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 日本群読教育の会 会報 43号   2003. 10.26
 

 日本群読教育の会HP  http://gundoku.web.infoseek.co.jp
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 ☆目次☆
   長塚学級へNHK放送センターの群読活動の取材
   ホーム頁に「メンバーの実践紹介」欄 新設
   群読「峠三吉の原爆詩集より」坂尾知宏
   群読「授業の終わりの群読調」澤野郁文
   高知支部よりの 群読講座のお知らせ
   群読講座のお知らせ  岩教組 胆江支部主催
   群読講座in檜山のお知らせ
   群読脚本 二人読み「わらべうた」
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 ◆長塚学級へNHK放送センターの群読活動の取材◆
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 長塚松美先生(横須賀市立森崎小学校/日本群読教育の会事務局員)の学級の群読活動
が、NHK放送センターによって取材されることになりました。10月30日(木)曜日
の朝の会の群読を録音するそうです。長塚先生は現在、5年生を担任しています。
 長塚先生のお話では「何を題材に選ぶかの学級会では、『きりなしうた』『ソーダ村の
村長さん』の二つの候補に絞られ、実際に唱和してみた結果、『ソーダ村の村長さん』に
決まりました。ところが、その後のNHKの依頼で、『かたつむり』がよいように言われ
ましたので、月曜日、子どもたちに再提案してみるつもりです」ということです。
 放送日がきまりましたらお知らせします。
 群読教育活動が少しずつ広がっているようで、とてもうれしく思います。


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 ◆ホーム頁に「メンバーの実践紹介」欄 新設◆
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 日本群読教育の会のホーム頁(管理人 片桐史裕先生)に「メンバーの実践紹介」欄が
新設されました。
 現在、富山県滑川市立滑川中学校の毛利豊(もうり ゆたか)先生の実践が報告され、
生徒の朗読の一部が聞けるようになっています。
 会員のみなさんの積極的な参加を期待しています。



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 ◆群読「峠三吉の原爆詩集より」 坂尾知宏◆
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 群読は、10月に学年発表があるのでそれに向けて朝の会で練習をしています。「ヤダ
くん」「なまけ忍者」「早口言葉」「大きなかぶ」をグループに分かれてやる予定です。
 学級全体では、二人読みの本の中から、「そうだ村の村長さん」を使わせていただき、
いろんなパターンで読んでみているところです。
 それから、群読に興味をもっていただく先生が増えているのもうれしいです。近くの学
校の先生から、「参観日にやってみました」というメールをいただきました。

 最後に、群読のシナリオをつくってみたいと思うのですが、題材選びがなかなか難しい
です。
 テーマとしては、「金子みすゞの詩を群読に」「平和学習での群読」「卒業式における
群読」などをやってみたいと思っているのですが。
 そうこう考えているうちに時が過ぎそうなので、まずは「平和学習での群読」として1
つ作ってみました。
 峠三吉の原爆詩集より「序」です。


<演出ノート>
 ソロ 1人 アンサンブル2人 コーラス1、2は同人数。
 戦争への怒りをこめて読む。

 <脚本>
 ソロ       アンサンブル  コーラス1  コーラス2
 かえせ
 かえせ      かえせ
 かえせ      かえせ     かえせ
 かえせ      かえせ     かえせ     かえせ
 
 ちちを
                  かえせ
 ははを
                           かえせ
 としよりを
                   かえせ
 こどもを   
                           かえせ
 わたしを
                   かえせ     かえせ
 わたしにつながる
 にんげんを    にんげんを
                   かえせ     かえせ
 にんげんの
 にんげんのよの  にんげんのよの
 あるかぎり    あるかぎり
 くずれぬへいわを くずれぬへいわを
 へいわをかえせ  へいわをかえせ  へいわをかえせ へいわをかえせ

<原文>
       峠 三吉

 ちちをかえせ ははをかえせ
 としよりをかえせ
 こどもをかえせ

 わたしをかえせ わたしにつながる
 にんげんをかえせ

 にんげんの にんげんのよのあるかぎり
 くずれぬへいわを
 へいわをかえせ

  原詩:峠三吉「原爆詩集」より「序」

 運動会が終わり、落ち着いたころに子どもたちに読んでもらって、どういう聞こえ方を
するか確かめてみたいと思います。
 鶴見正夫さんの「太郎は知った」という詩も群読にできないかと考えているところです。
(この詩をもとに合唱組曲もできているので、群読化しやすいのではないかと考えていま
す。


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 ◆群読「授業の終わりの群読調」   澤野郁文◆
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 授業の終わりはいつも簡単なリフレイン型の群読調で終わるので、ちょっと紹介します。


ソロ(教師)さあ まとめだよ。赤鉛筆の用意はオーケー?
コーラス(子どもたち) オーケー!
ソロ   リピート アフター ミー オーケー?
コーラス オーケー!

以下,リズムに乗って教師の言葉をリフレインしながらノートに赤鉛筆で筆算のくり下が
りを書き込んでいきます。


ソロ   102−65
コーラス 102−65
(以下同様にコーラスがソロをリズムに乗ってリフレインする)
ソロ   初めはかならず一の位
コーラス 初めはかならず一の位
ソロ   2から5はひけません
コーラス 2から5はひけません
ソロ   十の位もくり下がりできない
コーラス 十の位もくり下がりできない
ソロ   百の位を繰り下げて(1をななめ線で消して0と書く?)
コーラス 百の位を繰り下げて
ソロ   十の位は10から9 
    (十の位の0の左上に小さく1とかいてななめ線で消しさらに9と書く)
コーラス 十の位は10から9
ソロ   やっと12になりました (一の位の2の左上に1をかく)
コーラス やっと12になりました
ソロ   ここまでくれば安心です
コーラス ここまでくれば安心です

ここからは掛け合い。


ソロ   一の位は12−5で
コーラス 7! 7!    (一の位の答を7と書く)
ソロ   十の位は?
コーラス 9−6で 3! 3!(十の位の答を3と書く)
ソロ   こたえをみんなで
コーラス 37!

再びリフレイン。

ソロ   十の位が0のとき
コーラス 十の位が0のとき
ソロ   かならず2回くり下がり
コーラス かならず2回くり下がり
ソロ   かならず10から9になる
コーラス かならず10から9になる
ソロ   ちょうど時間となりました
コーラス ちょうど時間となりました
ソロ   それではみなさんまたあした
コーラス それではみなさんまたあした

 すかさず日直が号令をかけ授業を終わる。
 
 およそ2分の群読です。時間を計算してスタートし「ちょうど時間となりました」でピ
ッタシ チャイムが鳴るようだと演出効果抜群です。先日研究授業がありまして,ここに
一番命をかけてバッチリチャイムと共に終わらせました。もちろんオオウケでした。



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 ◆高知支部よりの 群読講座のお知らせ◆
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 ★群読集会のお知らせ★
  〜みんなで、声を出してみませんか〜
                       日本群読教育の会高知支部

 教室の子ども達は、こころを合わせたり、声を出すことを楽しんでいますか?
 子どもの大好きな詩や物語をアレンジして群読をしてみませんか?声を合わせる楽しさ
や、こころがつながるうれしさが響きます。
 
 あなたも群読に挑戦してみましょう!!

 日 時:2003年 11月8日(土)9:30〜16:00
 場 所:高知市立潮江南小学校 ランチルーム
 講 師:家本芳郎先生
 会 費:1,000円
 連絡先:高知市立潮江南小学校 松本順子
     TEL.088−832−0123
     FAX.088−832−0124

*定員50名ほどにしたいと思います。お早めに申し込みください。資料の準備等があり
ますので11月5日を締め切りとします。



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 ◆群読講座のお知らせ  岩教組 胆江支部主催◆
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 ★群読のワークショツプ★
 
 11月30日(日)12:40〜15:30
  水沢にて
  講師 家本芳郎
  詳細は次号


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 ◆群読講座in檜山のお知らせ◆
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 先日、檜山を訪問、現地実行委員の先生たちと打ち合わせして、下記のような日程がま
とまりました。
 加藤恭子先生が早々とそのチラシを送ってくれました。以下、その抜粋です。


 *とき* 2004年6月26日(土)午後1時(受付)〜
 *場所* 北海道爾志郡熊石町字平329−1ひらたない荘B1他目的ホールにて

 *日程*
  13:00〜 受 付
  13:30〜 群読入門講座*初級編
  15:30〜 休 憩 ☆書籍販売を行います。
  16:00〜 ワークショップ (群読体験!)18:00で一旦終了!
  18:30〜ひらたない荘であわびづくしの懇親会(希望者)

 *会費*教員500円、父母(地域の方、学生)300円
  *懇親会に参加される方は、別途3500円かかります。
  *宿泊される方は、朝食付き¥4,960です。(互助会券が使えます)

 *申し込みについて*
 お近くの実行委員(下記)から前売券をお求めになるか、または、加藤まで直接
 お問い合わせください。(090‐6213‐1539、katokyon@gb4.so-net.ne.jp)

  加藤 恭子(北檜山小学校)、大口久克(瀬棚中学校)、大口加代子(今金小学校)
  久慈 学(乙部小学校)、安里 朗(厚沢部小学校)、木村 英明(鶉小学校)



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 ◆群読脚本 二人読み「わらべうた」◆
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 群読の教材に、わらべうたをとりあげてみたい。リズムを基本にした言葉のおもしろさ、
動作、そして、歌、その3つが一体となった表現世界がそこにあるからだ。民族文化の原
点でもある。


 ★あんたがた どこさ★

<ノート>
 1 二人が向かいあって、節をつけて歌うとよいだろう。
 2 節がわからなければ、動作を加えるといいだろう。「さ」のところで両者の右手の
  ひらをぶつけるというように。
 3 また、「さ」を抜かして読む。まちがえたものが負け。そんな遊び方もある。

 A  あんたがた どこさ
 B  ひごさ
 A  ひご どこさ
 B  くまもとさ
 A  くまもと どこさ
 B  せんばさ
 A  せんばやまには たぬきが おってさ
 B  それをりょうしが てっぽうで うってさ
 A  にてさ
 B  やいてさ
 A  くってさ
 AB それを このはで ちょいと かくす

 B  あんたがた どこさ
 A  ひごさ
 B  ひご どこさ
 A  くまもとさ
 B  くまもと どこさ
 A  せんばさ
 B  せんばがわには えびさが おってさ
 A  それをりょうしが あみさで とってさ
 B  にてさ
 A  やいてさ
 B  くってさ
 AB それを とあみで ちょいと かくす

 


  ★さよなら三角★

<ノート>
 1 しりとりである。
 2 次のような例もある。途中からの変化。*
  A  はねるはかえる
  B  かえるはみどり
  A  みみどりはやなぎ
  B  やなぎはゆれる
  A  ゆれるはゆうれい
  B  ゆうれいは消える


 AB さよなら三角 またきて四角
 A  四角は豆腐
 B  豆腐は白い
 A  白いはうさぎ
 B  うさぎははねる
 A  はねるはかえる *
 B  かえるはみどり
 A  みどりは葉っぱ
 B  葉っぱは落ちる
 A  落ちるはじごく
 B  じごくはこわい
 A  こわいはおばけ
 B  おばけは消える
 A  消えるは電気
 B  電気は光る
 AB 光るはお空のお星さま
    (光るはおやじのはげ頭)


  ★大さむ小さむ★

<ノート>
  きりなしうたのひとつ。最後は言い合って適当なところでやめる。
  あるいは、だんだん小さくしていって消える。

 AB  大さむ小さむ
 A   山から小僧が泣いてきた
 B   なんといって泣いてきた
 A   さむいといって泣いてきた
 B   さむけりゃあたれ (焚き火にあたれという意味)
 A   あたれば熱い
 B   熱けりゃ下がれ
 A   下がればさむい
 B   さむけりゃあたれ
 A   あたれば熱い
 B   …………くりかえす



  ★おじょうさんの勉強★

 <ノート>
  縄跳びのときの遊び歌。リズムをくずさずに読む。

 A  おじょうさん おはいんなさい
 B  はーい はいります
 A  国語のべんきょう
 B  あいうえお
 A  算数のべんきょう 
 B  123
 A  英語のべんきょう
 B  ABC
 A  おじょうさん おかえんなさい
 B  はーい かえります

 

 ★新おとぎ唄(その一)★    野口雨情

 <ノート>
  いろいろな笑い声を楽しむ。

  A  ニコニコ笑え、サァ笑え
  B  ニコニコ笑うは 福笑い
  AB (ニコニコと声に出して笑う)
  A  カラカラ笑え、サァ笑え
  B  カラカラ笑うは 高笑い
  AB (カラカラと声に出して笑う)
  A  ケタケタ笑え、サァ笑え
  B  ケタケタ笑うは 馬鹿笑い
  AB (ケタケタと声に出して笑う)
  A  さァさァ笑え、サァ笑え
  B  転んで泣く子は 物笑い
  AB (あざけるように声に出して笑う)
       (『日本児童文学体系 17』ほるぷ出版)


 ★返答返し★

<ノート>
 子どもの頃に流行った返答返し。どう返事しようとおちょくられる。
 Bはじっさいの相手の名前を読む。
 
 A B君!
 B  えっ。
 A  絵じゃないよ字だよ。しっかりしないと落第するよ。
 A  B君!
 B  はい。
 A  ハイハイいうのは車屋さん、おまえのとうちゃん車引き。
 A  B君!
 B  うん。
 A  うんとこどっこいこやしの子、こやしをこぼして泣いちゃった。
 A  B君!
 B  なあに。
 A  なあにがなんとやら、とうなすかぼちゃ。
 A  B君!
 B  ふん。
 A  ふんはねこのくそ、Bんちのおかず。
 A  B君!
 B  やかましい。
 A  やかましかましは十二釜。
 A  B君!
 B  バーカ。
 A  バカでさいわい利口じゃ困る。
 A  B君!
 B  ………
 A  返事がないの、お嫁さんでももらったの。
 B  ………
 A  お嫁さんの名前、だあれ。
 A  わかった よしこだ。
 A  よしこはBの嫁になる よしこはBの嫁になる。


 ★とおりゃんせ★

<ノート>
 子どもたちの「列遊び」のひとつ。Aが門番 Bが参詣人、という役割。
 二人読みもできるし、ふたつのグループで呼んでもよい。
 節をつけてうたえば、なおいいだろう。

 
 A  とおりゃんせ とおりゃんせ
 B  ここはどこの細道じゃ
 A  天神さまの細道じゃ
 B  ちょっととおして くだしゃんせ
 A  ご用のないものとおしゃせぬ
 B  この子の七つのお祝いに
    お札をおさめにまいります
 A  いきはよいよい 帰りはこわい
    こわいながらも 
    とおりゃんせ とおりゃんせ