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 日本群読教育の会 会報 38号   2003. 5.38

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 ●目次●
   記念号の書名 決定!
   会員よりのお便り
   凡例の検討をお願いします
   群読 脚本 金子みすヾの詩
   お知らせ
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 ◆記念号の書名 決定◆
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 記念号の書名は

   群読教育実践記録集   いつでも どこでも 群読

 高文研の山本邦彦さんのネーミングです。いいタイトルです。気にいりました。
 自分の関係した本で、ひさしぶりに感動したネーミングでした。

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 ◆会員よりのお便り◆
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「声の文化の活性化」っていいですね。「心の教育」ととりかえてほしいです。37号どう
もありがとうございました。

 こんにちは。大会記念号の名前,とてもいいですね(^^)楽しみにしています。

 記念号のタイトル、「いつでもどこでも」というところが、とても親しみやすくていいですね。
 これなら、群読が初めての方でも手に取ってみたくなると思います。ありがとうございます。
とてもいい名前です。できあがりが楽しみです。

 すてきな書名です。手にとって読みたくなります。はやく読みたいなあ。
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 ◆凡例の検討をお願いします◆
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 記念号「いつでもどこでも群読」に、本書に使われている群読の記号・用語の解説が必
要だろうとなりました。
 下記のように考えましたが、執筆者の方はよくみていただいて、付け加えてほしいこと
があれば、お知らせください。また、お気づきのことがあればお知らせください。

 ★凡例  本書に使われている群読の記号・用語★
S <ソロ・アンサンブル・コーラス>
 ソロは一人で読む。ただし、「一人が読む」ではない。順番に一人ずつ読んでもいい。
 アンサンブルはグループで読む。コーラスの6分のSくらい。
 コーラスは大勢で読む。

C 「+」<漸増> 前につけたしていく。

 S   大きな   Sが読む
 +C  大きな   SとCが読む
 +3  大きな   SとCと3が読む

3 「−」<漸減> 前の読み手より減らす。
 SC3 小さな   SとCと3が読む
 −3  小さな   SとCが読む
 −C  小さな   Sだけで読む

4  <追いかけ> 追いかけて読む。
 A ┌ ふるふるふるふるゆきがふる
 B │   ふるふるふるふるゆきがふる
 C └     ふるふるふるふるゆきがふる

 右のような場合、Aが「ふるふる」と読むと、Bが「ふるふる」と追いかけ、Bが「ふ
るふる」と読むとCが「ふるふる」と読んでいく。ABCの声が次々に重なっていく。

5 「§」 <乱れ読み> 声を合わせずにわざ  とバラバラに読む。

 §全員 消防車 清掃車 散水車

 右の場合、読み手の全員がわざと声を揃えずに読む。読みがバラバラになって乱れるの
で乱れ読みという。

6 <異文平行読み> 違う文をいっしょに読みすすめる。

  A ┌ これが……あれだ あれが……それだ どれが……なんだ
  B ├ あれが……それだ どれが……なんだ これが……あれだ
  C └ どれが……なんだ これが……あれだ あれが……それだ

 ABCの3人がいっせいに同時に自分の文を読む。そう読むと、声が混じってなにを読
んでいるのか分からないが、それでよい。雰囲気をつくる読み方。

7 わたりの技法

     A 雲から山へ
     B 山から川へ
     C 川から海へふりそそぐ
  ABC 雲から山へ山から川へ川から海へふりそそぐ

 文を句で区切って分読し、最後に全員でもう一度、その文を読む。
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 ◆群読 脚本 金子みすヾの詩◆
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 ★みえない星     金子みすヾ★
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 二人読みする。問いと答えからできているが、人が人に聞いているというより、星空を
見上げている詩人の心のなかの対話としてとらえたい。静かに問い、静かに答えている。
孤独な詩人の心象風景として表現したい。

   12 みえない星 金子みすヾ

 1 空のおくには何がある。

 2 空のおくには星がある。

 1 星のおくには何がある。

 2 星のおくにも星がある。
   めにはみえない星がある。

 1 みえない星はなんの星。

 2 おともの多い王様の
   ひとりのすきなたましいと、
   みんなに見られたおどり子の
   かくれていたいたましいと。        (金子みすヾ童謡集「明るいほうへ」JULA出版)

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 ★きりぎりすの山登り     金子みすヾ★
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 金子みすヾ最後の童謡。

 S ソロ
 C コーラス

 リズムよく読みすすめる。「ヤ・ピントコ、ドッコイ・ピントコ、ナ。」は囃子言葉。
景気よく受けて読むが、最後は、あくびしなが読んで、心のなかで「おやすみなさい」と
言ってまとめる。
 なお、この読み方を元に子どもたちに工夫させると、
 「ピントコ、ピントコ、ピントコ、ナ」
   というバック・コーラスをつけようかとった意見がでてくる。

     SC きりぎりすの山登り  金子みすヾ
  S きりぎっちょん、山のぼり、
    朝からとうから、山のぼり。
  C ヤ・ピントコ、ドッコイ・ピントコ、ナ。

  S 山は朝日だ、野は朝露だ。
    とても跳ねるぞ、元気だぞ。
  C ヤ・ピントコ、ドッコイ・ピントコ、ナ。

  S あの山、てっぺん、秋の空。
    つめたく触るぞ、この髭(ひげ)に。
  C ヤ・ピントコ、ドッコイ・ピントコ、ナ。

  S 一跳ね、跳ねれば、昨夜(ゆうべ)見た、
    お星のとこへも、行かれるぞ。
  C ヤ・ピントコ、ドッコイ・ピントコ、ナ。

  S お日さま、遠いぞ、さァむいぞ、
    あの山、あの山、まだとおい。
  C ヤ・ピントコ、ドッコイ・ピントコ、ナ。

  S 見たよなこの花、白桔梗(しらききょう)、
    昨夜のお宿だ、 おうや、おや。
 SC ヤ・ドッコイ・つかれた、つかれた、ナ。

  S 山は月夜だ、野は夜露、
    露でものんで、寝ようかな。
 SC アーア、アーア、あくびだ、ねむたい、ナ。
       (金子みすヾ童謡集「明るいほうへ」JULA出版) 

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 ◆お知らせ◆
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 大会の準備をすすめています。大会当日の分科会運営についての研修会を下記により開
きます。会員の方で参加したい方は、ご連絡ください。現在9名の方が参加を申しこまれ
ています。
  参加資格 会員のみ
  日時 6月28日(土曜日)午後1時より6時まで
   場所 東京・新宿 日本青年会館  03-3401-0101
   研修内容 分科会の運営について
  講師 家本芳郎
  会費 無料 夕食は会にて用意します。
  参加連絡先 メールにてお願いします。
  日本群読教育の会事務局  重水健介  k_shigemizu@hotmail.com