便り
   会員申し込み
   Q&A
   「子どもたちは大満足」NHKの放送収録の報告  長塚松美先生
   群読「水の手紙」の紹介
   ネット「群読」検索 45、200件ヒット
   ふたり読み 脚本
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 ◆お便り◆
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(43号を読んで)どれも興味深いものでしたが、澤野先生のは算数までできるというか、
してしまったそのすごさにおもしろさを感じました。
 先日の池袋研究会で「かさこじぞう」が報告されました。この最後の地蔵様が「じいの
うちはどこだ」とかけ声をかけながらやってくるところを子どもたちが歌にしたそうです。
テープを聴くと群読ふうになっているのです。
 この先生は、全く群読はご存知ないので「リズムのある読み方(歌?)}などという
いい方をなさっていましたが、おもしろいとおもいました。
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 会報43号届きました。ありがとうございました。
 会報の中の澤野先生の群読の実践を読んで「これは面白そう」と思い、自分も早速算
数の授業に群読調を取り入れました。1年生の繰下がりのあるひきざんで計算のしかたを
声に出してやってみるというところです。

 13−8=

T:このひきざんのやり方を声に出していってみましょう。
C:えー、わかんなーい。
T:(早速手元の拍子木でリズムを取りながら)3から8はひけません。はい。
C:3から8はひけません。
T:10−8は2ですよ。
C:10−8は2ですよ。(だんだんニコニコ顔になってくる)
T:2と3で、こたえは5
C:2と3で、こたえは5!

 この前にタイルを操作して繰り下がりの考え方を学習したのですが、リズミカルな言
葉で考え方の順序を確認するとわかりやすのでしょうか。

C:先生、もっとやろう! ちがう問題やろう!
T:はいはい、、それじゃあ・・・。(と違う計算を何題か大きな声でやりました)

 次の時間は、繰下がりのあるひきざんのタイルの動きをパワーポイントでアニメーショ
ン化し、群読しながら動かして見せました。
 この群読を2,3日続けると、ドリルをしているときも、4から7はひけません。・・・
とぶつぶついいながら進めている子や、計算の仕方があの「うた」でわかったという子が
何人もでてきました。また、算数が苦手なAちゃんには、きょうの居残りで「先生、あの
積み木みたいなの(拍子木)打ってよ」と催促されました。リズムを取ってやると3から
9はひけません・・・。とはじめました。途中で集中が途切れてもリズムを聞いてまた計
算を続けました。計算を最後までやり遂げてうれしそうに帰って行きました。
 みんなで、息を合わせて声をそろえて出す気持ちのよさと計算の仕方がわかる気持ち
のよさが合わさって、子どもたちが喜んだのかなと思いました。
 明日は、音楽会です。今年本校は、開校130周年でお客さんも大勢来そうです。私
の担任する1年くぬぎ組は、もちろん群読を取り入れた「おむすびころりん」を発表しま
す。
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 今まで、自分で詩を選び、自分なりに構成し、全校朗読劇や、運動会で群読と民舞、
太鼓を組み合わせた演目をやってきました。
今までとりあげてきた作品は

地球よ (宮沢章二)
海   (谷川俊太郎)
日本語のおけいこ  (谷川俊太郎)
こんなじゃんけんしってる?(川崎洋)
きりなしうた  (谷川俊太郎)
スピードかぞえうた  (川崎洋)
かぞえうた   (谷川俊太郎)
おとなマーチ  (阪田寛夫)
力太郎
生きる     (谷川俊太郎)
びょうき  (秋原秀夫)
おと  (のろ さかん)
ねことねずみ  (関根榮一)
かたつむり  (リューユイ)
いろんなおとのあめ (岸田衿子)
おがわのマーチ (工藤直子)
お祭り  (北原白秋)
タンポポ  (まどみちお)
つまんない (谷川俊太郎)

などです。特に「お祭り」は子供たちが大変喜んで、全校で言葉を練って中央小版の「お
祭り」を作って運動会でやってみました。
 しかし、今回、先生のCDブックを手に入れ、いろいろ勉強させていただいて、自分の
やり方の足りない所に気づいた次第です。
 現在、1〜3年の国語の時間を週一回「詩の勉強」と位置づけ、継続した取り組みをし
ています。また、二月にある学習発表会では、昨年に引き続き、全校の朗読劇を考えてい
ます。ぜひ、いろいろ教えていただけたらと思いますので、メールマガジンの購読をお願
い致します。
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 まったく独りよがりな群読の台本などをお見せするのは恥ずかしいのですが、後日見て
いただければと思います。
 群読といっても、先生のような多重構造ではなく、せいぜい二部か三部に分かれたもの
ですし、いくつかの詩を組み合わせてひとつの作品にするといった構成でやりました。
 今年の三月に行われた学習発表会では、「ぼくの一日・私の一日」と題して、子ども達
の登校から就寝までを7つの詩と「力太郎」の全校朗読で構成しました。
 客席から子ども達がステージに順次上がってきます。
 子どもは「いってきまーす。」という挨拶を客席に投げて、親は客席から「いってらっ
しゃーい」と応えます。
 これが登校です。
 次に「日本語のおけいこ」(これは勉強中の表現)
 続いてチャイムを表すピアノが鳴って「こんなじゃんけんしってる?」(これは休み時
間)
 次に挨拶をして家に帰ります。
 家に帰ると、「勉強は?宿題はやくやりなさい。」の声が聞こえ、「きりなしうた」が
始まります。
 次にお風呂に入って、肩まで沈んで「スピードかぞえ歌」(これには子ども達が作曲し
た歌があります。)
 続いて、もうひとつの「かぞえうた」(谷川俊太郎です。)
 そして、「早く寝なさい。」の声が聞こえ、子ども達は「おとなマーチ」を読みます。
そして「寝る前にお話をひとつ読んであげる。」ということで「力太郎」をみんなで読み
ました。
最後には、子ども達が生き生きと生きていく象徴として、「生きる」を読んでおしまいで
す。
 一つ一つの詩の構成はきわめて単純で、先生から見ると「これは群読ではない」と思わ
れるでしょう。ただ、いくつかの詩の本をひっくり返して私が構成したということで、恥
ずかしながら、その一端をお話しました。
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 群読の会にお誘いいただけたこと、大変嬉しく思います。でも、私のような群読教育
の駆け出し(年齢的には結構いっているのですが)にとっては、会に参加しても大丈
夫なのだろうかと不安でもあります。先生のメルマガを読ませていただきながら、少し勉
強をさせてください。
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 ネット上でお返事を下ってありがとうございました。おかげさまで、初めてネットで群
読の本を購入しました。今月の7日に、全校集会で、2年生が「どっちの学校、いい学校」
の群読をします。ありがとうございました。
 


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 ◆会員申し込み◆
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 初めまして。私は群馬県の藤岡市の小学校に勤めています。全校16名の学校で、今ま
で手探りで詩の授業や群読の指導をしていました。今回先生の著書を見つけ、早速購読し
たところ、今まで疑問に思っていたところや、群読としての脚色の仕方など、大変参考に
なることが多く、先生からもっとたくさんのことを教えていただきたく、メールマガジン
の購読をお願いしたいと思いました。
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 小学校教師をやっていますが,詩が好きで自己流に子ども達と群読を楽しんだり,先生
の書かれた本から群読大会をしたりしてきました.先日「いつでもどこでも群読」の本を
図書館で借り,日本群読教育の会があることを知りました.いろいろなことを学んでいき
たいと思いますので,群読教育の会に入会したいと思います.よろしくお願いします.
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 *入会はだれに申し込まれてもけっこうですが、会員登録・会報・脚本集の発送は事務
局長よりおこなわれます。

 
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 ◆Q&A◆ 
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 Q 群読の無料講座を申しこみたいと思っています。申し込みが先でしょうか、人数を
   集めるのが先でしょうか。
 A どちらでもかまいません。
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 Q 群読の無料講座は何人くらい集まると、来てもらえるのでしようか。  
 A 会員が入っていれば3人以上です。
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 Q 申し込みはどうすればいいのですか。
 A 日時・場所・参加人数の見込み(教材の準備に必要なので)講座の希望(入門講座・
   中級講座・詩・物語・古典・ふたり読み・朗読など、主として取り上げてもらいた
   い内容)レジメの送り先。以上、お知らせください。なお、ワカラナイことは相談
   にのります。申し込み先は家本か、事務局長の重水まで。



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 ◆「子どもたちは大満足」NHKの放送収録の報告  長塚松美先生◆
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 私の方こそ、たいへん良い機会を与えてくださり、ありがとうございました。
子ども達、とてもにこやかに屈託なく対応できたと思います。
 メインの群読の『かたつむり』も、ソロ6人を初め比較的元気よく声が出せていたよう
に思います。単なるグループごとのかけあいでなく、6人ものソロが活躍できてこの題材
にしてよかったです。
 子ども達が選択した『ソーダ村の村長さん』もがんばりました。収録が短く終わったと
のことで、他の題材もやってほしいと頼まれ、『きりなしうた』と『きのうのあしたはな
んだっけ』も披露しました。
 群読の途中で指導する場面はないのかと、事前打ち合わせで所望されたので、準備して
いなかった2つについて、少し指導も加えながらやってみました。
 その後、子ども達一人ひとりにインタビューがありました。実際の放送に使われるのは、
2〜3人とのことでしたが、全員に経験させてあげたかったので、私から頼んで、全員に
マイクを向けてもらいました。それぞれ、率直な意見や感想を述べてくれました。(中に
は、「楽しくない。朝から声を出すのは好きではない」と発言した子もいましたが、全員
が「楽しい」とまではなっていない今後の課題でもあるし、それはそれで、素直な感想を
述べられる雰囲気を作り出せているという見方もできるのかなとも思いました。)

 子ども達のインタビューが終わった後、私がインタビューを受ける番になりました。小
畑さんからの質問に答える形でしたので、準備しておいた考えをすべては述べられません
でしたが、私なりに精一杯お答えしたつもりです。内容の深まりについての考えを問われ
た時が、最も詰まってしまったかなと思います。
 ともあれ、無事すべての収録が終わり、ほっと安堵いたしました。明後日の放送で、ど
の程度のものを流していただけるのか、とても楽しみです。今晩、学級だよりにも紹介す
るつもりです。子ども達も、大満足した様子です。
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 *なお、この放送は「カルチャー&サイエンス群読のすすめ」ト題して、11月1日に
一部地域除く全国放送、7日に関東地方向けに放送されました。
 聴かれた方から下記のお便りをいただきました。
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「さて、きょうは、車を運転していたら、群読特集とかで先生のお話を聞くことができま
した。ネット上でお世話になっていたものですから、嬉しくなりました。お礼を兼ねて、
聴きましたメッセージをお送りします」 



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 ◆群読「水の手紙」の紹介◆
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 雑誌「すばる」12月号(「集英社」980円)に、井上ひさし氏の「水の手紙」と題す
る群読のための台本が掲載されている。
 この台本は、この10月、山形で催された「国民文化祭 2003」の開会式で上演さ
れた。出演は山形県内から集まった200名の群読隊。演出は秋田市民劇場の佐藤修三氏。
 内容はグローバルな視点から「水」という環境問題をとりあげている。
 冒頭だけを紹介してみよう。

  水の手紙        井上 ひさし

 1 わたしたちは水

 暗い中で、たくさんの声が口々になにかを呟いている。やがて、フロアの一角に身を寄
せ合う群読隊が、光のなかにゆっくりと浮かび上がる。群読隊が口々に呟いているコトバ
は次の三つ。「地球」「水」「惑星」。……、たちまち、その三つのコトバがあっという
間に一つにまとまって、

 全員 わたしたちの住む地球は水惑星
 少年 水惑星と呼ばれています
 少女 水惑星と呼ばれるほど
 二人 地球には水があふれています

 二人のコトバを受けて、群読隊が口々に、「水」「みず」「ミズ」と発語す
るが、すばやく一つにまとまって、

 全員 水が、地球にあふれています

  群読隊が展開をはじめる

 全員 たとえば………
    外から地球をみた宇宙飛行士たちは
    口を揃えていっています
 青年 地球は青い青い水の球、いまにも水がしたたり落ちてきそうな、大き
    な青い水玉に見えるんだ。
 全員 たしかに………
    地球の表面積の三分の二が海です(以下略)


 この台本は高校生なら十分に上演できる。少し省略すれ中学校でも上演できるだろう。
 また、群読の研究・実践からみれば、多様な群読表現を学ぶことができ、大いに楽しめ
る。
 このように、群読がいろいろな場でとりあげられている。手軽に表現できるわりには訴
求力が強いからだろう。



 ◆ネット「群読」検索 4万5200件ヒット◆
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 ネット上で「群読」を検索すると登録サイト:4件。ページ:約45200件ヒットします。
たまには覗いて見てください。 少し前までは、1桁だったのが、いまや4万5千とは驚
きです。とても読みきれませんが、なにかの参考にしてください。

 群読  http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%B7%B2%C6%C9 


★登録サイトは下記の4つです。

大阪府箕面市 > 小学校
 箕面市立萱野小学校 - 詩の群読、「モチモチの木」に関するリンク集。


宮崎県宮崎市 > 小学校
 宮崎市立西池小学校 - 学校紹介、群読音楽発表会の様子。


茨城県潮来市 > 小学校
 潮来市立牛堀第一小学校 - 大勢で詩や物語を朗読する「群読」の紹介。おはなし会、
  書き初め大会等の行事紹介。


埼玉県深谷市 > 小学校
 深谷市立豊里小学校 - 学校や地域のニュース、群読集会。



 ◆ふたり読み 脚本★
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 ★ぞうさんのかくれんぼ  高木あきこ★

 <ノート>
   1 が「もういいかいの ぞうさん」 2が「まあだだよの ぞうさん」という役割。


 12 ぞうさんのかくれんぼ  高木あきこ
 



 ★雨のうた    鶴見正夫★

<ノート>
 1は「子ども」2は「あめ」という役どころ。単純な分読だが、後の例は群読的表現に
脚色した。
 なお、この続きを創作させるといいだろう。


 12 雨のうた    鶴見正夫