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 日本群読教育の会 会報 30号     2003. 4.6

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 ●目次●
   大会準備はすすむ
   事務局通信
   会員よりのうれしいお便り
   大会記念号の実践記録
        平和ミニ集会 イン 広島   松本 順子
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◆大会準備はすすむ◆
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 ★現地実行委員会より★
 こんにちは。大分の姫野です。3/29に第3回目の現地実行委員会を開催しました。
重水事務局長も遠路はるばるお越し頂き,和やかに会議ができました。
その会議の中で,大分以外の参加者が「もう,予約をしている!」ということでした。
九州では,鹿児島と宮崎でした。2県合わせて,50名はいっています。すごい!!!っ
て思います。また,四国の高知からも予約が入っています。
 常任委員の方々には,後日,重水事務局長より家本代表と相談の後,連絡がある
予定で すので,是非,ご覧下さい。
 そして,夏の全国大会へ参集してください。夏の湯布院は,観光シ−ズンで宿が予約で
きません。お泊まりの方は,早めの予約を湯布院ハイツへ。一般参加者も,昨年度と同様
の人数になりそうです。200名前後です。
 今回の大会は,少し早めに〆切りになるかもしれません。要項も新しく参加票をつける
ようになりましたので,お待ち下さい。

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 ★湯布院大会についてのお知らせとお願い    事務局通信★   
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 こんにちは。年度始めでご多忙でしょう。今日は、今年の夏の群読湯布院大会について
のお知らせとお願いです。
 現地では実行委員のみなさんが実行委員会を重ねながら大会の成功に向けて奮闘されて
います。準備の経過はこれから、事務局通信にてお伝えしていきます。
 さて、事務局員・常任委員のみなさんにお願いがあります。現地では会場の由布院ハイ
ツの29日(前日)と30日(当日)の宿泊予約を事務局員・常任委員の分として押さえて
います。
 ところで、実際は40人を下回るようなことになると、キャンセル料が発生したり、一
般の参加者が宿泊できなくなる可能性があります。そこで、非常に早くて予定が立ちにく
く恐縮ですが、
 1 大会参加の有無
 2 29日の宿泊を希望する・しない
 3 30日の宿泊を希望する・しない をお知らせいただきますと助かります。
 4月20日(日)までにご返信下さい。取りまとめて、すぐに大分(現地)の姫野賢一
先生にお送りします。また、現時点でどうしても予定が立たない場合は、その旨をお知ら
せください。  なお、メールの都合で中村聖子先生のパソコンで送信していますが、
返信もこちらへお 願いします。
 よろしくお願いします。湯布院大会を成功させましょうね。

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 ◆会員よりのうれしいお便り◆
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大阪市からです。今回の「心の太陽を持て」。授業開きで学年の教師集団が群読を発表
するというのが心に留まりました。まだ何年生担当かわかりませんが、ぜひやってみたい
と思いました。取り急ぎ、心意気だけ、お伝えしたくて。

 会報ありがとうございます。私の実践の解説も書いて頂き、大変恐縮致しました。毛利
先生のおことばを読んで、早いうちから、たくさんの詩に触れさせるといいんだなあと分
かりました。
今日から新学期。私は1年生担任になりました。とっても楽しみにしています。早くわら
べうたがやってみたいです。

 2人読みの教材、児童数の少ない学級にはもってこいだと思います。 ぜひ、実践して
みたいと思います。また、他に2人読みによい詩はないか探してみたいと思います。

   本校の研究の中心が人権学習なのですが、その中の仲間づくりの取り組みの中で、群読
に取り組むことになりました。各学年やクラスなどで、みんなで声をあわすという仲間づ
くりの一貫として、今年度取り組むことになりました。いいんじゃない? と思っていま
す。  そこで、是非先生にも協力していただいて、本校のバージョンを作っていきたいと思っ
ていますので、よろしくお願いいたします。m(_ _)m
 お体には」、くれぐれも気をつけられてください。私は、時間があれば歩くようにしました。
                  
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 ◆平和ミニ集会 イン 広島◆           高知  松本順子     
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<解説>
 毎年、修学旅行の行き先は広島と決まっている。それは「人間の生命のだいじさ」「生
命の尊厳」を実感することにねらいをおいたからである。そして、広島の地で平和ミニ集
会を開いてくるのが学校の伝統になっている。
 今年度は、この集会を教師が企画するのではなく、子どもたちの手で企画させ、子ども
たちに平和を訴えさせたいと願い、6年生の6月より10月の修学旅行に向けての計画を
練った
 6月に文学教材「ヒロシマのうた」を10時間で扱い、7月4日の高知大空襲のはなし
をきっかけに夏休みの課題として戦争について調べ学習をさせた。9月に入り、戦争の体
験を高知県下に話しに回っている北村静子先生(わが校での勤務経験があり校歌を作詞した
方)から話を聴いた。その時の子どもの感想をあげてみたい。
・ 今日、北村先生から原爆の話を聞きました。まず、びっくりというよりぼう然とし
てしまいました。それは原爆の名がリトル・ボーイ「かわいい男の子」という意味の英語
で、ぼくは「あれが、リトル・ボーイ? あの広島市民を奪った、あの原爆が??。ふざけ
ているな」と思いました。
 まあ、どんな名にしても広島市民の命を奪ったことにはかわりません。しかも、アメリ
カは、ただの実験でリトル・ボーイを使ったのです。ぼくは、そのことでむしょうに腹が
立ちました。それに今では、原爆は52万個作られているのです。これが全部落とされた
ら、ほぼというより完全に地球がなくなると思いました。ぼくは、そう考えると「ぞぞっ」と感じました。
 ぼくは、こんなことが絶対に起こらないように願います。そして、こんなことが起こら
ないように自分たちががんばらなければ、だめなんだと思いました。ぼくは、広島のこと
をもっと、知らなくてはいけないと思ってきました。
・ 私のおじいちゃんも広島に落ちた原爆の被害者です。私のおじいちゃんは、広島へ
働きにいってたらしく、食堂でご飯を食べている時に原爆が落ちたらしいです。うちのお
じいちゃんは、被害があまりなく腕をガラスで切ったぐらいで放射能も浴びずに今も元気
で暮らしているけど、原爆で亡くなった人たちや放射能のせいで今も苦しんでいる人たち
はとてもむごいです。
 昔の人たちは、原爆のことはもちろん忘れていないし、私たちも忘れていってはいけな
いことだと思います。どこの国にも戦争なんて起こしてはいけないものだと思います。今
日聞いた話を活かして、修学旅行では平和のことをうったえてきたいです。
 感想を読みあうなかで広島の原爆についてもっと調べること(「絵で読む広島の原爆」
の本を使用)、広島で平和ミニ集会を開くことになった。
 学年で集会にむけての実行委員を募り、どんな集会にするのかを話し合った。千羽鶴を
折ってむこうに持っていこう、平和の歌を歌おう、平和の願いをこめた詩を群読しようと
いうことに決まった。
 ここでは、その群読について報告する。教師が「原爆を作る人々に」の詩を選び、学年
全員で2時間を使い学習した。そして、自分たちは、どこを一番訴えたいのかをみんなで
話し合い、そこは全員で群読しようとなった。その後、実行委員15名でシナリオをつく
り群読することになった。

<読み手>
 ソロ  A B C D E  あとは学級・男女別・全員の分読
  
<演出ノート>
全体的に重々しく、一つひとつの言葉をはっきりと読む。
連との間は、しっかり間をとらすようにする。
全員・グループで読むところは声をそろえ、迫力を持たせるために読点をいれ、息継
ぎができるようにする。
4連が盛り上がるように最後にしたがって力強く訴えるように読み上げるようにする。
バックの音楽に静かな曲(宋次郎のオカリナ演奏の曲等)を流す。

<シナリオ>
司会  ぼくたちは、この被爆地広島に来るまでに、高知の空襲での大変さを北村先生に
 聞き、国語では「ヒロシマのうた」で戦争が、人間として生きることの自由を奪うもの
 だということを学んできました。今、原爆を受けた広島の地へ来て、みんなで平和ミニ
 集会を開くのは、とても大切だと思います。ぼくたちの願いを届けるために、みんなで
 心をこめて詩を群読し、平和への歌を歌い上げましょう。

  音楽 曲を流し始める

司会 「原爆を作る人々に」  福田 須磨子作    



<発展>
    今までの修学旅行では、どこをどう読むのかを教師が指示をして読ませてきたので、本
当に彼らの心に訴えられたのか、疑問であったが、子どもたちの考えでシナリオを作り、
詩の群読を考え、行うことのできた平和ミニ集会であった。
 今までの6年生と違い、いろいろな集会で声を出すことの不得意な子どもたちであるの
で、本番できちんとやれるのか、教師たちは心配したが、大成功に終わらせることができ
た。詩を群読している彼らは堂々としていた。
 そして、ほとんどの子どもたちが、卒業文集の中に平和ミニ集会の感動を書いていた。
広島についての学習を計画的にすすめてきたことと、詩をみんな(89名)で学習し、自
分たちが訴えたいのは、どこで、どこを全員で読むのかを話し合い、とりくんできた成果
だった。卒業式での呼びかけでは、修学旅行での思い出を語る部分にも、この群読をとり
り入れた。保護者たちにも、修学旅行は、広島に行かせて良かったと思ったようである。
 最後に広島の平和ミニ集会では、中高生の修学旅行団体や一般の観光客もいて「すごい
ね」「どこの学校、すばらしいね」と何人もの人に尋ねられ、子どもたちはうれしそうに
自分たちの学校名を名乗っていた。